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鴫原邸は こちら!

広川周一さん明子さん


 
今回お送りするのは、「悪条件の土地克服」スペシャル!
続いての施主は、広川周一さん。奥さんの明子さんとは、オーストラリアで運命的な出会いを果たしました。旅行好きの2人は、理想とする家の確固たるイメージを持っていました。それは、洗練されたリゾートホテルのような家・・・。
その夢を叶える土地は、横浜市緑区にありました。なんでも、2年以上も売れ残っていた土地なのだとか。しかも、三方を家に囲まれた変形八角形の旗竿地。
そんな悪条件にも関わらず、広川さん夫婦がこの土地を購入した一番の理由は、土地の値段でした。
環境が悪いため、資産価値が低く、1坪およそ33万円と、相場のわずか三分の一だったのです。
しかし、そこには、唯一ともいえるメリットがありました。
それは、南側に広がる大パノラマ!
悪条件満載のこの変形地に、建築家はどんな魔法をかけるのでしょうか!
* 海外リゾートホテルのような家
* 景色を楽しむ家
*
露天風呂
建築予算 万円
敷地面積 198㎡(60坪)
建ぺい率 40%
容積率  80%
 
この変形旗竿地を探してきたのは、
建築家・甲村健一、35歳。
その卓越したセンスとテクニックで、視界の魔術師の異名をとる甲村。
これまでにも、景観を取り込んだスタイリッシュな家を数多く手掛けてきました。
広川さん夫婦が希望するのは、海外リゾートホテルのような雰囲気を持った、景色を楽しめる、露天風呂付きの家。そんな希望を受けて、視界の魔術師が考えたプランとは!
土地が土地なら、建物も超変形。甲村が提案したのは、ふたつの建物を連結させたふたつの異なるゾーンでした。
まず、南側の建物は、景観を優先させるため窓を大きくとり、崖と平行に建てます。
一方、北側の建物は生活ゾーン。空間を無駄なく使うため、敷地に合わせて作りました。
スタイリッシュな空間の裏には、一体どんなマル秘テクニックが隠されているのでしょうか?
 
   
 
いよいよ着工。
絶景が広がる南側は崖のため、基礎工事も入念に行わなければなりません。
窓を大きく取り、絶景を取り入れるための建物は、しっかりとした鉄骨構造。
一方、生活空間として機能する北側は木造と、空間に応じて素材を使い分けました。
これが絶景を取り込むための窓。
これだけ大きいと、2階にあげるのも一苦労です。
1階の子供部屋の前には、広いウッドデッキが付けられます。
子供部屋の床と一体化するこのウッドデッキは、実に11畳。
せっかくのウッドデッキを分断する巨大なコンクリートの謎・・・。
実は、このコンクリートには、近景を切り取る効果があるのだとか。
なんと、ウッドデッキの端と壁で視界を切り取り、絶景だけを部屋に取り込もうというのです。
1階子供部屋の横に出現したコンクリートの奇妙な板。
実は、これこそが絶景を取り込むためのテクニック!
空間を外に伸ばし、景色を切り取ることで、周りの風景まで想像させる効果があるのです。
さらに、洗い場も視界の妨げにならない所に作られました。
こちらは、北側の生活ゾーン。
濃い色の建材を使い、落ち着いた色で統一されています。
動線もよく考えられている広川邸。
中央に土間があるため、二箇所からアプローチできるよう設計されています。
路地、玄関、土間と、同じタイルを貼ることで、アプローチと土間に一体感が生まれるのです。
こちらは、壁塗り作業。
「くしびき」と呼ばれる技法で、外壁に模様を刻んでいきます。
和室には、黒い竹が貼られていきます。
実は、この竹、わざわざ炭でいぶして黒くしたもの。
味わい深い黒竹が、和室の落ち着いた空間をさらに引き立てます。
朱色の板を手前に張り出すことで、視線を近くに向けさせ、外の景色との間に奥行きを感じさせる効果があります。
周一さん自ら路地のアプローチづくり。
お客さんを招いた時、まず最初に見られる場所だけに、気合が入ります。
 
広々とした明るい玄関。
吹き抜けの天井に設置されたトップライトにより、太陽の光が、燦々と降り注ぎます。
玄関を上がって、すぐ右手は、開放感抜群の子供部屋。
天井とウッドデッキ、そして、コンクリートの壁によって切り取られた見事な景色が、目に飛び込んできます。
景観のための空間と、生活のための空間が交わる2階には、絶景を望む南側に面したリビングがあります。
その広さ、なんと21畳!
さらに、大きな窓越しに、"緑の大パノラマ"が広がります。
インテリアは、景色をより鮮やかに見せるため、シックな色合いでまとめられました。
収納も充実。
これだけの容量があれば、この洗練されたリビングが散らかることもありません。
こちらもまたシックな佇まいで、まさに、ホテルのベッドルームの様。
ちなみに、このオシャレなベッドは、16万4千円也!
1階南側の子供部屋は、窓をすべて開け放てば、ウッドデッキと一体化して、こんなにも広々した空間に。
デッキとの視覚的な連続性が、リゾート気分を演出します。
和室は、あえて暗い色で統一させました。その中で一際異彩を放つ、朱色の棚。これも視覚効果を狙ったテクニックのひとつで、手前に目立つものを置くことで、外の景色をより遠くに感じさせるのだとか。
天井には、炭でいぶした竹が、幽玄の世界へといざないます。
和室のちょうど反対側には、周一さんこだわりのバスルームがあります。
外の景色が眺められるようにと、窓は大きめに。崖に面しているからこその、大胆なデザインになっています。
外の景色を巧みに取り込み、自らその景色の一部となる家・・・・。
完成したドリームハウスは、まさにその究極を成し得たのです!
周一さん、明子さん、本当におめでとうございます!