09月06日放送 第482回

シリーズ 復興への道 第(12)弾 福島を生きる

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放送概要
東日本大震災からまもなく、半年。震災・原発事故に見舞われながらも、故郷の再生を信じて闘う、福島の「不屈の企業」を追う。放射能汚染の現実と向きあいながら、いかにして事業継続し従業員の雇用を守ろうとしているのか?警戒区域に指定された、浪江町にある老舗ショッピングセンター運営会社。84年にも渡り、地元商店と共に商いを続けてきた。独自の品ぞろえと、顔の見える接客サービス。大手ショッピングモールが出店をためらうほど、絶大な支持を集めてきた。商圏自体が消滅の危機にある中、避難所などで散り散りになっていた200人の従業員が、半年を経て再び集結。新たな「商圏」を福島で作るべく動き始めた。一方、南相馬市では、地元に伝わる伝統の和菓子「凍み餅」を作る親子。多くの中小企業が操業停止、廃業を決断する中、「餅を作る技術と味があれば、絶対に負けない」と事業継続を決断。自分たちが生き抜くことが福島の「中小企業の光」になると、知恵の限りを尽くす。あきらめない親子に、被災地以外から支援の手が挙がるなど予想外の展開が...復興シリーズ第12弾。震災半年の節目は、希望を捨てない、福島の企業たちの闘いを追う。
地元の絆で再生を!浪江町・老舗ショッピングセンター
福島県・浪江町にある「マツバヤ」は、30年以上に渡り地域密着型のショッピングセンターを運営。人口2万人の小さな町で従業員200人、年間売上高36億円を誇る。 衣料品から靴、バックなど、地元の婦人客のニーズを知りつくした品揃えと、顔の見える対面販売で圧倒的な支持を得てきた。大手のショッピングセンターも、この地域への進出をあきらめるほどだ。しかし、原発事故で状況は一変。原発から8キロの浪江町は警戒区域に...。従業員、客ともども、離れ離れの状況が続いていた。浪江町で商いをすることが、事実上、不可能になってしまったのだ。
そんな状況にあっても、松原社長、総務部長の中里さんはあきらめていなかった。従業員200人の雇用を守り、事業を存続する方法を自らも被災しながらも模索。だが、警戒区域に入り、商圏自体が消滅の危機にある浪江町では、商売はできない。その時思いついたのが、避難所や仮設住宅に散り散りになっている馴染みの客に向けて、 ネット通販をするという試み。自分たちが強みを持つ、シニア・ミセスをターゲットにしたネット通販。しかしこれでは200人の従業員を維持するのは難しい。得意としてきた、リアル店舗での対面販売を求める社員との間で、溝が生じてしまう事態に。
原発8キロのショッピングセンターで働いていた200人。どんな選択をするのか
福島の光に...南相馬の和菓子店、いかにお袋の味を守ったのか?
福島県南相馬市に和菓子屋「木乃幡(このはた)」。客の目の前で上揚げる、凍天(しみてん)とよばれる、菓子が人気だ。ドーナツのような衣の中に入っているのは「凍もち」(しみもち)と呼ばれる「もち」。この「凍もち」は、福島県では農家が1月から2月の寒風を利用して作ってきた、伝統的な保存食。福島でこの凍みもちを作り続けてきたのは、木乃幡のみ。政府は4月22日、福島第一原発から20キロまでを「警戒区域」として、立ち入りを原則禁止すると発表。木乃幡の本社と工場、更に自宅は、南相馬市の警戒区域の内側1キロほど入ったところにあり、木幡さんたちは、生産設備をすべて置いて避難をせざるを得なかったのだ。木幡さんは、福島市内に一軒家を借り上げ、避難している。妻と子供2人。さらに妹家族(夫は津波で他界)と両親と合わせて10人暮らし。木幡さんの父は、社長の喜久雄さん。一代で「木乃幡」を立ち上げ、母の味だった凍みもちを、人気商品として成長させた。「売上高の40%は凍み天、うちの柱」と語る。南相馬市の中小企業はおよそ1200社。うち警戒区域には350社近くある。多くは、操業開始のめども立たないまま、半年が過ぎようとしている。しかし、「木乃幡」は自分たちの独自商品、「凍み餅」を作り続け、消費者に売ることをあきらめなかった。放射能汚染が進み、家族を移住させる決断に迫られる日々...それでも、この夏、彼らは新規出店をある場所に果たすことができた。
中小企業の彼らはいかにして、極限下にある福島で伝統の味を守り、事業継続を果たすことができたのか?そして、困難を克服しながらも前に進む、「木乃幡」親子の奮闘から見えてきたものとは?

今週の一曲

あの場面でかかっていたあの曲はなに?
ガイアの夜明け音楽効果担当が今週のピックアップ曲を紹介します。

アルバムタイトル
ベスト・オブ・ギルバート・オサリバン

アーティスト
ギルバート・オサリバン

曲名
TOMORROW TODAY

本編31分32秒。
福島市の和菓子屋「木の幡」が生み出した「凍天」。 この商品を紹介するシーンで使用している曲は「トゥモロウ・トゥデイ」。アイルランド出身のシンガー・ソングライター、ギルバート・オサリバンが1992年に発表した楽曲。