|
レマン湖のほとりに建てられた白い長方形の家。『小さな家』と呼ばれるこの住居は1923年、ル・コルビュジエが設計したもの。
長さ15メートル×幅4メートル、日本風に言えばわずか18坪の『小さな家』は、最小限住宅というテーマを突き詰めたコルビュジエの傑作です。
玄関の右側が台所とユーティリティー、左側がリビング。ベッドルームの隣には洗面所とバスルーム。それぞれの空間を最小限に切り詰め、連続して組み合わせます。
そして家の側面を貫く11メートルもの横長のリボンウインドー。レマン湖とアルプスの山々の見事な景色が、『小さな家』に無限の奥行きを与えています。コルビュジエが愛する両親の終の棲家として設計した特別な作品です。
コルビュジエは20世紀の建築を大きく変えました。「住宅は、住むための機械である」という思想、直線と直角のフォルム。設計の際には独自の美の基準、モジュロールという寸法体系を用いました。これは人間の体型、プロポーションから家の寸法を決めるものです。
また、1929年にコルビュジエが手掛けた『サヴォア邸』は、彼が唱えた近代建築5原則の結晶です。
すなわち建物を支え巨大な空間を作り出すピロティの存在。鉄筋コンクリートが生み出す、柱に縛られない自由な空間構成。光をたっぷりと取り入れる水平連続窓。土を盛り緑を育む断熱性に優れた屋上庭園。そして自由な建物の表情、ファサードのデザインの5原則。この1軒から、モダン建築は世界へと羽ばたいていきました。
|