春闘はなぜ終焉を迎えようとしているのか?

日本経済新聞記者時代、筆者は電機業界を担当する産業記者として春闘の取材に当たった。電機業界の各企業には副社長、専務クラスに労務担当の役員が配置され、労働組合の取材とともに、こうした役員を取材することが前年の秋から始まった。経営陣側から景気見通しがはっきりしない、企業経営は今後、厳しい状況を迎える、という趣旨のアドバルーンが上げられる。普通に記者会見を聞いていると、この景気見通しへの言及は唐突で意味がよく分からないが、春闘取材のベテラン記者は、「厳しい景気見通しを述べ、早くも来年の春闘への牽制球が投げられた」などと記事を書き、なるほど、と感心させられたものである。
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