
1902年、日露戦争を想定して行われた冬季訓練中に、
訓練参加者210名中199名が死亡した、
日本山岳史上最大の惨事といわれる、
八甲田雪中行軍遭難事件を題材に書かれたフィクション小説。
日露戦争を間近に控えた明治後期のこと。
青森と弘前の二つの陸軍連隊が、厳冬期の戦闘訓練のため、
厳寒の八甲田山にて雪中行軍を行うこととなる。
神田大尉率いる青森第5連隊は、上官の不適切な状況判断と
稀に見る寒波に襲われるという不運が重なり、
ついには199名の死者を出す。
一方で、少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31連隊は、
およそ210キロ全11日間にわたる行程を
一人の脱落者も出すこと無く、完全踏破。
2つの連隊を対比し、自然と人間ということだけでなく、
極限状態の中にある「組織」のありさまを描く長編小説。