06月21日放送 第471回

シリーズ 復興への道 第⑧弾 働く希望を! ~"震災失業"を突破する働き方~

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放送概要
東日本大震災で被災し、仕事を失った人々は大勢いる。これから働く場をどう作っていくのか?復興支援の大きなテーマとして、雇用問題は緊急課題だ。
そうした中、これまでの義援金、物資に続く「善意」として、「働く」場を提供しようと日本全国から支援の輪が広がり始めている。全国の自治体、企業が「被災者」の雇用に名乗りを上げているのだ。しかし、慣れ親しんだ故郷を離れ、見知らぬ土地で働いていけるのか?大きな決断を迫られる。「雇用支援」の実情とは?一方、被災地でも、自ら立ち上がろうとする動きがある。番組が4月に取材した蒲鉾製造会社。販売用の商品の生産が始まり、新入社員を雇い始めていた。過酷な状況にあっても、働き稼ぐことは生きる希望につながる...。被災地に残る人、出ていく人。それぞれの決断をした人々を追いながら、復興の行方を「雇用」「働き方」から見つめる。
被災した人々を復興事業に...被災地で生まれる新たな働き方
キャッシュ・フォー・ワーク(cash for work)という働き方がある。これは、災害地等において被災者を復興事業に雇用。賃金を支払うことで、被災地の円滑な経済復興と、被災者の自立支援につなげる、国際協力の手法だ。2004年のインドネシアでのスマトラ島沖地震津波等でも実施され、大災害における被災者支援と経済復興手法として多くの実績を上げた。東北地域の被災者から「働きたい」「仕事がほしい」という声に応えようと、このキャッシュフォーワークの取り組みが始まっている。 東北広域震災NGOセンターでは、外部のボランティアに頼るのではなく、地域の中で「人とお金が地域で回る」ことが、地域経済にとっても個々の自立にとっても最重要だと考えている。そこで導入したのが、このキャッシュフォーワークだ。たとえば、津波で仕事を失った漁業・水産で働いていた人たちが、床下のヘドロ撤去を自力で行うことができないでいる高齢者たちの家を支援する...。賃金は時給制。一般から寄せられた寄付金の基金(ファンド)を元手にしていて、そこから払われる。また、企業と連携して作業を行い、プロによる指導や車両、資機材、作業着等の支援も。だが寄付金が集まらないと、賃金は支払えなくなる。被災地で始まった取り組みを追った。
避難所から出たい!あの生き残った蒲鉾会社で再出発...
 番組が4月12日に放送した、女川で唯一生き残ったかまぼこメーカー高政。 その後、工場の生産ラインが整い、販売も少しずつ始まっていた。震災前に入社が決まっていた、新入社員・斎藤夢実さん(18)。家は津波の被害を受け、祖母、母、兄の4人で避難生活を送っていた。「会社が海沿いだから絶対に駄目だと言われていたが、避難所にかまぼこが届き大丈夫だと知り、うれしかった」 入社は1カ月延期になり、5月2日に入社式を迎えた。スーツ、バッグを用意し、社会人になることを楽しみにしている。「早く仕事をして家計を助けたい」と 語る、斉藤さん。地元に残って、社会人としての第一歩を歩み出す。 一方、高政の高橋社長。従業員を一人も解雇することなく、今後の事業展開を考えていた。いまは、女川町で被害を受けた取引先の水産加工会社たちに、工場の一角を提供。共に手を携えて、地元の復興を支えていこうと動き出した。
働く場を提供します...ある企業の決断と善意、その真意は?
 岡山県に、全従業員が「正社員」。浮き沈みの激しいファッション業界で10年連続増収増益という会社がある。婦人服のクロスカンパニー。最近、都心のショッピングモールにも展開するファッションブランドだ。「森ガールファッションで、人気女優の宮崎あおいのアカペラCMで有名に」というと、巷では分かりやすい。このクロスカンパニーが中途採用枠150名分のうち、100名を被災者向けに振り向けた。しかも、住居費、引越し費用も負担するという。5月に福島・仙台で面接、選考をしたのち、神奈川・愛知・静岡などの店舗で販売員として勤務する。1年後には、希望すれば東北地方の店舗に転勤できる。企業による「雇用支援」。どこまで実効性があるのか...。採用活動に密着。ある被災した若者の決断と、それを受け入れる、企業側の試行錯誤を追う。

今週の一曲

あの場面でかかっていたあの曲はなに?
ガイアの夜明け音楽効果担当が今週のピックアップ曲を紹介します。

アルバムタイトル
RETURN TO THE HEART

アーティスト
DAVID LANZ

曲名
A Whiter Shade of Pale

本編46分12秒。
宮城県女川町にある蒲鉾メーカー「高政」の新入社員、斉藤夢実さん。彼女が、元気に店頭に立つ姿を、お母さんが見に来るシーン。今回使用しているのは、プロコルハルムの「青い影」を、ピアノによりアレンジした作品。演奏しているのは、アメリカのピアニスト、DAVID LANZ。