現在の時刻

番組表

募集 バックナンバー 前回の放送 建築家データベース 前回の建築家 トップページへ戻る

渡辺さん一家

今回の施主は、東京都台東区、アメ横から歩いて10分の商店街に建つ老舗の天ぷら屋さん「天正」の三代目。二代目の奥さんと三代目の娘夫婦が営み、日々近所の人たちで賑わうお店ですが、建物は築88年となり、あちこちに限界が…。歩くと沈む床、閉まらないサッシ、すきま風、雨漏りで歪んだ天井、脱衣所がなく狭いお風呂、急角度の階段など、様々な不便さを改善すべく、建て替えを決意しました。施主の希望は、これまでの過酷な生活がうかがえる切実なものばかりです。
そして、いざ解体が始まってみると、思いもかけない問題が次々と…。
果たしてドリームハウスは無事に完成するのでしょうか?

* 寒くないトイレ
* 室内洗濯機置き場
* 膝が伸ばせるお風呂
* 明るい洗面所
* 人目が気にならない脱衣所
* 広いキッチン
* 雨風がしのげる寝室
* 洗濯物が干せるベランダ
* 子供部屋
* 陽が入る南側の部屋

敷地面積 59.63㎡(18坪)
建ぺい率 80%
容積率  360%  

渡辺さんの夢を叶えるのが、周囲の街並みに溶け込む建物を多く手掛けてきた建築家・川島茂。
川島の提案したプランは、1階が店舗で、2、3階が居住スペースの、スッキリとした鉄骨3階建て。間口の狭い土地に大きな空間を実現するため、細い鉄骨や特殊な筋交いを使います。

また、東西を建物に挟まれる渡辺邸は、東西に窓を設けず、南北に大きさのバラバラな窓を設けました。そこには、建築家のある狙いが。
一体、どんなドリームハウスが完成するのでしょうか?


解体が始まると、建物の歴史の長さを
物語るものがたくさん出てきました。

解体がすすむと、なんとお隣の外壁がないことが発覚!
土壁や天井裏が丸見えのため、
お隣の外壁の補修も、併せて行うことになりました。

いよいよ着工です。
地盤改良のため、29本もの杭が打ち込まれました。

配筋、コンクリート打設を経て、
細長い基礎が完成しました。
その幅はわずか4歩。

上棟は、重機が土地に入れないため、
スカイタワーという高所作業車を2台使い、
手起こしで行われます。
空間を広くとるため、細い鉄骨が使われます。 

曲がった鉄骨を筋交いにすることで強度を高め、建物全体の歪みを抑えます。
さらに、1階をしっかりと固めることにより、
2、3階の居住スペースの柱を 減らし、
広々とした空間を確保する狙いも。

床と壁にはALC板が採用されました。
外壁には石膏ボードを張っていきます。
狭い場所での作業に、職人さんも一苦労です。
壁の厚さは44mmに抑えられました。

窓の大きさはあえて全てバラバラに。
最も明るいリビングに
家族が集まれるようにという建築家のアイデアです。

家族皆で床の塗装をします。
経費削減にもなりますが、
何より、家への愛着がよりわいてきそうです。  

奥さん待望のキッチン搬入ですが、
大きすぎて廊下と内階段を通れない事態に。
外からロープで吊り上げて搬入します。

店舗にも、厨房機器や照明が取り付けられ、
いよいよ工事も大詰め、完成間近です。
 

下町の商店街に、シルバーのサッシと
真っ黒な外壁がモダンな印象の
ドリームハウスが姿をあらわしました。

1階の店舗は、以前とは全く趣の違うオシャレな空間に生まれ変わりました。
黒を基調とした店内に、
白い筋交いが良いアクセントになっています。 

店舗奥の通用口を出ると、鉄骨の外階段があります。
家に差し込む陽射しを遮らないよう、
メッシュ素材の囲いが取り付けられました。

外階段を上がり2階の玄関を開けると、
長い廊下が出現。
壁には大容量の収納が作り付けられました。

玄関からすぐのお母さんの部屋は、念願の南側。
明るいうえに収納もたっぷりで、
快適に過ごせそうです。

トイレ、洗面台、そして広いお風呂 と
水回りは全て家族の希望が叶いました。

廊下のつきあたり、2階北側は夫婦の寝室です。
低い位置にある窓は、外からの視線を遮りつつ、
風通しを良くします。
窓の反対側には、施主自ら収納棚を作りました。 

階段を上がった3階北側は、
天井が高く開放的な雰囲気の娘の部屋に。
窓からスカイツリーが見えるという
嬉しいサプライズもありました。

そして、家の中で一番明るいのが、3階南側のLDK。
建築家の狙い通り、
自然と家族が集まる憩いの場所になりました。
大きなキッチンでは、親子での料理が楽しめそうです。

そしてこちらも念願だったベランダ。
降り注ぐ陽射しを独り占めできる
特別な空間ができました。

古い家に持っていた不満を見事にすべて拭い去り、
家族3世代が気持ちよく
生活できるようになった渡辺邸。
ドリームハウスの完成!おめでとうございます。