キーワードで読むガイアの夜明け 日経紙面連動企画

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2016年07月12日 運動具が勝敗を決するか

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選手の記録更新サポート

接戦を制するのは運動具である、というのは、これまでの世界大会の実績ではその傾向がはっきりうかがえる。ある国の競泳の水着のデザインが一斉に変わって、大会の金メダルを総ざらいしてしまった、というような出来事もあった。新材質の開発によって、水をはじき、体を圧迫して凹凸を減らし、体積を圧縮して水の抵抗を減らした、というのが理由だ。水をはじく材質というのも、魚の皮の表面を研究して水の抵抗を減らすアイデアを得ていた。

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中島洋の深読み 紙面を監修している中島洋・MM総研所長が、各回のテーマに対してコメント

マラソンなどの長距離走では、この20年間でも着実に記録が良くなっているので、運動靴やスパイクなどのシューズ、ランニングシャツ、パンツなどの改良の成果がまだ反映されているのか、と想像される。

一方で、長年、記録が書き換えられないままの競技も多い。走り幅跳びや走高跳び、ハンマー投げ、円盤投げ、砲丸投げなどでは、記録は伸びていない。どうやらこうした競技では、筋力をどれだけつけるか、フォームをどう改造してゆくのか、というのが道具よりも記録を伸ばすカギである。これが本来のスポーツである。

冬のスポーツでは、スキージャンプ競技もスキーや服の風の抵抗、スキー板と雪面の摩擦を減らすワックスのかけ方の工夫など道具が決め手と言われてきた。特に、風の強さ、風向きも記録を左右する。その風の強さや風向きも時間の経過とともに変化するので、ジャンプの順番によって条件が大きく変わるので、運不運も大きく働くといえる。

それにもかかわらず、高梨沙羅選手のように、体格にも恵まれていないにもかかわらず、圧倒的な強さをみせる選手もいる。道具、運不運を越えて勝利を重ねて行くのは、やはりなんらかの技術とトレーニングの結果なのだろうか。

しかし、同じ体力、同じ練習・努力を続けて力量がほぼ同水準で接戦になっていれば、やはり、道具が勝敗のカギを握るだろうことは容易に想像できる。その栄光を目指して、スポーツ用品メーカーは商品の改良を続けてゆく。日本のメーカーもその競争には参加して、新材質の開発、理想的な用具のデザインを求めて、「金メダル」を追い続けている。

取材データ テーマの背景をもっと深く知るためのデータを掲載
中島洋=MM総研代表取締役所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。
73年日本経済新聞社入社。
産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。
97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。
02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。
現在、 MM総研所長、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。


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企画・制作・・日本経済新聞社 クロスメディア営業局
監修:中島洋MM総研所長
取材:木原香菜恵、小島眞司、中村幸嗣、由谷咲、岩田愛未、土肥謙司、渡邊俊太、安井瑛男