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2015年9月17日 放送
【写真】住友 達也 氏 村上龍の編集後記 ショートエッセイはこちら

全国の買い物難民を救う!驚異の移動販売車

とくし丸 社長 住友 達也(すみとも たつや)
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社長の金言

金言1
息遣いを感じる人のつながりが
未来を切り開く

スーパーに買い物に行けない高齢者の家を一軒一軒まわる移動販売車「とくし丸」。小さなトラックに詰め込んだ商品は、生鮮食品から生活雑貨まで実に1200点以上。町の御用聞きとして高齢者と親密な関係を築き上げ、創業わずか3年で全国にサービスが広がっている。今や大手メーカーがマーケティングに利用するほど小売業界でも大注目の「とくし丸」。そのユニークな仕組みと創業の情熱に迫る!!

驚きの御用聞き商法

高齢で買い物がままならない「買い物難民」の問題を解決するため、去年から東京・新宿で走り始めたのが、小型の移動販売車「とくし丸」。全国22の都府県で急拡大中の新サービスだ。年内に販売車の台数は100を超え、販売額は合わせて年10億円にも達する。徳島県で誕生した「とくし丸」が活躍するのは、ほとんどが過疎の地域。実は、運営しているのは、スーパーなどではない。運転手は個人事業主(いわばフランチャイズのオーナー、約300万円で販売車購入)で、商品は各地の提携スーパーに供給してもらうというユニークな仕組みが特長だ。そして、希望する高齢者の家の前まで行き、親身になって接客を行う。客との深い関係こそが「とくし丸」のビジネスの根幹。1台の販売車が、毎日平均8万円を売り上げる。仕掛け人である社長の住友は、新しく開業する地域があると、事前に自分の足で地域をまわり、買い物に困っていて本当に「とくし丸」を必要としている客を開拓してきた。

地域のことは地域で解決を

住友は20代の時、地元徳島のタウン情報誌「あわわ」を創刊。斬新な企画を連発し、全国でも有数の地方情報誌に育て上げた。そんな住友が、地域の問題に関わるきっかけとなったのが、地元・吉野川での可動堰の建設計画。住友は反対運動の中心的存在になり、住民投票の実施によって計画を中止させた。そこで住友は「地域の問題は地域で解決する」ことに気づく。その住友が次に取り組んだのが、地元で急増し始めた買い物難民問題だった。「とくし丸」の運営会社を作った住友は、ユニークなルールを決めた。①全ての品につき10円を利用者が負担(サービス継続のため受益者も応分の負担を)②地元の小さな商店を守るため、その半径300メートル内では営業しない③販売員は地元出身者にする。そこで暮らす売り手も買い手も、ともに豊かに生きていくためのアイデアだ。今や「とくし丸」に注目した大手メーカーが独居高齢者のマーケティング調査に使うなど、様々な可能性が広がっている。

ゲストプロフィール

1957年 徳島県生まれ
1981年 徳島のタウン情報誌「あわわ」創刊
2003年 個人事務所「sumitomore」設立
2012年 「株式会社とくし丸」設立




企業プロフィール

本社:徳島県徳島市南末広町2-95 あわわビル4F
創業:2012年1月
従業員:4人






 

村上龍の編集後記

まさか、東京23区内に「買い物難民」が存在するとは知らなかった。規模は違うが、「とくし丸」創設の発想は、故・小倉昌男氏の宅急便に似ている。「事業効率ではなく需要があるかどうか」ということだ。しかも住友さんは、潜在需要を、徹底して自らの足で開拓していった。文字通りの、地に足が着いた地道な努力、それが、地域性・個別性・多様性の把握につながり、ビジネスと社会貢献の幸福なカップリングを生んだ。機能的で、かつ可愛らしい軽トラックには、「安易な成功はない」という真実が刻まれている。

切実な需要、応える勇気
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