キーワードで読むガイアの夜明け 日経紙面連動企画

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2017年01月12日 アイデアを練る新家電

今回のキーワード
「味」を求める高機能品が続々と

「究極の味覚」を実現する炊飯器やコーヒーメーカーが番組では紹介されるが、家電製品にはまだ、いろいろな機能を付加してゆく可能性が豊富にある。

今回のキーワード


中島洋の深読み 紙面を監修している中島洋・MM総研所長が、各回のテーマに対してコメント

広大な可能性を感じさせるのはインターネットと接続して情報集積によるメリットを享受する「ネット家電」である。最近の言葉では「IoT家電」ということになる。かねて未来図として描かれながら手がついていない機能がたくさんある。

まず、制度とのからみがあるが、家庭のエアコンの設定温度の外部からの制御。センサーで検知して室内にいる人に向けて送風する効率的な機能ができてきて「快適」の追求は着々と進んでいる。ただ、改善の余地はある。最適な快適温度は何度か。センサーで「快適」と感じているかどうかを判別して、情報を蓄積し、室内にいる人の好みを自動的に特定して個別の温度設定にする。インターネットを通じて検知データをセンターに送り、他の多数の家庭で収集したデータなどを集積して「快適」状況を解析する。IoTとビッグデータ、AIによる解析である。

スマート洗濯機。超音波で汚れを落とす洗濯機を開発し、衣類の素材、汚れの種類、度合いなどを洗たく水に溶けだした成分を検出して特定、水温、超音波の波長、時間などを変えながらデータを収集する。無数の洗濯機がインターネットを通じて大量のデータを送って来るので毎日膨大なデータが集まる。これを解析すると、素材ごと、汚れの種類などで最適な度数、時間が明確になる。この情報を家庭の洗濯機にフィードバックして、洗濯物を機械に入れると自動的に最適な条件で作動してくれる。

スマート冷蔵庫。ネットスーパーなどと契約して利用する。冷蔵庫はセンサーで、肉や魚、野菜、各種食品を保存する時に、収納位置、その時刻、数量を記憶する。商品に張ってあるラベルからサービス会社のサイトを呼び出して、アレルギー成分がないか、消費期限はいつか、などのデータを呼び出す。当該食品の消費期限が近づくと、ディスプレーに食品の収納位置が表示されて、期限が近付いていることを知らせて注意を喚起する。また、卵や醤油、ドレッシングなどの常備食品がなくなるとサインが出て、ネットスーパーなどに注文するかどうか質問して、YESのボタンに触れると注文が送られるといった具合。冷蔵庫の在庫で、どんな料理ができるか、ネットからその調理法の情報が送られて来る。

家電製品が、こういうサービス込みの商品になる。IoT時代は、「モノ」を売るのではなく、「サービス」を売る時代になるかもしれない。日本メーカーの競争力が復活するかもしれない。

中島洋=MM総研代表取締役所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。
73年日本経済新聞社入社。
産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。
97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。
02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。
現在、 MM総研所長、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。


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企画・制作・・日本経済新聞社 クロスメディア営業局
監修:中島洋MM総研所長
取材:木原香菜恵、小島眞司、中村幸嗣、由谷咲、岩田愛未、土肥謙司、渡邊俊太、薄井慧、平山紘太郎、安井瑛男