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2016年2月4日 放送
【写真】横手 和彦 氏 村上龍の編集後記 ショートエッセイはこちら

地元にあった奇跡の店SP 第1弾
「地域住民の幸せを膨らませる奇跡のパン屋」

ピーターパン 社長 横手 和彦(よこて かずひこ)
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社長の金言

金言1
全ての過去は
今の自分のためにある

「この地域に住む理由のNO.1」「この店があるから引っ越ししたくない」-地元住民にこう言わしめる大人気のパン屋がある。千葉県船橋市周辺に展開するベーカリーチェーン「ピーターパン」。人気の理由は、徹底的に“焼きたて”にこだわっていること。それだけではない。地元客から愛される本当の理由は、家族皆が来ても楽しめる店づくり。コーヒー無料のテラス席は、地元住民の憩いの場に。さらにクリスマスや餅つきなど季節ごとに採算度外視でイベントを開くなど、街のコミュニティーとなっているのだ。この地元から愛される店を作ったのが横手和彦。信金マンからバー経営、パン職人…異色の経歴の男が辿り着いた、感動店作りの物語!

「店がないと困る!」地元住民を熱狂させるパン屋の秘密

週末の朝7時前。客が早くも行列を作っていたのは、巨大なロッジ風の店構えのパン屋「ピーターパン」。千葉・船橋市の住民に取ってはおなじみの光景だと言う。店内には100種類以上のおいしいパンが客を待ち構える。最大の人気の秘密は、徹底的な“焼きたて”へのこだわり。ここではクリームパンも実は焼きたてを提供。とろけるクリームが何とも言えずおいしいのだとか。1日1000個を売ることもあるカレーパンは、揚げるのは1度に12個まで。一度にたくさん揚げると冷めてしまうからだ。ピークには5分おきに揚げるという。それだけではない。客がすでにトレーに取ったパンも、焼きたてと交換するという徹底ぶり。そして外のテラス席ではこだわりブレンドのコーヒーも無料で提供し、客に熱々のパンを食べてもらう。そのテラス席は、客と客との会話を生み、地域の輪を広げている場にもなっていた。そんなピーターパンは6店舗ながら年商18億円。1店舗あたり、通常のベーカリーの10倍という驚異的な売り上げを誇る。店をクリスマスに訪ねると、地元の子供たちが多く集まってイベントが開かれていた。その数日後には餅つき大会が!季節ごとに地元住民のためのイベントも開催。ただのパン屋ではなく、地域のコミュニティーとなっているのだ。だからこそ客からこんな声が聞かれるのだ。「船橋に住む理由のNO.1。引っ越しできない」と。

信金マンからバー経営、パン屋にピザ屋…紆余曲折を経て成功にたどり着いた男

“焼きたてへのこだわり” “地域に愛される店づくり” -業界から“奇跡のパン屋”とも呼ばれるピーターパンを作り上げたのが社長の横手和彦。そんな横手は、異色の経歴を持つ。瀬戸内海の島のみかん農家に生まれ、元々は愛媛の信用金庫に勤めていた。しかし仕事が向かないと感じた横手はスパッと退職。上京し西麻布でバーを開店する。しかし、好調な売り上げだったにも関わらず、子供に働く姿を見せてやりたいと感じていたという。友達がやっていたベーカリーのパンを食べた横手は、今度はパン職人の道へ…。開店当初から焼きたてにこだわると人気に。その後も業務拡大で成功していた宅配ピザチェーンからあっさり撤退し、再びパン屋に専念。そんな紆余曲折を経て、今のスタイルのピーターパンに辿り着いた。ビジネスの成功に満足しない、その決断の中に、どんな成功への道が隠されていたのか?

パン作りを通して人生を学び続ける…成長するパン屋

常時100種類のパンを提供するピーターパンだが、定期的に新商品を出している。提案は全従業員、誰でもOK。ようやく仕事に慣れたばかりの入社2年目の男性社員も、自分で考案した新作パンをプレゼンしていた。もちろん商品化にはいくつものハードルがある。これまで何度もダメ出しを受けている。しかし、「自分のパンが店頭に並ぶのが夢。誰でもチャンスが広がっているのがピーターパンのいいところ」と目を輝かせる。横手は社員の向上心を高めるため、パンづくりや経営の勉強会を開いたり様々な研修の場を提供している。横手自身も、経営者が集まる勉強会があれば頻繁に顔を出し、70歳を超えた今でも経営について学び続けている。トップもスタッフも常に学び続ける・・・それがピーターパンの真の強さなのだ。

ゲストプロフィール

1943年 大崎下島(広島県)生まれ
1967年 信用金庫を脱サラし上京
1977年 ピーターパン設立





企業プロフィール

本社:千葉県船橋市海神3-24-14
設立:1977年
年商:約18億円(2015年3月末)
社員:95人 パート・アルバイト:210人






 

村上龍の編集後記

「ラーメンも好きだったので、パン屋か、ラーメン屋か迷った」「技術が未熟だったので、焼きたてで、補おうとした」横手さんは、どこかのんびりした印象を受ける。悩みももちろん多かっただろうが、「苦労」とは思わなかったのではないか。画一的な集団から「個の時代」へという流れを敏感に読み取り、1店舗あたりの平均年商が3億という驚異的な業績。でも横手さんには、いまだに、街中の「パン屋のおじさん」という優しいイメージがある。パンは、作り手の顔が目に浮かぶかどうかでおいしさが決まるという、何よりの証しだと思う。

焼きたて、心まで温まる
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