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安藤弘さん

富美子さん
   

麻衣さん

健太くん

文康くん
 
今回の舞台は東京都杉並区

本屋を営むご主人と専業主婦の奥さんは今から25年前に結婚。
建て売りの一軒家を購入してから3人の子宝に恵まれ、
家族5人で賑やかな生活を送ってきました。
すくすくと成長していく子供たちを見ると、
さすがに買った当時の間取りでは手狭になるため一念発起し家作りを決意しました。
* 子ども達の一人部屋
*
大人5人がくつろげるリビング
*
豊富な収納スペース
建築予算 2700万円
敷地面積  67㎡(20坪)
建ぺい率 50%
容積率  100%
 
安藤さんの希望をカタチにするのは、建築家・連健夫。
美術大学を卒業後にイギリスへ留学。海外で建築を学んだという異色の経歴の持ち主が今回、提案する魔法のプランとは……なんと延床面積を1.5倍にするゆとりの大空間!

敷地面積20坪にもかかわらず、建ぺい率50%・容積率100%に、めいっぱい建てても敷地面積の半分、10坪2フロアまでしか家を建てることができなく建て替えてもほぼ今と同じ大きさ……そこで叩き出したプランが半地下!! 建ぺい・容積率に含まれない半地下スペースを設けることで延床面積を拡大。さらに、家の一部を飛び出させた部分に階段やトイレなどをまとめることで個人の部屋を最大限に確保しました。しかも、今回の目玉となる秘策の段違いのスキップフロアを取り入れることで空間を上下につなげてより広く感じさせることに成功しました。
 
地鎮祭の予定時刻を過ぎても解体工事が終わりません。
その原因は巨大な床下収納にありました。
土地を堀り下げること、およそ1.2メートル。
厳しい土地条件の中、延床面積を1.5倍に広げる方法はこの半地下スペースに隠されていました。
一階と二階を突き抜ける巨大な丸太は安藤邸の大黒柱として家を支えてくれます。
屋根が北側斜線規制ギリギリの急角度になっています。
その最大傾斜60度。
複雑なカタチをしているため緻密な作業が求められます。
家の一部を飛び出させることで水周りや階段をまとめて居住スペースを最大限に活用します。
各フロアを結ぶ階段にも工夫が施されていました。
釘・ビスを一切使わず溝に踏板をはめ込むことで見た目を美しく視界を広がらせ光を採り込みます。
床に使われるのは「唐松三層合板」
繊維方向を交互に三層重ねることで強度に優れた合板一枚で床と天井を兼用します。
二階の天井も「唐松三層合板」によって統一することで密かな小屋裏も出来ました。
大小合わせて39もの窓が取り付けられます。
周囲の視線が気になる場所には小さな窓を設置。
反対に周囲の視線を気にしなくても良いところは全面窓となります。
長さ7メートルにも及ぶ板は「断熱材付のガルバリウム」
緑と青の二色が織り成す斬新な外観に仕上がります。
子ども部屋の壁には「石膏ボード」が貼り付けられました。
下地材として用いられる石膏ボードがそのまま仕上げ材として変身。これで大幅なコストダウンに成功しました。
 
玄関には手作りのタイルが埋め込まれ家族五人の絆が深まりました。
こちらは家族の念願でもあった広いリビング。
柱の少ない15畳のリビングは木の魅力を全面に打ち出します。
「ワーロンシート」と呼ばれる、熱に強い特殊な和紙で蛍光灯を包み込み柔らかな光が木の風合いを一層引き立てます。
テラスには長さの違う二種類のルーバーが覆われました。
それは外からの視線を遮ると同時に光を採り込む明るい空間を確保するためだったのです。
パズルのように取り付けられた豊富な食器棚は大人5人分の食器や調理器具を楽々収納できます。
45度に曲がったシンクは奥様なら誰もが抱く四季折々の景色を眺めて優雅にキッチンへ立つ事を実現。
軽いアーチを描いたカラフルな手すりはアクセント。
リビングから半階上がった玄関上のスペースにはトイレが設けられました。
スタイリッシュな空間に仕上がり手作り水鉢がエッジをきかせます。
2階へと続く階段脇の壁には家族全員の本棚が取り付けられました。空いたスペースは貪欲に利用する狭小ならではのグッドアイデアが!!
長男と次男の部屋は引き戸を一枚開けるだけで自由に行き来できます。
それは子どもたちが家を出たとき有効活用できるようにと考えられた間取りになっています。
長女の部屋には一番広いスペースが割り当てられました。
とはいえ、子ども部屋のレイアウトは基本的に同じです。
さらに、子ども部屋が狭いため動線上リビングへ集まるように工夫されています。
子ども部屋の天井の上には「延べ床面積」にカウントされない小屋裏部屋を設け、6畳分の収納スペースを確保。
飛び出た部分に1.5畳の屋上が設けられました。
南側の一番高いこの場所は洗濯物を乾かすのに快適な場所です。
この半地下こそ延べ床面積を1.5倍にした「魔法の空間」
上の階とは一味違った癒しの空間が広がります。
半地下の奥へと進むと洗面所と浴室が広がります。
さらに、浴室の床のタイルは、なんと断面に空気の層があるため乾きやすく素足で入ってもヒンヤリ感じない優れものです。
扉は全て上からの吊り下げ式になっており「段差」がないため奥様の掃除の味方。
半地下への階段は下に行けば行くほど長い物が収納できるという仕組みになっています。
家族の希望を見事に取り入れた安藤邸。
完成!おめでとうございます。