実在の連続殺人犯をモデルに、その犯行の軌跡と人間像を描いた佐木隆三の直木賞受賞作をドラマ化。1979年には今村昌平監督・緒形拳主演で映画化され、各映画賞を総なめにした。
今回は、映画では描かれなかった犯人逮捕までの恐怖の3日間を完全映像化。性善説に生き家族を守ろうとする教誨師と、“悪魔の申し子”と呼ばれた殺人犯・・・善と悪の息詰まる対決を、豪華キャストとベテランスタッフがサスペンスタッチで描く。


(原作)佐木 隆三 『復讐するは我にあり』(講談社文庫)
(脚本)西岡 琢也
(監督)猪崎 宣昭
榎津 巌(殺人犯)………………………… 柳葉 敏郎
吉村 寛惇(教誨師)……………………… 大地 康雄
吉村 圭以子(吉村の妻)………………… 岸本 加世子
警視庁捜査一課長…………………………… 古谷 一行
植田(拘置所の教誨師・神父)…………… 中村 梅雀
浅野 ハル(榎津の被害者)……………… 余 貴美子
吉村 晴子(吉村の長女)………………… 前田 愛
榎津 善蔵(榎津巌の父)………………… 塩見 三省
木下 節子(旅館“金龍館”主人の妻)… 根岸 季衣
灘尾圭一(弁護士)………………………… ケーシー高峰
吉村 ちか子(吉村の次女)……………… 山口 愛

昭和45年12月11日。強盗殺人、殺人、詐欺、詐欺未遂、窃盗の罪で死刑判決を受けた榎津巌(柳葉敏郎)は、45歳の誕生日を3日後に控え処刑された。福岡刑務所土手町拘置支所の外では、教誨師の吉村寛惇(大地康雄)が読経をして榎津を送った。
                 ◇

昭和38年、榎津は10月からの3ヵ月間に福岡、浜松で数々の詐欺や窃盗を繰り返し4人の男女を殺害、指名手配されていた。警戒の目をかいくぐって東京に入り、更に5人目の被害者となる弁護士を殺害、彼になりすまして詐欺の罪も重ねる。
警察は榎津の足取りを追っていたが、自殺にみせかけた工作や様々な目撃証言に惑わされる。会津若松から北に向かっているとの情報に、捜査の手を北に伸ばしていた。
翌年・昭和39年元日、榎津が現れた場所は熊本だった。ターゲットは、死刑囚の再審運動に尽力している教誨師・吉村寛惇。吉村が方々から運動資金を受けているとみて狙いを定め、弁護士を名乗り運動の支援を申し出て接近する。
その顔を見た吉村の次女・ちか子(山口愛)は、彼が駐在所の掲示板に貼られていた指名手配犯の顔に似ていることに気づく。しかし、母・圭以子(岸本加世子)や長女・晴子(前田愛)を始め、誰もその指摘に耳を貸そうとしない…。ちか子はすぐに駐在所に走るが、そこにあったはずの手配ポスターは、既に榎津の手によって剥がされており見つからなかった。
榎津は、吉村夫妻が運動に専念するため経営していた旅館を人に任せたが、その賃料が2年半前から払われていないことを聞き出す。そこに目を付けた榎津は、話をつけるという名目で画策を始め、周囲を翻弄していく…。