KIRIN~美の巨人たち~

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建築シリーズ ジェイ・H・モーガン「ベーリック・ホール」

今日の作品は、J・H・モーガン作『ベーリックホール』。異国情緒漂う横浜・山手地区に建つ地下一階、地上二階建ての大きな屋敷です。和紙や絹などを扱ったイギリス人貿易商ベリックの邸宅として建てられました。外壁はモルタルの表面をコテで粗く仕上げたスタッコ仕上げ。屋根には赤いS字瓦が使われています。小さな屋根のついた煙突の下にあるのは、壁泉と呼ばれる水場。ライオンの飾りがついています。こうした優美な外観、建築様式でいえば典型的なスパニッシュスタイルに分類されます。

設計したのは、ジェイ・ハーバート・モーガン。ニューヨークでビルの設計を手掛けていたアメリカ人建築家です。もともとはアメリカ最大の建築施工会社フラー社の設計技師長を務めていましたが、1920年に『丸ビル』の施工を担当する為に来日しました。そんなモーガン、『丸ビル』が完成すると独立し、そのまま日本に留まってビルだけでなく住宅設計も手掛けていくようになります。私生活でも、日本家屋に住み普段着も着物で過ごすなど日本の文化を積極的に取り入れていきました。そこには一人の日本人女性の影響がありました。彼女の名は石井たまの。来日直後に出会い、英語が堪能だったたまのに惹かれたモーガンは、彼女を通して日本人と日本文化に馴染んでいったのです。

しかし、そんなモーガンが設計した住宅はというと、そのほとんどがスパニッシュスタイルでした。しかも、ほとんどが横浜に集中しています。アメリカ人であるモーガンが、なぜ日本の地にスパニッシュスタイルの家を建てたのか?きっかけは1915年のサンディエゴ万博でした。この時展示されたスパニッシュスタイルの住宅が全米で大流行し、それを知ったモーガンが横浜の風土によく映えると考え取り入れたのです。

この『ベーリックホール』、室内でありながら壁泉が取り付けられている『パームルーム』と呼ばれる部屋や、一際豊かな色彩で彩られている2階のプライベートルームなど、室内もスパニッシュスタイルに満ち溢れています。 しかし、モーガンが設計したこの『ベーリックホール』、実はただのスパニッシュスタイルではありません。そこには日本を愛し日本に骨を埋めた建築家モーガンならではの工夫が幾つも施されていました。

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