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佐藤 勝さん

みち子さん
今回のドリームハウスは、とにかく不思議なお宅!施主は、なんと、建築家のお父さんです!息子であり、今回の建築家でもある大(おおき)さんは、カナダで生まれ、日本の大学で建築を学びながらデザイナーとして仕事をこなしてきました。現在、賃貸住宅にお住まいの佐藤さん一家は、父・勝さんのオーディオルーム、母・みち子さんの柔軟性のある間取り、長女・かな子さんの写真の作業場となる空間、次女・あや子さんの日本画をかくためのスペース、という新居への希望があり、息子である大(おおき)さんが、実に構想3年というプランを掲げたのです。そんな家族の夢の舞台は、まわりを家に囲まれた35坪の細長い土地。日当たりなど住宅環境は決して恵まれているとはいえませんが、息子が家族のために、建築の無限の可能性に挑みます!
間取りを自由に変えられる家
オーディオルーム
日本画アトリエ
写真スタジオ
4800
敷地面積 113㎡(35坪)
建ぺい率 60%
容積率 150%
 
 今回、佐藤さん一家の夢をカタチにするのは、息子である建築家・佐藤大、26才!昨年、国内最高峰のデザイン展で大賞を受賞した作品は、人が座ると地面に木の葉の影を映し出し、時間と共に季節の色に変化させていくというハイテクベンチでした。その才能は、海外でも高く評価され、ミラノで開かれた国際的デザインコンクールでも斬新な照明器具で、特別賞を受賞しています。さらに、カフェのロゴマークをデザインしたり、フレンチレストラン全体をキャンバス地で覆ってしまうなど、あらゆる分野で大胆なアイデアを披露。常識にとらわれない若きデザイナーのプランは、まさに奇想天外!「引き出しの家」と名付けられたプランのご紹介です!
壁に隠された家具すべてにキャスターをつけ、多目的スペースに引き出し、間仕切りとして使用することで、部屋の間取りが変幻自在に。リビングダイニングがある1階も同様の構造で、なんと、階段までも引き出し式です。地下が勝さんのためのオーディオルーム。家具で仕切ることで、寝室も確保できます。引き出し式は浴槽にまで及びます。バルコニーに出せば、都会の真ん中で、露天風呂を味わえます。あらゆるものを引き出し、好みのレイアウトを楽しむことのできる、画期的なプランとなりました。
 
 
 
地上から3メートル掘り下げて、勝さんの希望であるオーディオルームがつくられていきます。
佐藤邸の構造は実にシンプル。
コの字型の巨大なコンクリートを二層に重ね合わせることで、一軒の家になっています。
住宅というより、トンネルの工事現場のようです。
高さ2メートルを超える特注サッシは全面開放が可能。
これにより光を最大限に取り込め、
開放感を味わうことができるのです。
佐藤邸の家具は、すべて特注品。
というのも、家具を間仕切りとして使用するため、
市販の家具ではとうてい対応できないのです。
ベッドは縦型収納となっており、
自由なスペースを確保することが可能です。
勝さんがヨーロッパ赴任中に購入したイタリア製のキッチンが運び込まれました。
この製品、外国で直接買い付けたものなので、解説書もイタリア語でしたが、職人さんたちの経験をもとに、見事取り付けに成功しました。
なんと、キッチンまで壁の中に収納されました。
間仕切りを兼ねる巨大な引き出し式家具の到着です。
その数、13個!2階へは、人の手で窓から搬入することとなり、まるまる1日を費やす大仕事になりました。
トロッコの上に浴槽をはめ込めば、
移動式の露天風呂に早変わり!
浴槽を動かそうなんて、
普通の建築家ではなかなか思いつきません。
 
杉板を張り巡らした独自の外観。
これは、鉄筋コンクリートがもたらす威圧感を少しでも軽減しようという配慮です。
リビングは生活感がまったくない、シンプルなオープンスペースとなっています。
ここに画期的な仕掛けが待ち構えているのです。
折りたたみ式の扉を開けて出現したのは、
あのイタリア製キッチン!
これが日本初、いや世界初かもしれない引き出し式階段!
もはや、忍者屋敷といった感じです。
光が差し込む2階は、兄弟3人の
オープンスペースとなっています。
壁に隠されていたのは、ベッド。
洋服ダンスを間仕切り代わりに使い、
自由自在に空間を作ることができます。
 
さらに別の引き出しからは、
ライティングデスクが現れます。
日本画家を志すあや子さんは、床で作業。
カメラマンの卵のかな子さんは、デスクを引き出して、
写真の整理。
柔軟な部屋の構造のため、日によって、
レイアウトがまったく異なるのです。
地下は勝さんの城、オーディオルーム。
コレクションのドーナツ盤や、CD、
オーディオ機器の部品などはすべて、
階段の下に収納可能です。
建築家自ら自信満々に語るのがお風呂。
フランスからわざわざ取り寄せたもの。
天然の木をふんだんに使った、贅沢な仕上がりとなりました。
浴槽をバルコニーに引き出せば、
優雅な時の流れを感じることができます。
日中とは逆に、家の灯りが杉板からもれて、
美しい幾何学模様を描きます。
父という最大の理解者である施主を得たことで、
衝撃的なデビュー作を世に送り出すことができた
若き建築家。
この家の本当の魅力は、住むほどに
引き出されていくことでしょう。
勝さん、みち子さん、かな子さん、あや子さん、
本当におめでとうございます。