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第29回
冷たい灼熱
白昼主婦殺人事件
テレビ東京 8/8(水)20:54〜22:48

BSジャパン 8/5(日)21:00〜22:54

原作

東野圭吾 「嘘をもうひとつだけ」 講談社

脚本
西村タカシ
監督
中山史郎
キャスト
近松丙吉
田沼洋次
田沼美枝子
近松春子
村越実
中川一夫
……
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伊東四朗
吉田栄作
有森也実
市毛良枝
角野卓造
八嶋智人
 

あらすじ

  暑い真夏の昼下がり――。閑静な住宅街の一軒家で、若い主婦が殺されるという事件が発生した。被害者は三十三歳の田沼美枝子。死因は後頭部打撲による頭蓋骨陥没で、前から首を絞められて、床に激しく後頭部を打ちつけられたようだと警察は分析する。
 さらに、一歳半になる男の子が行方不明で、警察は被害者を殺した犯人が連れ去った可能性も考慮に入れて捜査を開始する。
 第一発見者の夫・田沼洋次によれば、八時頃帰宅すると、洗面所で血だらけになって倒れている妻を発見したとのこと。預金通帳が二冊消えており、部屋にも物色された跡があった。
 現場を訪れた所轄のベテラン刑事・近松丙吉は、田沼家の中を細かく観察していく。そこで近松は、洗濯機の中に無造作に入れられた赤いTシャツに目をとめる。また、窓が閉められ蒸しぶろのような暑さの二階の洋間に、子供を寝かせていた形跡があるのを発見し、不審に思うのだった。
 だが、捜査会議では、怨恨もしくは流しの強盗殺人を本線に、誘拐の可能性も念頭に入れて事件解決にあたるという方針を決定する。
 その方針を受けて、田沼家では捜査員が録音機や逆探知機などを設置。誘拐犯からの連絡に備えることとなった。
 一方、事件に不自然なものを感じとった近松は、田沼夫妻の関係を洗う。だが近所の主婦によれば、二人はとても仲が良く、理想の家族だという。
 さらに近松は、田沼洋次のアリバイを再確認すべく、時間をチェックしながら事件当日の田沼の動きを追う。その結果、田沼が川越の取引先に当初の約束の時間よりも一時間半以上遅れて到着したこと、さらに現場から帰宅するはずがわざわざ会社に戻ってきたことなど、いくつかの不審な点が浮かび上がった。
 近松は田沼に直接当日のアリバイを尋ねる。そして何故、美枝子の赤いTシャツが洗濯機の中にあったのかを問いただした。
 しかし捜査方針に従わず、勝手に動きまわる近松の行動に、警視庁の他の刑事たちが横やりを入れてきた。署長の村越も、これ以上勝手に動きまわるのならば、近松を担当から外さざるを得ないという。
 だが近松の頭の中からこの事件が離れることはなかった。近松は自宅で洗濯をしながら、美枝子の赤いTシャツの謎を考えていた。何故殺害される前にTシャツを着替えていたのか?亡くなってからでは、死後硬直のため服を着替えさせるのは難しい……。
 近松がこの事件に入れ込むのには理由があった。実は近松も十年前に、当時五歳の息子を失っており、妻の春子ともどもその過去の出来事に苦しんでいたのだ。
 田沼洋次に強い疑惑を抱いていた近松であったが、事件は思わぬ展開を見せる。なんと田沼の家に男から電話が入り、五千万円を用意しろと要求してきたのだ。
 自分の推理と異なる展開にショックを隠せない近松。だが、近松は犯人からの電話、そして田沼の受け答えに、やはり不自然な空気を感じ取る。
 犯人の要求通り、どうにか五千万円を用意した田沼は、警察が準備した発信機と無線マイクを拒否して、身代金の受け渡し現場へと向かうのだが……。