KIRIN~美の巨人たち~

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田中久重 「文字書き人形」

今回ご紹介するのは、160年以上前の江戸時代に生まれた“からくり人形”の最高峰と呼ばれる作品『文字書き人形』です。作者は、田中久重。江戸時代の後期に活躍し、「からくり儀右衛門」の異名をとった天才発明家です。
つづれ織りをあしらった指し物細工の見事な台座。その上に人形が一体座っています。前髪を残しているので元服前の少年かもしれません。書面板が回ると、その筆先がスラスラと字を書き始めます。とめ、はね、はらい、緩急強弱も自由自在。しかも筆の動きを追って顔も動きます。まるで生きているかのような見事な動き。そうして書かれたのは「寿」の一字です。しかも達筆。なぜ、こんなことが可能なのでしょうか?

「からくり儀右衛門」こと田中久重は、のちに「東洋のエジソン」と呼ばれることになる伝説の発明家です。『文字書き人形』のほかにも、多くのからくり人形を生み出しました。江戸後期の1799年、筑後の国・久留米のべっ甲細工職人の家に生まれた久重は、幼い頃から創意工夫に長け神童と呼ばれていました。そんな久重がからくりの世界に魅せられたきっかけは、「からくり屋台」だったといいます。簡単な仕掛けの人形が芝居を演じる「からくり屋台」は、日本中で興行された庶民の娯楽でした。

さらに10代の頃、久重が読みふけったとされる本があります。からくり人形の仕掛けを解説した『機巧図彙(からくりずい)』です。どうして動くのか?どんな仕掛けが隠されているのか?その面白さのとりこになった久重は、人形の制作に没頭。やがて、自ら作った人形と共にからくり屋台の興行に身を投じていきました。そして、40歳を過ぎた頃、久重は京都に『機巧堂(からくりどう)』という発明品やからくり人形を商う店を構えるのです。今日の作品『文字書き人形』も、その店頭に並んでいたものといわれています。

それにしても驚くのは、その体の動きです。腕のみならず、肩や顔までもが動いています。さらに驚くべきことに、この人形が書ける文字は「寿」一文字だけではありません。なんとほかにも「松」「竹」「梅」の字が書けるのです。どうして、そんなことが可能なのか?果たして、そのからくりとは?その秘密は、一枚の板に隠されていました。

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