ウィーンへ、ようこそ。 六百年前からそびえるシュテファン寺院をはじめ、歴史ある建物があなたを魅了してくれます。 ヨーロッパのなかでも、伝統文化の香りを色濃く残す街です。
えっ!古くさいって? そんな先入観に、どうかとらわれないで下さい。さあ、ウィーン名物、路面電車にどうぞ。 新しい名所へとご案内しましょう。 格調高い町並みが続きますが、町外れまでお付き合いください。 中心部からウィーン川をこえて、下町の方へ。ほら!この建物です!これが今日の作品・・・。おっと!通り過ぎてしまいました! では、戻ってみましょう・・・。えっ?まだなんだかわからない? じゃあ、降りて見に行きましょう。ウィーンに作られた、一人の画家の理想郷・・・。
今日の作品、フンデルトヴァッサー作、「フンデルトヴァッサー・ハウス」。
テラスや屋根から木や草が生えています。そして屋上には、王冠のようなタマネギタワーが・・・。
今は木々が生い茂り、見えにくい部分もあるので、完成当時の姿をどうぞ・・・。
大分印象が違うでしょう。
建物を彩る、鮮やかな色彩。それはまるでパッチワークのよう。 おとぎの国にありそうな、この建物・・・。
でも、いま流行のテーマパークではありません。 一般の人が見ることができるのは、実はこの広場まで・・・。
でも、今日は特別です。
中へとご案内しましょう。
そこは飴細工のようなカラフルな柱がある、洞窟のような空間。
一寸、見てください。壁が波打っています。
そして床までも、曲がりくねっています。
慣れていない人は、躓くかもしれません。
壁のカラフルなタイルを見れば、床がいかにうねっているかが、判ります。
目を見張るのは、それだけではありません。
壁を彩る、遊び心溢れたモザイク画。
色彩と曲線に溢れたこの空間。
実はここ、20年ほど前に完成した、50世帯が住む、市営の集合住宅なのです。 作ったのは、この人。
本名、フリートリッヒ・シュトヴァッサー。
彼は芸術家として生きる意志を固めた21歳の時、雅号をフンデルトヴァッサーとしました。
オーストリアでは、誰もが知っている、有名な建築家。実は彼、元々画家です。 鮮やかな色彩がキャンバスに渦巻く、抽象画の奇才。
しかし、その情熱は、小さなキャンバスには、収まりきらなかったのです。
アトリエを抜け出し、自らの芸術を、現実世界に築こうとしたのです。鮮やかな色彩と、この曲がった、定規を使って・・・。
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