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 今回の施主、外資系企業にお勤めのMさんは、結婚を機に、実家を出て家を建てることを決意しました。
 肝心の建築予定地は杉並区。購入したのは、南と東面がお隣と密接する30坪の土地なのですが、建ぺい率が40%のため、わずか12坪にしか家が建てられないのです。
 さらに、結婚費用もかかるため、家の予算は1000万円台!果たして、これらの厳しい条件をクリアし、わずか12坪の土地に夢のドリームハウスは完成するのでしょうか!
大きくて広い家
イルミネーションを楽しむ空間
お互いの気配を感じられる
使い勝手のいい洗面化粧台
建築予算 1900万円
敷地面積 100㎡(30坪)
建ぺい率 40%
容積率 80%
 
 今回、施主の夢を叶えるのは、建築家・遠藤佳規62歳。施主がインターネットのコンペサイト で3つのプランの中から遠藤に白羽の矢を立てたのです。
 遠藤の建築ポリシーは、喜びや感動を与 える空間作り。今回も驚くべきプランを考え出したのです。建坪12坪という制限を遥かに越える大きなプラン!
 目玉はなんといっても半地下。実は建築法上、地下の深さが1m以上あり、かつ地上に出た部分が1m以内であれば建ぺい率・容積率に含まれません。つまり、建物とは見なされない半地下スペースで広さを確保したのです。地下の天井を1m上げることにより、居住スペースとのつながりに段差が生まれ、交互にずれたフロア構成となり、広がりを感じることができるのです。北側の地下室は8.3畳で収納スペースとなります。
 1階は玄関、そして17.6畳の広々としたリビングダイニング。玄関は吹き抜けのガラス張りです。地下室の上部、中2階は7.3畳のテラスで、ここが施主希望のイルミネーション空間となります。2階は13.9畳の寝室。施主の希望で、収納などを一切なくし、間仕切りのない広いスペースを確保。南側には大きな窓を設け、外に向けての広がりも感じられます。
 
 
いよいよ着工です。
まずは、家のカギを握る半地下作りから。
新婚さんの愛の巣が、着々と組み上げられていきます。
半地下の天井部分とテラスの床の工事です。
コストを下げるため、通常コンクリートを使用する半地下の天井を杉板にしました。
テラスの上部が開放されており、雨漏りの心配がありま したが、FRPというプールの底にも使われるほど防水性 の高い建築資材でコーティングしたので安心です。
テラスに屋根がないため、雨漏りの心配がありま したが、FRPというプールの底にも使われるほど防水性の高い液体状の強化プラスチックでコーティングしたので安心です。
施主は採光と通気を考え、半地下を覗くなり
オープン型の階段をリクエスト!
これにより、半地下室から2階まで
光と風が抜ける空間と なります。
現場は窓枠工事へ。
なんと窓がナナメ!
第一にデザイン性、
もうひとつ、壁にそったカタチなら
外壁の加工作業が簡単にすむのです。
同じくナナメの屋根工事。
住宅密集地にあるため、日当たりについての規制があり ます。
そのため、南側の高さ7m以内が望ましいとされています。
もう一つ、道路に面している北側は、
道路斜線制限という高さ制限があるため
5mまでしか建てられません。
予算削減のため、
本来はオリジナルデザインにこだわりたかったキッチンを
既製のものでガマン。
洗面化粧台に設置された洗面ボウルは、
遠藤先生の息子さん・岳(たかし)さんの手によるもの。
実は岳さん、去年、韓国で行われた世界陶芸展で
入選するほどの腕前なのです。
道路に面したテラスには、
イルミネーションを飾れる手すり格子が取り付けられます。
ひときわ目をひく17.6畳のLDKは、
建築面積の実に3分の2を占めます。
ダイニングテーブルを置いても、
収納をすべて半地下にまとめたことで、
無駄のないスッキリとした空間となり ました。
キッチンは、コストを抑えるため既製品を採用。
これがなかなかどうして、収納たっぷりのスグレモノ!
これから新妻として、台所を守る奥さんの
腕も鳴るこ とでしょう。
建ぺい率に含まれない地下の納戸は、堂々の8.3畳。
天井裏などの収納を取っ払ったM邸にあって、
ここはとても貴重な空間です。
テラスは7.3畳。
アウトドア用のテーブルを並べれば、
バーべキューなど
ちょっとしたパーティーを開くことができます。
奥さんお気に入りの洗面室は、
化粧台も兼ねるため、
通常よりも低い位置に設定してあります。
真っ白なタイルに、新進気鋭の陶芸家の1点モノが
見事 に収まっています。
漆黒の夜空に近未来的なフォルムが映え、
こだわりのイルミネーションは、
2人の門出を祝福するかのようです。
ドリームハウスの完成、
本当におめでとうございます!