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2015年1月8日 放送
【写真】山海 嘉之 氏 筒井 宣政 氏 村上龍の編集後記 ショートエッセイはこちら

医療の未来を切り拓く挑戦者たち スペシャル

サイバーダインCEO 山海 嘉之(さんかい よしゆき) 東海メディカル会長 筒井 宣政(つつい のぶまさ)
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社長の金言

金言1
“好き”という気持ちが大きな力を生む
金言2
必死の思いが不可能を可能にする

世界に誇るニッポンの得意分野の一つが“医療”。日進月歩で様々な医療器具や技術が生み出されている。そんな中、大手だけでなく、ベンチャー企業も独自の技術力・発想力で新しい境地を切り拓いている。 脊椎損傷などで麻痺が残った人に、再び歩けるという希望を与える“ロボットスーツ”を開発した大学教授。さらに心臓病の娘を救うべく立ち上がり、一から作りあげた医療器具で8万人の人を救ってきた町工場の経営者。彼らに共通するのは、その技術力は然ることながら、「一人でも多くの人の役に立ちたい」という“揺るぎなき信念”だ。2015年初回の放送は、医療の未来を切り拓く、熱き挑戦者たちの姿を描く。

科学は人の役に立ってこそ意味がある!信念の科学者が生んだロボットスーツ
~サイバーダインCEO 山海嘉之~

脳卒中や脊椎損傷で歩くことが困難になった人々の願いはただ一つ。“再び自分の足で歩きたい”。その人たちに希望を与えているのが、“ロボットスーツ”による機能回復トレーニングだ。「HAL」と呼ばれる装置を体に装着すると、なんと人の意思をセンサーで読み取って手足の動きを補助してくれる。繰り返し歩行トレーニングをすることによって、自分の足で再び歩けるようになった人もいるのだ。日本では医療機器として認可されていない為に福祉機器扱いだが、すでに500体が全国160の医療機関などに導入された。さらにドイツでは医療機器として正式に承認され、本格的な“治療”も始まっている。 これを開発・製造したのが、筑波大学大学院教授にして、ロボットベンチャー・サイバーダインのCEOを務める山海嘉之氏だ。山海は言う。「科学は人の役に立ってこそ意味がある。人のため社会のためにテクノロジーは使われるべきだ」と。山海は人の役に立つロボットを作るため、工学だけでなく、脳科学や神経学、さらには心理学など、様々な学術を合わせて、人の意思通りに動くロボットスーツを作り上げたのだ。さらに2014年3月には東証マザーズに上場。その資金で、小型でどこでも使える新型HALや、介護する人の作業を楽にする支援用のHALなど、さらに人々の役に立つ開発を進めている。終わりなき信念の科学者の挑戦を追う。

ゲストプロフィール

サイバーダインCEO 山海 嘉之(さんかい よしゆき)

1958年 岡山県生まれ。
1987年 筑波大学大学院工学研究科博士課程修了
1991年 ロボットスーツHALの基礎研究を開始
2004年 筑波大学大学院システム情報工学研究科の教授(現職)に就任
 同年 大学ベンチャーとしてサイバーダインを設立


企業プロフィール

社員数 150名
売り上げ 4億5000万円
本社 茨城県つくば市
2014年3月に上場を果たす



娘の代わりに1人でも救いたい・・・ 父の愛が生んだ命のカテーテル!
~東海メディカル会長 筒井宣政~

年間4万人以上の人が罹るという急性心筋梗塞。その治療現場で活躍するのがIABPカテーテルだ。心臓の血管に細長い管を挿入し、バルーンを膨らませることで詰まった部分を広げるというもの。以前はその多くが海外製品で日本人の体格にあわなかったため事故が多発。そこで日本人にあったサイズを初めて作ったのが愛知県のベンチャー企業「東海メディカルプロダクツ」だ。品質の良さが医療現場の評判を呼び、国内シェア3割を誇る。実は以前、縄跳びなどを製造する樹脂加工の会社だった。それが医療の道へと進んだのは会長・筒井宣政の「娘を救いたい」という思いだ。次女は生まれつき重い心臓疾患を患っていたが、当時の医療技術では手術は困難。筒井は手術費として貯めていた2000万円を元手に、人工心臓の開発に乗り出す。一から医学を学び、ついに試作品の完成までこぎつけたが、さらなる膨大な開発費用が必要と知り断念した。失意の筒井だったが、同じく心臓の病気で事故が多発していた外国製カテーテルのことを知り、樹脂加工の技術と一から学んだ心臓の知識をフル活用して、国産カテーテルの開発に挑んだのだった。 結局娘は救えなかったが、“人の命を救う”という信念は今も変わることがない。心臓以外にも腎臓や脳の血管治療にも役立つカテーテルを次々と開発。今年8月には、世界で最も細いと言われる小児用カテーテルも実用化。生まれたばかりの乳児にも使える“奇跡のカテーテル”として大きな注目を浴びている。娘の代わりに一人でも多くの命を救いたい・・・。その思いを胸に、今も挑み続ける老経営者の執念に迫る。

ゲストプロフィール

東海メディカル会長 筒井 宣政(つつい のぶまさ)

1941年 愛知県生まれ。
1964年 関西学院大学経済学部を卒業後、父が経営する東海高分子化学へ入社
1981年 東海メディカルプロダクツ設立
1989年 バルーンカテーテルの国産化に成功
2012年 会長就任


企業プロフィール

従業員数 180名
売り上げ 31億8200万円(2013年)
本社 愛知県春日井市



 

村上龍の編集後記

以前から、人の真似をする「人型ロボット」に違和感があった。「HAL」は まったくコンセプトが違う。人をなぞるのではなく、助ける。しかも人の脳と相 互に影響し合い、正のフィードバックを生み出す。こんな素晴らしいロボットに接したのははじめてだ。東海メディカルプロダクツにも感じることだが、ヒューマニズムという言葉が、輝きを帯びて復活している気がする。ヒューマニズムは主義ではない。助けを必要としている人の役に立つ、非常にシンプルだ。新しい年が、真のヒューマニズムにあふれるものになると信じたい。

ヒューマニズムの復活
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