テレビ東京 電子書籍

未来世紀ジパング5
知られざる親日国

  • 発売日:2016年2月9日
  • ¥540(税込)
  • 第5巻「知られざる親日国」
    成長する大草原の国モンゴルや最後の秘境パプアニューギニア、世界一裕福な国カタールなど、沸騰ナビゲーターの後藤康浩(日本経済新聞社編集委員)、太田泰彦(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)、畑中美樹(国際開発センター・エネルギー環境室研究顧問)、米倉誠一郎(一橋大学イノベーション研究センター教授)が解説します。

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『世界一裕福な国』のオールジャパンプロジェクト カタール

オールジャパンプロジェクトとは?

ラスラファン工業地区の事業は千代田化工建設だけでなく、さまざまな日本企業が参加している。そのオールジャパンプロジェクトの中核施設に畑中が向かった。
迎えてくれたのは中東三井物産ドーハ事務所長、滝島雅之さん。セキュリティのため、ここにはテレビカメラが入ることは通常許されない。詳しい所在地を示すのもNGだ。また万が一に備え、耐熱服も着用した。
案内されたのは最新型のLNG(液化天然ガス)プラント。現在世界で最大、年間780万トンを生産できるという。
ここでつくられたLNGは隣接する港で待つタンカーに積み込まれ、2日に1隻というペースで日本へ送られる。そして私たちが日々使う電気やガスになっているのだ。

日本との関係について、カタールガスのアル・サーニCEO(最高経営責任者)に話を聞いた。
「カタールにとって日本との関係は象徴的です。日本はカタールの基盤をつくった大事な顧客と考えています」
発端は1971年、カタール沖合で世界最大のガス田ノースフィールドガス田が発見されたことだ。その埋蔵量は、実に日本の天然ガス消費量の350年分。しかし当時のカタールには開発する資金も技術もなかった。
「商業化の目処が全くたっていなかったカタールの事業に、三井物産は1989年に参画しました。買主は中部電力をはじめとする日本の電力、ガス会社。プラント建設は日本のエンジニアリング会社、LNGタンカーの造船は日本の造船大手3社。まさにオールジャパンプロジェクトでした」(滝島さん)

1992年、中部電力がカタールガスとの売買契約に調印。ガス田発見から20年を経て、オールジャパンプロジェクトが始動した。
「オイルショックがあって、石油依存度を減らすことが重要な課題になり、脱石油の大きな柱の1つとしてLNGが着目された」(中部電力の垣見祐二専務)
世界の最先端を誇る日本の天然ガス液化技術が投入された。建設中は1日7万5000人の作業員を動員。毎朝600台のバスで送迎した。中東ではピラミッド以来の大工事と言われた。

そして1996年、世界最大のLNGプラントが完成。翌年から日本への輸出がスタートした。これを機にカタールは世界中にLNGを供給。LNGの年間生産量は7700万トン。生産・輸出量共に世界一を誇る。これが現在の富の源泉なのだ。
「この国の繁栄と現在の地位はすべて日本の方々のおかげです」(アル・サーニCEO)

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