放送番組審議会委員(2017年7月~)

【委員長】 後藤卓也(日本マーケティング協会会長)

【副委員長】 木村惠司(三菱地所株式会社 特別顧問)

【委員】 荻野アンナ(慶應義塾大学教授、小説家) 金子成人(脚本家) 北原照久(株式会社トーイズ 代表取締役) 城戸真亜子(洋画家) 坂井利郎(日本テニス協会常務理事、早稲田大学非常勤講師) 芹川洋一(日本経済新聞社 論説主幹) 萬田久子(女優) 矢田次男(弁護士) 〔五十音順〕


第421回 放送番組審議会報告 2017年10月6日(金)開催

一般業務報告、編成報告及び特別番組報告、視聴者対応報告(9月)、放送番組種別(4~9月)・10月クールの番組種別について

審議の主な内容

『ドラマ特別企画 「テミスの剣」』
(2017年9月27日放送)合評

【委員】辛く切ない題材だが、視聴者を惹き付けて止まない素晴らしいドラマだった。あえて指摘するならば、20年という歳月の経過があったのに、俳優たちが老けたようには見えなかった。その月日の流れを上手く表現できていたらもっと良いドラマになっていただろう。

【委員】配役がドラマに非常に厚みを持たせていたが、前田敦子だけはミスキャストではないか。またリアリティーという点では20年前に目撃した車の中の人間の顔を稲妻の一瞬の光などで記憶できるのか、あるいは新聞の地方版に検事正の顔写真が載ることがあるのかなどの疑問が残る。

【委員】検察や警察で不正があった時、上に立つ者として、あるいは組織の人間としてどうあるべきか、司法の世界で生きている自分も改めて考えさせられる内容だった。ただ4人も殺害した人間が無期懲役になることはあり得ない。原作の問題だろうが、設定を変えるべきだったのではないか。

【委員】ドラマの途中で真犯人が逮捕され、終わりかと思った所でもう一歩踏み込んで組織の中枢の不正まで暴き出される展開になっていたので見終わってスッキリした。丁寧な作りで見応えのある質の高いドラマであり、こうした重いものをレギュラーで毎週見られる枠もあると非常に嬉しい。

【委員】犯人をでっち上げるためにわざとジャンパーに血痕を付けるような酷い捏造が行われる中で、それぞれの立場の人間が自らの正義を主張する姿に色々と考えさせられた。音響や映像の明暗、光と影の使い方も素晴らしかった。非常に感動した。

【委員】テレビが原作を上回った作品。死んだ楠木の母親が墓地で渡瀬刑事の手を掴むシーンが最初にあり、ドラマの最後が再びそのシーンで締めくくられているという脚本も素晴らしい。正義や権力についての言葉がドラマとかみ合い、抽象性を感じさせなかったのも魅力だった。

【委員】真犯人が分かってからさらなるどんでん返しがあり、興味の尽きない2時間だった。20年という時が経過しているのにも関わらず、渡瀬刑事が全く老けていないことなど、気になる部分はいくつかあったが、色々と考えさせられる良質なドラマに仕上がっていたことは間違いない。

【委員】真摯な思いが伝わってくる作品で好感が持てる。ただ、真実を追う仲間を痛めつける人間、証拠の捏造をする組織こそが悪の筆頭と思いながら見ていたのに、ドラマのラストで渡瀬刑事が検事正に「一番の悪はあなただ」という主旨の台詞を吐いたため、少々戸惑いを感じた。

【委員】社会的、普遍的正義がある一方で組織、個別の正義があり、両者は相対している。個別的正義や組織の隠ぺいは必ず破綻をきたすものであり、ドラマでも最初から社会的正義を貫いていれば誰も犠牲にならず傷付かなかったはず。やはり社会的正義は尊いということを感じさせられた。

【委員】緊張感を持ちながら惹き込まれるようにして見られる作品で、「琥珀」「巨悪は眠らせない」とともに非常に良いスペシャルドラマだった。可能な範囲でこうした良質で骨太のドラマを今後も定期的に作り続けて行ってほしいと切に願う。

【局】20年の月日の表現、役者の老け方については変化を付けたつもりだったが、より伝わるような工夫が必要だった。4人殺害で無期懲役ということも設定の変更を含め色々と考えたが、真犯人が無期懲役という不条理さゆえに殺されるという話なので、あえてそのまま乗り切った。

出席者

【委員】後藤委員長、木村副委員長、荻野委員、金子委員、北原委員、城戸委員、坂井委員、芹川委員、萬田委員、矢田委員

【局】髙橋会長、小孫社長、武田常務、近藤常務、大島取締役、長田編成局長、井上制作局長、吉次報道局長、草野スポーツ局長、中川制作局ドラマ制作部プロデューサー、大岡番審事務局長

次回合評番組

『ヒャッキン! ~世界で100円グッズ を使ってみると?~』
2017年10月24日(火)放送

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