|
インテリアコーディネーター井原恵美子は、不動産業を営む夫の晴久に誘われ、猪苗代に二人で夫婦旅行へ出かけていた。だが、仕事を放り出す形で出てきた恵美子は、自然に囲まれた裏磐梯のロッジに到着しても、顧客と携帯電話でやりとりするなど、旅行を楽しむどころではない。あきれて晴久は恵美子を部屋に残し、散歩へと出かけてしまった。
部屋で一人きりになった恵美子は、ベッドでついつい眠り込んでしまう。静かすぎるほどの高原の午後。気持ちよくうたた寝をする恵美子の知らぬ間に、男が部屋の中に入り込んでいた。
男はベッドに向かうや、熟睡する恵美子に覆い被さってくる。何事かと目覚めた恵美子は、見知らぬ男が泥酔した様子で自分を抱きしめてくることに仰天し、助けを求めて悲鳴を上げた。
そこへ晴久がタイミングよく帰ってきた。晴久は男をベッドから引きずり下ろすや、強烈なパンチを浴びせ、男をベランダへと突き飛ばした。手すりに頭をぶつけて転倒した男は、そのまま伸びて失神してしまう。しかしほどなくして男は意識を取り戻し、自分は熊谷だと名乗って、後頭部のこぶを気にしながらも、恵美子たちに詫びを述べて立ち去った。
いざという時には自分を守ってくれる夫を頼もしく思う恵美子であったが、晴久は自分が殴ったことでケガをした熊谷のことが心配だった。というのも、晴久はボクシングの経験があり、以前練習試合で友人をノックアウトして死に至らしめてしまった苦い過去を持っていたからだ。
一度気になりだしたらとまらない性格の晴久は、熊谷が勤める会社へ電話をかけ、彼が元気に出社しているかどうかを確認する。すると驚いたことに、電話に出た男性社員は熊谷が亡くなったという。
晴久と恵美子は熊谷家を訪れ、妻・香織に、裏磐梯のロッジで起きた経緯を説明した。香織は、身体の不自由な妹・里奈と二人、頼りになる夫を失って、これから先どうしていけばよいか分からないと声をつまらせる。しかも、現在住んでいる家は、会社の借家なので出ていかなくてはならないと嘆くのだった。
晴久と恵美子は、罪悪感から香織と里奈の二人のために新しい住居を探すことを約束する。だが、車椅子生活を送る里奈にあった物件がなかなか見つからない。とりあえず二人は、新しい住まいが見つかるまで、自分たちの家に二人を住まわせることにした。だが、この選択が、恵美子を地獄へと突き落とすことに……。
里奈は車椅子で部屋のいたる所にぶつかり幾つもの傷をつけたり、かかってきた電話にぶっきらぼうに対応したりとトラブルを引き起こす。一方、香織も勝手に井原家の家事をとりしきってお手伝いさんともめたり、恵美子が開いたパーティーを台無しにするなど、次々と問題を発生させる。
恵美子は晴久にどうにかしてほしいと訴えるが、大人の色気を撒き散らす香織に、晴久は完全にとり込まれてしまう。
仕方なく恵美子は直接香織に、家から出ていくように命じるものの、開き直った香織は恵美子の方こそ出ていくべきだと主張する。
恵美子は自分の家を、そして夫を取り戻すべく、香織の夫が亡くなった事について、そして謎の多い香織と里奈の姉妹について調査を始めるのだった……。
|