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テレ東

2018.3.26

サラダチキンの会社が「社員の幸福」を目指す理由:カンブリア宮殿特別編

サラダチキンの会社が「社員の幸福」を目指す理由:カンブリア宮殿特別編

いま注目の経営者や組織のトップに村上龍と小池栄子が迫る「カンブリア宮殿」。3月15日の放送に登場したのは、大人気のサラダチキンを初めて売り出した鶏肉の総合メーカー「アマタケ」。「カンブリア宮殿特別編」では、番組では放送されなかった、4代目社長の甘竹秀企さんのトークを公開する。


サラダチキンは鶏のむね肉を味付けして加熱した総菜のこと。低カロリーで高たんぱくなヘルシー食材として女性からアスリートまで幅広い層の人気を集めている。「アマタケ」がサラダチキンを世に出したのは18年前。今では年間1100万パックを売り上げている。その「アマタケ」が倒産寸前の危機に陥ったのが東日本大震災。岩手県にある本社と3つの工場が津波によって壊滅状態になったのだ。そこから「アマタケ」は奇跡の復活を果たす。


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「むね肉を美味しく」 サラダチキン誕生の裏側


小池:サラダチキンは、どんな経緯で生まれたんですか?

甘竹:もともと日本国内で鶏肉というのは、もも肉がすごく人気がありまして、むね肉がなかなか売れない。それがブロイラー産業始まって以来の業界の課題で、アマタケも当然同じような問題を抱えていました。むね肉を消費者の方に買っていただくためには、どうすれば良いのだろうかというのが最初のきっかけです。


小池:確かに、むね肉というとパサついて


甘竹:調理が難しい。ちょうどいい柔らかさにするには、ものすごく難しいというお客様の声をずいぶんいただきました。そうであれば、ある程度、加熱加工までは我々がやって、おいしく食べられるものを何とかして作りたいというのがスタートですね。


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「終わりと思った」 津波で本社と工場が壊滅


小池:東日本大震災が起きた時は東京にいらっしゃったのですね。


甘竹:そうです。


小池:会社にたどり着いた時の第一印象は?


甘竹:3日後に地元に入ったんです。もちろん11日から東京でテレビとかで色々映像は見ていましたから「このくらいの被害は受けているんじゃないかな」というのは想像して現地に入りました。ただ、実際に入りましたら、自分の想像を超えていました。正直申し上げて「もうこれで会社も終わり。僕の人生も今日で終わり、ここで終わるんだろうな」というのが最初の印象でしたね。

村上:当時の写真を見たら再開できるイメージではないですよね。


甘竹:そうですね。機械が全部津波による海水で水浸しになって全く使えない状態ですから。しかし、私が3月14日に現地に入ったときに、すでに工場では作業をしているスタッフが何人かいたんです。彼らも家を失くしたり、家族を亡くしたり、そういう中で会社のことを思って後片付けをしている、そういう社員がたくさんいました。一生懸命彼らが会社を何とかしようと思ってくれていることをすごく感じましたから、やっぱり「自分がここで心折れるわけにはいかないな」と思いました、


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「社員の幸福を実現する」


小池:震災後に「社員の幸福を実現する」というスローガンを掲げるようになったのはどうしてですか?


甘竹:やはり震災からここまで会社を取り戻すことができたのは、社員のおかげと僕は思っています。役員会とかでもよく話しているんですが、「社内に恩返しをしよう」というのが我々役員の合言葉です。これから収入面もそうですけど、休日をもっと増やしてあげたいとか、あと仕事に対して「やりがい」や誇りを持ってもらえるようにとか。震災前も決してそういうことを考えてなかったわけではないですけども、我々の7年間の経験で深さが違うと言いますか、それがすごく私を含め、みんなが思っていることです。


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「10年後の社員を思い規模は追求しない」


村上:「社員の幸福を実現する」というスローガンと関係があるのかもしれませんが、今の年商110億円くらいの事業規模を拡大する気持ちがないと仰ってましたよね。


甘竹:ないですね。


村上:それはどういうことですか?


甘竹:震災前と比べると、生産規模で今6割くらいです。当然、規模を拡大して売り上げを伸ばす方法がないわけではないんですが、今日本で深刻な問題になりつつありますけれど、人手不足とか人口が減っていく。特に岩手、我々の大船渡は過疎地です。これからどんどんどんどん働き手が減っていく。そういう中で規模を追うと、10年後、20年後の社員に、すごく苦労をかけてしまうんじゃないかという思いがあります。であるならば、今の規模を大きくするのではなく、もうひとつ別な「ひと手間」の工夫をすることによって、売り上げはそんなに大きくは伸ばすことはできないかもしれませんけど、利益はもうちょっとこのくらいいけるんじゃないかとか。将来の社員に苦労をかけないためにも売り上げ、規模は増やさないで、その中で工夫して知恵を出して収益性を高めていくのが、僕の大きな課題だと思っています。

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カンブリア宮殿

カンブリア宮殿

多彩なゲストを迎え、村上龍が日本の今を切り取るトークライブ。

放送日時:テレビ東京系列 毎週木曜 夜10時

出演者

【メインインタビュアー】村上龍【サブインタビュアー】小池栄子

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