募集 バックナンバー 前回の放送 建築家データベース 前回の建築家 トップページへ戻る

内田 雅美さん

亜希子さん
 
 今回の施主は、商社にお勤めの内田雅美さん、奥さんの亜希子さんご夫婦です。
内田さんご夫婦の現在のお住まいは、2DKの賃貸マンションなのですが、結婚以来8年分のモノで溢れかえっており、昼間でも電気が必要なほど、日当たりの悪い環境です。そこで、内田さんは一大決心。日当たりが良く、布団が楽に干せる広いベランダの家を求めて、現在のお住まいから徒歩3分のところに、一戸建てを計画しました。しかし、敷地面積はわずか15坪、建ぺい率が70%のため、最大9.6坪しか使えず、しかも、なんとこの土地は、地上より低い位置にあります。果たして、土地の特性を生かした、夢の一戸建ては完成するのでしょうか!
釣竿などが置けるホビールーム
日当たりの良い家
広いベランダ
トイレは2つ
収納スペースを確保
2500
敷地面積 50㎡(15坪)
建ぺい率 70%
容積率 160%
 
 今回、内田さんご夫婦の夢を叶えるべく立ち上がっ
たのは、建築家・杉浦伝宗。
 「狭小の魔術師」と呼ばれる杉浦は、これまで、空間を極限まで利用する独自の技で、24軒もの狭小住宅を手掛けてきました。
 そんな杉浦と内田さんは、綿密な打合せを重ね、希望の詰まった夢のプランを完成させたのです。
 わずか9.6坪の土地に建つ収納庫付きの2LDKですが、地下をうまく利用し、延べ床面積は27坪まで拡大されています。道路の日当たりや風通しなど、法的な問題があり、屋根は街でたまに見かけるトンガリ型です。通常、隣の敷地との間に隙間を作り家を建てますが、杉浦は敷地ギリギリまで作り、有効に使えるスペースを広げました。1階は、広いテラスのついた15.6畳のLDK。2階は、内田さんの希望である、ホビールームと寝室、2つ目のトイレもあります。モノが捨てられない奥さんのために、ホビールームの上に倉庫代わりとなるロフトスペースを用意しました。
 
 
 いよいよ工事が始まりました。
 敷地ギリギリまで建てられる内田邸だけに、いつも以上に慎重な作業が要求されます。
 基礎、棟上げと作業は進み、9.6坪の家はアッという間に、その輪郭を見せました。
 道路斜線制限いっぱいに設計された屋根の下地付けの作業です。 その傾斜はなんと51度!
 職人さんは、足場の悪さをものともせず軽快に動き回ります。
 道路斜線制限とは、道路に面した家の日当たりや風通しを
確保するために、建築物の高さを制限する法律です。
 天窓の取り付けです。
 ここから差し込む光によって、内田さんの希望通り、家中を明るくしようというわけです。
 階段の踏み面にエキスパンドメタルを使用し、光と空気の通り抜けを実現します。
 エキスパンドメタルとは、網板に細かく切れ目を入れ引き伸
ばし、一方向にねじられた金網のこと。
 杉浦がホビールームの暗さを指摘。
 光を取り入れるため、ロフト部分を縮小することになりました。
 光にはとことんこだわります。
 お風呂場の天井を透明な強化プラスチックにすることで、柔らかな光に包まれる、なんとも贅沢な空間となります。
 工事は、外壁の取り付け作業に突入! なのですが、隣との隙間が数十センチしかないため、職人さんの苦労が絶えません。
 現場に巨大なヤマボウシ(全長5,5m)の木が植えられました。
 ただでさえ狭い敷地ですが、これも狭小テクニックのひとつ。 この木を挟んで外を見ると、空間に奥行きができ、視覚的に広さを感じられるのです。
 ちなみにこのヤマボウシ、1本10万円也!
 少しでもリビングスペースを広くするため、ダイニング兼用のキッチンにしました。
 キッチン部分の床を15センチ低くすることにより、調理台とテーブルが一体化して使いやすくなるのです。
 最後の作業は、バルコニーの目隠しとなるルーバーの取り付けです。
 これで、一気に建物の存在感がアップします。
 1畳半の収納には、亜希子さんの大切な嫁入り道具、2組のタンスが向かい合わせに入ります。
 キャスターを付けるというアイデアで、狭さを解消しました。
 明るいリビングは、9,6坪の狭小住宅とは思えない開放感です。
 バルコニーのヤマボウシは、部屋をより広く見せる小道具として、絶大な効果を発揮しています。
 折れ戸を全面開放すれば、バルコニーがリビングの一部に早変わり。
 亜希子さんの城、キッチンはたくさんの収納スペースが確保され、使い勝手もよさそうです。
 天井に取り付けられ透明の強化プラスチックにより、バスルームには、柔らかな光が差し込みます。
 長年憧れ続けたホビールームで、釣竿の手入れをする雅美さん。
 なんとも幸せそうです。
 夫婦の寝室は、3畳ほどの和室です。
 ここにもデッドスペースを生かした収納が用意されました。
 わずか9,6坪の狭小住宅に、建築家がさまざまなアイデアを盛り込み完成した内田邸。
 夫婦水入らずのゆったりとした時間が目に浮かぶようです。
 雅美さん、亜希子さん、 ドリームハウス完成おめでとうございます!