KIRIN~美の巨人たち~

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鏑木清方「朝夕安居」

今回ご紹介するのは、当代一の美人画の名手と呼ばれた画家の作品、鏑木清方作『朝夕安居』です。清方は、筋金入りの江戸っ子で、明治、大正、昭和の三代を生きた画家。美人画においては西の松園、東の清方と言われ、江戸の名残を残す明治の女たちを描いてきました。けれども、今日の1枚は美人画ではありません。清方が最も描きたかったものです。それは長さ4mにも及ぶ一巻の絵巻になっています。

舞台は、明治初めの頃の東京下町。何気ない日々の暮らしの風景が朝、昼、夕方と三つの場面に分けて描かれています。季節は夏。新聞配達の少年が配達先へと急ぎ、奉公の少女が家の前を掃き清めています。玄関先には煮豆屋と朝食を見繕う女将さんの姿が。物干しに干された浴衣の藍の青、木綿の白、そして朝の日差し。夏の一日が始まります。日差しが照りつけしんと静まった昼下がりに描かれているのは、日差しを逃れて木陰で一服する風鈴屋の姿。やがて夕方になると、一日働いた男たちが汗を洗い流し、夕涼みを楽しみます。こうして夏の一日が暮れていくのです。

鏑木清方は、明治11年神田佐久間町に生まれ、幼年期を今の築地界隈で過ごしました。父の条野採菊は幕末の戯作者で、『やまと新聞』を創立した新聞人。父も母も共に芝居好きで、清方は江戸の文化を濃厚に残す下町情緒の中で育ちました。やがて二十代で挿絵画家として名を成すと、明治の文豪たちの挿絵や口絵を手掛けていきます。そして、40歳になった頃挿絵の仕事を控え日本画家として立ったのです。

今日の1枚『朝夕安居』は、そんな清方が昭和23年70歳の時に発表した作品です。美人画の巨匠が描いた、明治の頃の東京下町の人々の暮らしの風景。この作品こそ清方が最も描きたかったものでした。しかし、何故清方は昔の世界に魅せられたのでしょうか?そこには清方の鮮烈な想いが込められていたのです。

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