現在の時刻

番組表

バックナンバー

2011年2月17日 放送
【写真】豊﨑 賢一、加藤 智治 未放送の内容も観れる特別版動画配信はこちら 村上龍の編集後記 ショートエッセイはこちら

105円で感動を!
職人社長と東大卒エリートが挑む、
最強チーム経営

あきんどスシロー
社長
豊﨑 賢一(とよさき・けんいち)氏 あきんどスシロー
専務執行役員
加藤 智治(かとう・ともはる)氏
RYU'S EYE » 座右の銘 »

社長の金言

金言1
“また来たい店”を目指せ

外食産業が厳しい経営環境にある中でも、成長を続けているのが回転寿司業界だ。こうした中、大手3社は、「1皿105円」の低価格を売りに、熾烈な競争を繰り広げている。業界1位は「かっぱ寿司」、2位は「あきんどスシロー」、3位は「無添くら寿司」。この業界の厳しい競争ぶりを示す、ある"事件"が最近起きた。万年2位に甘んじてきたスシローが、半期の売り上げでかっぱ寿司を抜き去り、初めて1位に躍り出たのだ。
スシローが売りにしているのが、原価率50%を誇る「美味しさ」。その陣頭指揮を執るのは、たたき上げの寿司職人で社長の豊﨑賢一(46)だ。そして経営面で豊崎を傍らで支えるのが、専務執行役員の加藤智弘(36)。スシローに骨を埋める覚悟で、2年前、投資ファンドから転職してきた異色の男。スシローが業界トップを勝ち取った"強い経営"の裏には、「職人社長・豊崎」と「経営のブレーン・加藤」という、絶妙のコンビがあったのだ。
成長著しいスシローだが、一方で2人は「回転寿司業界の限界」も見据えていた。動き出した2人が目指すものとは…。天下取りを狙うスシローの全貌に迫る!

回転寿司だって、うまさで勝負!「うまくて安い」の全貌に迫る

豊﨑社長は、もともと寿司職人。大手3社の中でも社長が職人なのは、「スシロー」だけだ。豊崎は、その鍛えられた目利きで、食材に対する妥協を許さない。うまさの秘密の一つは、各店舗の厨房でネタを調理すること。手間も費用もかかるが、豊崎はこだわり続けている。
ネタの仕入れ交渉に当たるのも、豊﨑の役割だ。水産会社との商談では、社長自ら値切り交渉。大阪商人らしく、「安さ」へのこだわりも徹底している。豊崎は言う。「何でもいいって訳じゃない。うまいだけでもダメ。"安くてうまい"がモットーだ」。
そんなスシローは、外食産業における顧客満足度では、回転寿司業界トップ。外食全体でもなんと3位という、驚異の人気を誇る。

戦国時代の回転寿司…"強い経営"支えるブレーンは若き36歳

社長の豊﨑を傍らで支えるのが、専務執行役員の加藤智弘(36)だ。加藤がスシローに入社したのは、あるスシローの"危機"があった。実はスシローでは3年前、ある外食大手との業務提携の話が持ち上がった。当時副社長だった豊﨑も、突然のことに不安を抱いたという。

スシローを支援する投資ファンドから、経営改革の責任者として送り込まれてきたのが、加藤だった。2007年のことである。当時スシローは、経営陣に寿司職人が多くいたため、美味しさが最優先で設備投資などは二の次でいい、という雰囲気が社内にあった。だが加藤は「これでは勝てない」と、タッチパネルなどの導入を提案。
今では豊崎の全幅の信頼を得て、加藤は経営面でスシローを支える一人となった。
寿司に徹底的にこだわる職人社長と、強い企業経営を支える若きブレーン。この2人が車の両輪となって、スシローは急成長を続けている。

回転寿司の"将来"を見据えて…チームスシローの次なる挑戦

念願の業界トップに躍り出たスシローだが、豊﨑も加藤も、決して浮かれてはいない。二人は口を揃えてこう言う。「3年から5年後には、日本の回転寿司業界は必ず飽和状態に達する。それを見据えてスシローも変わっていかなければいけない」。熾烈な競争を繰り広げている回転寿司業界を、実に冷静に分析していた。
スシローはこの1月、新たなチャレンジを始める。今までなかった「駅前店舗」を初めて出すのだ。加藤が中心となって、新規出店の計画を練る。郊外型でファミリー中心だったターゲットを広げ、駅前店舗で狙うのは、サラリーマン客だ。
一方、社長の豊﨑は、寿司メニューで「先」を見据えていた。マグロの消費量では、日本トップクラスの寿司チェーンだけに、昨今のマグロ規制には危機感を抱いている。そのためにも新たなメニュー開発が必要なのだ。「うまい寿司を、腹いっぱい」この追求は、決してあきらめない。

ゲストプロフィール

豊﨑 賢一

1965年2月生まれ 徳島県出身
1984年4月:調理学校を卒業後、「鯛すし」入社
鯛すしが出店した回転寿司「すし太郎」に参加
2000年12月:社名をあきんどスシローに変更し取締役就任
2009年6月:代表取締役社長に就任

ゲストプロフィール

加藤 智治

1974年9月生まれ
東京大学大学院を卒業後ドイチェ証券、マッキンゼーに勤務
2007年:投資ファンドユニゾン・キャピタル入社
2007年12月:スシローに出向、社長室長に就任
2008年:ユニゾン・キャピタルを退職、スシローに入社
専務取締役企画本部長に就任

企業プロフィール

1984年:大阪・豊中市に1号店(店名:すし太郎)を出店。
2000年:商号を株式会社あきんどスシローに変更。
2003年:東証二部に上場
2004年:セントラルキッチンを廃止、店内調理へ
2007年:投資ファンドのユニゾン・キャピタル・グループと業務提携
2009年:上場廃止

本 社:大阪・吹田市
売上高:819億円 経常利益23億円(2010年9月期)
店舗数:296
従業員:910人(アルバイトなど約2万5000人)

村上龍の編集後記

回転寿司は食文化の革命だ。権威的な旦那衆から、家族、仲間、カップルなど、ごく普通の人々に主役が移った。その最先端を走るスシローは、ネタに妥協しない職人魂と、経営・宣伝の若きエリートたちに支えられ、多くの人に幸福を届けている。
「うまい寿司を腹一杯」、これほどハッピーな革命のスローガンがあっただろうか。

最高にハッピーな革命 村上龍
カンブリア宮殿 社長の金言2015カレンダー Twitter カンブリア宮殿公式アカウント @cambrian_palace
PICK UP NEWS