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今回の舞台は、知る人ぞ知る、名湯の町、群馬県中之条町。美人の湯として有名な沢渡温泉です。
そして、そんな沢渡温泉の老舗土産物屋さん「こめや商店」の看板娘、高平由子さんが今回の施主。傾斜地で、さらに台形地という土地に店舗兼住宅の建て替えは成功するのでしょうか?「こめや商店」の存亡はいかに!?
移り変わる季節の中で見つめ続けた温泉街の建築現場300日。そこには、日本人が忘れかけていた儀式の中に、古きよき伝統が生きていました。そして、人々のドラマがありました。
果たして今回は、どんなドリームハウスが完成するのでしょうか!?
自然素材の家
吹き抜けのリビング
リビングで卓球をやりたい
お店に憩いのスペースが欲しい
3800
敷地面積227㎡(69坪)
建ぺい率50%
容積率80%
 
変形地という難しい敷地に挑むのは、若き建築家
田中伸明さん。95年に大学を卒業後、建築事務所勤務
を経て4年前に独立。特に木造住宅を得意とし、自然素材に囲まれた生活空間を作り出す、癒しの建築家です。そんな田中先生が、おばあちゃんのためになんとか「こめや商店」が存続できるように、と考え、完成したのがコチラのプラン!
変形敷地の難点を田中先生は箱を2つ組み合わせるという発想で解消しました。大きな箱を住居に、小さな箱の一部を店舗にするアイディア。変形地を有効利用した画期的な設計です。
1階の中心には、実に30畳もの広さのリビングとダイニングキッチンが。キッチンからその全てが見渡せるように、壁はガラス張りになっています。また、あえてリビング内に階段を設けることで、2階の部屋に行くときでも、常に家族が顔を合わせられるようになっています。
のべ床面積55坪の店舗付き4LDK!変形地のデメリットをメリットに変えた奇跡のプランです。
 
季節は秋。
建て替えに伴い、この日、家族の思い出のつまった「こめや商店」が取り壊されることに。捨てがたい50年分の時間。
しかし、切なさは、やがて新しい家への期待に変わっていきます。
おばあちゃんは、建築現場の記録を亡くなったおじいちゃんのカメラで記録していくことに。
まずは、1階をフラットにするための高床式工事から。ちなみに屋根は、斜面同様、南側に傾斜しています。
これは冬、屋根に積もった雪を溶けやすくしてなおかつ、北側の道路に雪を落とさないための工夫です。
この日の工事は、鉄骨を使って傾斜地をフラットにする作業です。こうすれば、傾斜はもはや関係ありません。
歳の瀬もせまったころ、上棟式が行なわれました。
沢渡温泉では、昔ながらの伝統の上棟式が・・・。なんと、屋根の上から祝い餅がまかれます。
町中の人が集まって、大賑わい!
今回、田中先生の考えで新築にあわせて家具を既製品ではなく職人の手作りによるものにすることに。
棟梁・小林順一によって温もりのある空間が作られていきます。
いよいよ工事もゴール間近。
と、そこに建具屋さんの職人、田中さんが登場。
田中さんのおかげで、おばあちゃんの宝もの・茶箪笥もこんなに立派になりました。
そんなこんなで、おばあちゃん、そして家族の願いを叶えるべく変形地に挑んだ店舗兼住宅。
新しい沢渡温泉のランドマークがついに完成しました!
手作りの温もりに満ちた引き戸をあけ、玄関へ。
するとまず、小さな台が目に飛び込んできます。実はこれ、おばあちゃんが楽に靴を履けるようにと作られた腰掛。職人さんの優しさが溢れています。
広いリビングは16畳。
その一角には、おばあちゃんのために6畳の和室があります。店を訪れたお客さんの憩いの場にもなります。
キッチンも木を贅沢に使った建具屋さんのオリジナル。
奥さんの要望通り、収納もバッチリです。そして、キッチンからガラスの壁を通してリビングを見渡すこともできます。
リビングに旦那さん念願の卓球台も運び込まれました。
店舗部分も完成!以前に比べてシンプルに商品が見やすくなりました。
建具屋さんの特注品、丸テーブルが自然の癒しの空間を演出しています。
家を建てる・・・。
それは新しい人生の始まりでもある、おばあちゃんの笑顔は、そう語っていました。
自然素材をふんだんに使って完成した念願の店舗兼住宅。
浦さん、ドリームハウスの完成、おめでとうございます!