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  • 2009年7月24日: 「ブームが農業をダメにする!」

(ゲスト)南こうせつ、山本麗子(家庭料理研究家)

いまや大ブームとなっている「農業」をテーマに、その理想と現実を徹底検証。農業の魅力だけでなく、生計を立てることの難しさやメディアが伝えない現実問題について真剣に考える。スタジオゲストには、地元・大分県に農園を持つ南こうせつと、ほぼ自給自足の生活を送る家庭料理研究家の山本麗子が登場。そして山本は、夏野菜を使った手頃で簡単で栄養満点なオリジナルレシピを披露する。ミニコーナー「太一のミカタ」ではフードニングを紹介。省スペースでできるプチ菜園キットの数々を取り上げる。


「農業は派遣切りの受け皿じゃない!」

長野県北佐久郡御代田町に、レタス、キャベツ、白菜などを作り、年商10億円を稼ぐ有限会社トップリバー代表取締役・嶋崎秀樹氏。
“IT企業から農業家に転身!1000万円を稼ぐ方法”など、「儲かる農業」を謳ったおいしい見出しが躍り、農業ブームをメディアが煽っている。しかし、数字で見ると圧倒的に就業者より離農者が多いのが現状。農業だけで生計を立てられているのは、4割にも満たない。嶋崎は「ブームはやがて消え去っていくから、メディアを含め真剣に農業について考えて欲しい。農業は甘くない!」と憂いている。

「アナタは自給自足生活できますか?」

野菜を育てる楽しみや収穫の喜びがある「自給自足」だが、決して“甘くない”現実もある。
Aさんは、13年前に横浜から家族3人で山梨県北杜市に移住。そこで1500坪の農地を借り、小麦を中心にキャベツ・ジャガイモ・玉ねぎなど100種類ほどの作物を季節ごとに栽培、その結果、肉類・乳製品以外は全て自給自足でまかなえるほどに。時折、収穫した小麦や野菜で作った100%自家製のピザを、お手製の釜で焼いて頂く。これだけ聞くと何とも優雅で理想的な生活と思えるが…。
実は自給自足生活は、意外とお金がかかる。例えば、自家製の醤油。4リットル作るのに原材料費がおよそ700円、そこに大豆の苗付けから瓶に入れるまでに要する80時間の人件費(40代サラリーマン平均収入662万円〔平19年国税庁〕より算出)や、トラクターの燃料費等のエネルギー費を足し算出すると、醤油1リットルあたり、なんと7万2800円に!市場価格のおよそ145倍という値段。自家製味噌汁も同様に算出すると、味噌の値段が10Kgで29万1100円。 1グラム29円だとすると、なんと味噌汁一杯、725円になってしまう。イセエビの味噌汁並みの値段だ。先ほどの100%自家製ピザも、小麦粉の原材料費や苗付けから小麦粉にするまで要する40時間から算出すると、150gのピザ一枚の値段は14万4千円に!宅配ピザ、約90枚分に相当する。スーパーで購入すれば、気軽に安く買える醤油や味噌も自給自足生活では、大変な高級品になってしまう。
理想的な生活に見える自給自足生活。だがそれは、驚くほどの手間と労力によって成り立っているのだ。

「農と言える人生!宇宙飛行士・秋山豊寛」

日本人初の宇宙飛行士・秋山豊寛。19年前、ソ連(当時)の宇宙船・ソユーズに乗り、宇宙に飛び立った。「地球の圧倒的な存在感とか、圧倒的な美しさとか、そういうものに触れられたって事は、忘れられない」と語る。
53歳で退職し、福島県・阿武隈山地で自給自足の暮らしを始める。広さ・一反の田んぼで収穫できるのは、年に5俵の米。育てるのはタマネギを始め50種類を超える野菜の数々。「人間が生物である事と、一番身近にある仕事っていうのが“農業だな”という事を本当につくづく感じますね」と言う。

ほかに、自給自足の家庭料理評論家・山本麗子が作る、夏野菜を使った手頃で簡単で栄養満点な家庭料理”の数々をスタジオに用意。ゲストと共に試食をする。

「焼き野菜のサラダ」
材料(4人前)
ズッキーニ(2本) なす(2本) トマト(大玉2個)
パプリカ (赤・黄を各1個) いんげん  オリーブ油
作り方
(1) 全ての野菜を一口大に切り分ける
(2) オリーブ油を熱しズッキーニに焼き色がついたら
   なす・いんげん・パプリカの順に炒める
(3) 全体に焦げ目がついたらトマトを加え特製ドレッシングと混ぜ合わせる

ドレッシングの材料
かつお節(10g) 熱湯(カップ1杯) しょうゆ(大さじ1)
酢(大さじ3~4) 塩(小さじ1弱)  こしょう (少々)
オリーブ油(大さじ2) 砂糖(ひとつまみ)

「レタスステーキチャーハン」
材料(2人前)
ご飯(2人分)ステーキ肉(150g)ニンニク(2かけ)
レタス(1/2束)しょうゆ(大さじ1)ブランデー(大さじ1強)
塩(ふたつまみ)こしょう(適宜)サラダ油(大さじ1)
作り方
(1) フライパンでサラダ油(大さじ1)を熱しニンニクを炒める
(2) ニンニクに焼き色がついたら1.5cm角に切り
   下味(塩・こしょう)を付けたステーキ肉を入れる
(3) ステーキ肉の表面が焼けたら、ブランデー(大さじ1強)と
   しょうゆ(大さじ1)を加える
(4) 温めたご飯をたっぷり入れ炒める
(5) 1cm幅に刻んだレタス(1/2束)を加えサッと炒める


【太一のミカタ】

フードニング

フードニングとは、ベランダや庭で野菜やハーブなどを育て食べるというもの。ガーデニングのように植物、花、木を手入れし鑑賞を楽しむというより、食べ物としての「節約」や「安全」を中心に自分で「育てる楽しみ」を目的とする。“一石三鳥”にもなる趣味として、主婦層を中心に人気を得ている。最近は鉢植えにペットボトルやバケツを使った、エコスタイルのプチ菜園も広がっている。そんな省スペースの菜園キッドを紹介する。

(1)プラスチックコップでキノコを育てる「キノコップ」
雑菌を植えつけた培地と赤玉土をコップに入れ、霧吹きで水を1日1回与えれば30~40日で数個収穫が可能。プランター栽培の「キノコガーデン」も人気がある。

(2)土鍋で育てる鍋用野菜栽培
一人用鍋にピッタリなサイズの土鍋で春菊や水菜を栽培。2種類の種を蒔き、適温(約15~25℃)を保ち、適度に水を上げるだけ。翌日には芽が出てきて、3~4日も経てば春菊も発芽、10日後には収穫可能。

(3)枝豆・そら豆栽培
ビール風の陶器グラスに種を蒔き、時期にもよるが平均1週間から10日で発芽し、2~3ヶ月経つとおつまみには丁度いいくらい量ができる。

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