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大恵飲料宣伝部のリストラ要員堀江雅之は、会長の石崎から、部長の真田とともにある相談を持ち掛けられた。その内容とは、マンションから転落した幼児を一人の男が奇跡的に助け出したスクープ映像を、大恵飲料のテレビCMに使えないだろうか、というものだった。その一部始終を偶然撮影したのは、会長の石崎自身だという。しかも幼児を助けた男は、有名なエコノミスト、江東大学助教授の与田亮介だった。
石崎からCMになるかどうか慎重に検討してほしいと要請を受けた堀江は、VTRの中身を入念にチェック。その結果、石崎のテープは偶然撮影されたものではなく、コンピューター・グラフィックで制作されたものであることを突き止めた。
堀江は早速、石崎にその八ミリ映像を使ったテレビCMを放送しないようにと進言する。堀江の説明を受けて、石崎は、自分は人を見る目があったと告げるのだった。
実は堀江は、二十年前に石崎が大恵飲料の宣伝部長であった時に出会った人物だった。当時堀江はテレビの制作プロダクションに勤めており、大恵飲料のコマーシャル放送でミスをしてしまったタレント加賀美順子をかばって、会社を辞職した過去があった。石崎は、一身に責任を背負った堀江の態度に感服し、中途採用を決意したのだ。
二十年前の記憶がよみがえり、加賀美順子を懐かしんで深夜まで痛飲していた堀江に、真田から急な電話が入る。なんと会長が自宅で首を吊って自殺したというのだ。
石崎の死に不審を抱いた堀江はテレビCMの一件が自殺に関係しているとにらみ、一人調査を開始する。
堀江はまずビデオに映っていた与田に連絡をとり、幼児を助けた件を確かめる。すると与田は幼児を救った覚えもなければ、石崎との面識もないと告げるのだった。部下の大原真理から、石崎が昨夜、宣伝部を訪れていたことを聞いた堀江。自分が会長を死に追いつめてしまったのではと責任を感じる。
石崎の葬儀に参列した堀江は、そこで思わぬ人物に出会う。それは、有名なやくざ組織の大親分・坂上大吾だった。実は堀江の父親は、そのやくざ組織の先代の組長だったのだ。堀江は、石崎の死をめぐる謎を解くため、撮影の行なわれたマンションを訪問。幼児の親である佐伯貴恵との接触を試みる。さらに事件を追って、堀江はかつて自分が属していた修羅の世界へと再び足を踏み入れるのだった・・・。
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