KIRIN~美の巨人たち~

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小川治兵衞「洛翠庭園」

今日の作品は、“水と石の魔術師”と呼ばれた作庭家・小川治兵衞の代表作『洛翠庭園』。京都市内、南禅寺に近い閑静な住宅街にある、広さおよそ1000坪の“五感で味わう”庭です。

明治42年に実業家の藤田小太郎の依頼を受け作られました。大きな池の周囲は、うっそうとした緑が生い茂っています。流れるのは琵琶湖疏水から引かれた水。沢渡の飛び石の先に現れる一枚岩の石橋は、二億年前の地殻変動で生まれた青石が使われています。橋を渡ると見えてくるのは明るく伸びやかな庭園。この庭を歩く人の視線は、至る所におかれた石から池の水へ移り、そして遥かに見える東山の街並みと都の空へ…とその流れは下から奥へとなだらかに誘導しているのです。その訳とは…?

京都東山の江戸時代から続く造園業。小川治兵衞は18歳の時、ここに婿養子として入り、20歳で7代目当主となります。当時の京都は、幕末の動乱で焼け野原。また遷都により不況のどん底に陥っていました。そんな京都の復興のため計画されたのが、全長36キロにおよぶ琵琶湖疏水の一大公共事業でした。

今日の作品を上から眺めると…池は琵琶湖の形。なぜ彼は、庭の中にもう一つの琵琶湖を作ったのでしょう。そして、この庭を構成するすべてのものが、たった一つの目的のために配置されていたのです。それは一体…?小川治兵衞が丹精込めて作り上げた癒しの空間に潜む、驚きの発想と工夫をお楽しみに。

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