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ヨハネス・フェルメール作『真珠の耳飾りの少女』は単に美しいだけでなく、謎めいた魅力を隠す絵画です。暗闇の中で光を浴びて、こちらを見つめる少女。頭には高貴な青色ラピスラズリのターバン、耳には真珠の耳飾り。つややかな唇が、何か言いたそうに軽く開きます。後ろから呼び止められ、振り返ったような瞬間の姿です。その視線を浴びた観客は不思議な感覚を味わい、無垢な眼差しにたじろいでしまうといいます。
オランダで一番美しいと呼ばれたデルフトの街で1632年、フェルメールは生まれました。旅館を営み、画商の仕事を兼ねながら、フェルメールは絵を描いていたといいます。彼は43年の生涯に、わずか30数点の絵を残しました。
初期の作品『眠る女』は、居眠りする女性の無防備な姿。光の当たり方から、観客は窓の外から女性を覗くような視点に立たされます。フェルメールは、作品をどう見せるかに細心の注意を払って緻密な計算をしているのです。
『窓辺で手紙を読む女』は寝室のカーテンの陰から、『恋文』はドアの隙間から、観客はまるで日常に潜む一瞬のドラマに立ち会う傍観者のようです。しかし『真珠の耳飾りの少女』ではなぜか、絵を観る側と、観られる側との視線とがぶつかってしまいます。この絵はフェルメールの作品の中でも、異色の存在です。
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