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麻野邸は こちら!

甲田文穂さん

美知子さん

博雄くん
 

健文くん


 
今回お送りするのは、「番組史上最悪の土地」スペシャル!
まず最初の施主は、甲田文穂さん。現在は、神奈川県川崎市の賃貸マンションで奥さんの美知子さん、息子の健文くんと3人、幸せな生活を送っています。
しかし、文穂さんには、どうしても手に入れたいものがあるのだとか!
それは、幼少期を過ごした神奈川県大磯の自然溢れる風景。かつて、山の中腹の実家から眺めた美しい景色でした。
そこで思い切って、新宿から電車で30分、緑に囲まれた丘の上の土地を購入したのです。
その建築予定地は、まさに小さな山そのもの!
総面積は65坪なのですが、85%以上は崖で、平らな土地はほとんどありません。
そのため甲田邸は、建ぺい率50%、容積率100%と建築条件的には厳しくないものの、家を建てられるスペースが必然的に限られてくるのです。
さらに甲田邸では、1mほどの狭い道幅と傾斜角40度の急斜面のため、ショベルカーの使用が困難。
果たして、史上最悪の土地に、家族の思いを詰め込んだ山小屋風の家は完成するのでしょうか!
* 山小屋風の木造りの家
* アトリエスペース
*
子供部屋
建築予算 4200万円
敷地面積 215㎡(65坪)
建ぺい率 50%
容積率  100%
 
 
 


甲田邸の夢を叶えるのは、この3人!
まずは、構造家の正木健太。
土地の状況を把握し、安全かつ強度な建物を構造面から建築家に提示するプロフェッショナルです。
すべての物語は、土地を検証することからはじまりました。

そして、甲田さん一家の理想の住まいを築き上げる
建築家は、坂野由典、35歳。
さらに、坂野の大学時代の同級生、清水禎、34歳。
木を巧みに使った温もりのある建築を得意とする2人は、これまでに数多くの作品を残してきました。
そんな2人が力を合わせ、甲田さんと打合せを重ねた回数、なんと30回以上!
そしてついに完成、甲田さん一家の夢を叶える斬新なプランがこちら!
より広い空間を確保するため、1階の壁に65度の傾斜角をつけます。これにより、建坪わずか7坪の狭小住宅にも関わらず、広い延べ床面積を確保できるのです。
12'34" なんと、1階の設置面積に比べ、2階3階の設置面は倍の広さに!
さらに、1,5畳の飛び地には、水まわりを集約。
住居スペースをより広く使うため、トイレ・洗面・お風呂を一ヶ所にまとめます。
家の形は、空間を最大限確保するため、敷地に合わせて6角形にするという、何とも斬新なプランとなりました。
 
   
 
まず、頭を悩ませるのは、基礎工事。
甲田邸では、地崩れなどの心配から、傾斜角30度の所にある安定地盤まで土を掘らなければなりません。
その深さ、2メートル。土の量にして、およそ140トンにも及びます。
そして1週間後、安定地盤までの掘り起こし作業が完了。
基礎の形がきれいに整えられました。
より広い居住スペースの確保を狙って設計されたこの斜めの壁。
実は、接合部分によって角度が違うという複雑な構造になっているのです。
そして、着工からおよそ60日、甲田邸の基礎が完成しました。
ベテラン職人の長年の経験と勘を頼りに加工された木々が寸分の狂いなくつなぎ合わされ、無事上棟となりました。
職人さんが嘆いたのは、1階の斜めの壁に取り付ける建具の加工。
基礎工事同様、壁の角度がまちまちのため、作業は困難を極めました。
1階が22平米なのに対し、2階は44平米と倍の広さを確保。
さらに、このスペースには、様々な眺望を楽しむための3つの窓、パノラマの窓、絵画の窓、憩いの窓が設置されます。
内装の板張り作業は、「留め」と呼ばれる、伝統的な工法が使われました。
木材の切断面を45度にカットすることで、木と木のつなぎ目がわからなくなり、木がより美しく見えるのです。
床一面に無垢のパイン材が敷き詰められていきます。
パイン材の特徴は、3センチにもおよぶ厚さ。
例え、何月が経ち汚れたとしても、カンナをかけるだけで再び、美しい状態に戻るのだとか。
また、厚みのある無垢材は、素足で歩くと非常に気持ちいいのも特徴です。
樽型ハウスの顔ともいえる外壁には、2種類の素材を使用。
玄関に使われるのは、カナディアンレッドシダーというヒノキ科の木材。
人目によく触れるこの部分には、温かみのある素材で、あえてペンキを塗らず、木本来の姿をそのまま残すことにしました。
一方、山側の側面に使用されるのは、ガルバリウムというアルミ製の素材。
山側だと、どうしても虫の被害を受けかねないため、木材よりもアルミをセレクトしました。
あまりに大規模な工事が行われたため、建築予算のほとんどを使い果たしてしまった甲田さん一家。
さんはひらめきました。
モデルルームの設備機器を、知人を介して無料で貰おうというのです。
機器の取り外しは、自分たちでしなければなりませんでしたが、キッチン、トイレ、浴槽、洗濯乾燥機にいたるまで、総額450万円もの設備機器を手に入れることができました!
甲田邸の内装工事も最終段階へ突入。
運びこまれた設備機器を、職人が次々に取り付けていきます。
最後は、家族揃って階段作り。
枕木を、1本1本手作業で埋めていきます。
まさに、夢の住まいへの道作り!
 
 
 
玄関の収納は、壁の角度に合わせて棟梁が作ったオリジナル。
駄なスペースがなく、家族全員の靴が十分収まります。
玄関を上がって、すぐ左手の扉を開けると、そこは8畳の子供部屋。
壁が広がっている分、思ったほど圧迫感はありません。
階段を上がると、そこは24畳のLDK。
緑に囲まれたリビングは、ヒノキをふんだんに使った贅沢な空間に仕上がりました。
東京にいながらにして、まるで、軽井沢にいるような気分が味わえます。
2階には、それぞれ違った眺望が楽しめる、3種類の窓が設けられました。
まず、西側には、高台から街を見下ろす、大きな「パノラマの窓」。
2つ目は、「絵画の窓」。
その名の通り、まるで額縁に収まった1枚の絵画のような
風景を楽しむことができます。
3つ目は、ダイニングテーブルから大きな木を望むことの出
来る「憩いの窓」。
床板には、厚さ3センチもある無垢のパイン材を使用。
表面が汚れてきても、カンナをかければ再び美しい状態に戻せるというスグレモノです。
リビングのすぐ隣はキッチン。
空間をより広く見せるため、扉も間仕切りの壁もありません。
このゴージャスなシステムキッチンが、展示品のため、なんとタダ!
白を基調とした清潔感溢れるユニットバスは、高い天井とガラスの間仕切りで、開放感を演出しています。
抜群の眺めを誇る、こちらの部屋は、美知子さんのためのアトリエスペース。
ここで、大好きな水墨画を心行くまで楽しむことができます。
3階へ上がったすぐ左手にあるのは、文穂さんの書斎。
秘密基地のようなこの部屋、男性なら誰しも憧れる空間です。
わずか9.5坪の超変形地に、無事着陸した六角形のUFOハウス。
それは、土地の可能性と建築の偉大さを物語る奇跡の物件でした。
本当におめでとうございます!