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第30回
夏の旅情サスペンス
みちのく祭り殺人行
〜死んだ妻からの電話
テレビ東京 8/15(水)20:54〜22:48

BSジャパン 8/12(日)21:00〜22:54

原作

高橋克彦 「愛の記憶」「蒼い記憶」より 文藝春秋

脚本
石川雅也
監督
吉本潤
キャスト
長崎俊一郎
中瀬綾
長崎秋子
成田浩介
三上啓吾
……
……
……
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古谷一行
宮崎美子
伊藤蘭
大杉漣
田村亮
 

あらすじ

  元エリート銀行マンの長崎俊一郎は、6年前妻に自殺された過去を背負っていた。それを振り払うため今は生まれ故郷の盛岡を離れ、単身東京で警備員をしている。長崎は深夜商社のオフィスビルを巡回中に盛岡の大学時代の友人で商社マンの倉持を見かける。転勤してきて間もない彼に声を掛けるが、態度はそっけなく、表情は暗かった。
 翌朝、会社を出た長崎の目前で、ビルの屋上から男が落下した。顔を見た長崎は慄然とする。前夜に会った倉持だったのだ。
 警察の見解はノイローゼからの自殺。事情聴取を受けた長崎は故郷盛岡のことを尋ねられ、亡くなった妻・秋子を思い出す。秋子は6年前の誕生日にベランダから墜死、自殺とされてきた。
 その日、長崎のもとになんと死んだはずの秋子を名乗る電話が来る。彼女は、自分は自殺ではなく殺されたのだと訴える。真相をもう一度調べて欲しいと…。
 部屋で一人愕然としている長崎のもとへ出版社に勤務している秋子の妹・中瀬綾が食事を作りにやって来る。長崎が秋子だと名乗る電話があったことを伝えると、綾は悪戯だと怒る。しかし秋子の死に責任を感じている長崎は軽く受け流せないでいた。そして秋子の死にもう一度向かい合うため、盛岡へ向かうことを決意する。
 秋子の死以来、初めて盛岡へ戻った長崎は、盛岡の街並みを眺めながら6年の歳月を噛み締めていた。その頃綾も、雑誌の取材地を東北に変更して盛岡に向かった。
 秋子の流産をきっかけに2人の間にできた溝を思いながら、長崎は以前秋子と住んでいたマンションに向かう。秋子へ送った誕生日プレゼントも包装紙に包まれたまま、部屋に置き去りにされている。長崎は中を見ることなく死んでいった秋子を思い、秋子が部屋でピアノを弾いている幻影を見る。しかし、幻はすぐに消えてしまうのだった。
 部屋を出ようとすると、玄関には盛岡署刑事・永見政一が立っていた。秋子、そして倉持と、長崎の周辺で二人も亡くなっていることで、永見は長崎に疑いの目を向けていた。そして秋子を殺したのが長崎でなければ、秋子の愛人というセンもある、と長崎を挑発する。
 長崎が町を歩いていると、昔なじみの酒屋の店主・田中と偶然会う。そして秋子が死ぬ前日、酒屋に寄って「さっきとっても素敵なことがあった」とうれしそうに話していたことを聞く。「素敵なこと」とは何だったのか?長崎の心にはそれが引っ掛かる。
 その夜、ホテルにいる長崎に再び秋子だと名乗る電話が入る。しかし「私を殺したのはあの人よ」という謎めいた言葉を残し、電話は切れてしまう。
 倉持の告別式で、長崎は大学時代の友人で今は銀行の支店長をしている三上啓吾や、事業家として成功している成田浩介と再会する。成田の妻・純子は秋子と仲の良い友人だったが、今は子供を連れて家を出ていた。長崎は純子ならば秋子の死の真相を知っているかもしれないと成田に純子の居場所を尋ねるが、成田にもわからなかった。そして成田は秋子のことはもう忘れた方がいいと長崎に言うのだった。
 再びマンションへ来た長崎と綾は、秋子へのプレゼントを開けてみることにした。すると、包装に一度剥がしたような痕があることに気付く。この6年間、誰も入るはずのないこの部屋に侵入者が?と一瞬疑問を抱く2人だったが、すぐにそんな訳はないと思い直す。その時長崎の視界に、路上にいる秋子そっくりの姿をした女の姿が目に入る。弾かれたように外へ飛び出す長崎だったが、長崎が路上へ出た時には女の姿はもうなかった。
 綾は成田の妻・純子を探す為、町で聞き込みをし、純子が働いていたバーをつきとめる。そしてそのバーへ入っていく三上の姿を目にし、訝しがる。
 その夜、ホテルから外出しようとフロントを通りかかった綾は、フロント係が長崎への伝言を受けているのを偶然耳にする。それは純子の住所を知らせる伝言だった。綾は急いで誰からの電話なのかを聞くが、フロント係は名乗らない男だったと言う。一体誰が何のために?綾は純子の住所を書いたメモをフロント係から奪い取り、外へ飛び出していく。そしてまた次の殺人が起こる…。