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2005年02月02日
メディアのジレンマ
「礼宮さまと川嶋紀子さんのご結婚が決まりましたが、どう思われますか?」
うわあ、テレビの取材だ。
15年前のあの時、学習院大学の構内は礼宮さまと紀子さまのご結婚話で持ちきりだったし、大学「後輩達」の一言を取ろうと正門に待ち構える各局の取材カメラの数に私達学生は興奮気味だった
「もし取材されたらどうする?」
「お化粧でもしておく?」
なんて、授業中に話していたことが実際に起こってしまった。
おりしも私はラクロスと言うスポーツの学習院チーム主将だった。
ここはしっかり受け答えをせねばなるまい。
「私達がグラウンドで朝練をしていると時々紀子さんがマラソンしていらっしゃることがあって、挨拶をするととっても素敵な笑顔で応えてくださるんです」
「後輩としてとっても喜ばしいことだと思っております」
模範解答だった。完璧だった。
しかし夕方のニュースで流れたのは、私が友達と「でもさあ、今日は休講になるかとおもったのにね~」と、がはは笑いをしている映像だった。
なんてことだ。見事なまでの受け答えの後の、インタビュアーが「ありがとうございました」といったその後の、油断して放った本音の一言だった。
私の母は、仲間うちでしばらくの間「バカ女子大生の母親」というありがたくないレッテルをはられたそうな。
メディアのジレンマである。
あの時「マスコミはひどい」と憤慨していた私だったが今や作り手としてその気持ちも分からなくもない。
インタビューの最中もいかに「いい味わい」を引き出せるかに集中している。象徴的な一言はやはり視聴者へのインパクトがある。建前よりは本音がほしいものだ。
さて、通常国会が始まった。冒頭から野党が退席するなど大荒れの様相だ。
岡田代表の怒りの表情のあとの、小泉さんのにやりとした顔。
映像からいろんな事を視聴者は感じ取っているに違いない。
以前、国会に党首討論を取材に行って愕然としたことがある。
声を張り上げ熱弁を振るう、テレビでお馴染みの「小泉さん」はわずか2~3分。
後の数十分は手元の用意された原稿を「棒読み」しているだけだった。
本当に見事な棒読みだった。
私達が届ける映像は時間的制約からどうしても「インパクト」のある「象徴的なシーン」
になってしまいがち。(小泉さんであればやはり身振り手振りで言い放つ短いセンテンツ)
ただ、それもメディアが拾い上げた一部分でしかない。
ほとんど顔を上げることなくつらつら読みつづける姿には正直「これもまた真実」
と目がさめる思いがしたものだ。
その日のスタジオで付け加えた。
熱弁を振るう、その映像のあとで「熱が入っていたのはこの郵政民営化の部分だけだけでしたが。」
映像と同時にもうひとつ補足するコメントがしたいと思っている。
15年前のあの日、休講になると思い込み学食でお茶していた友人は少なくはない。
そこにもひとつの「真実」があったのだから、それを伝えたあの日の彼らを責められるはずもない。
私も成長したものだ。

