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テレ東

2018.3.4

「エンディングデザインコンサルタント」ってどんなお仕事?

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読者のみなさんは、「エンディングデザインコンサルタント」というお仕事があることをご存知でしょうか? 両親、親戚、友人・知人、そして自分自身......誰しも経験することになるのに、いざというときまで知らないことのほうが多い「お葬式」。そんな時に、葬儀を執り仕切ってくれる葬儀社とは別に、「終活」から葬儀の心得、不安などの相談に乗ってくれるのが、エンディングデザインコンサルタントなのです。


今回は、葬儀社勤務を経て、エンディングデザインコンサルタントとして独立し、数々の「お別れ」に立ち会ってきた柴田典子さんに、お仕事の内容から最新の葬儀事情を教えていただきました。


生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木曜日 午前9時28分~放送中)では、毎回さまざまな専門家がレギュラー出演。柴田さんは「はじめて喪主になったら」「揉めない相続」などを分かりやすく解説し、視聴者からの反響も多数。


具体的に葬儀まわりのどんな仕事をするのですか?


「ひと言でいうなら、"人生のエンディング"についてのご相談相手です。今までは、相続のことは司法書士、葬儀は葬儀社というように、それぞれ個別に相談してきたと思いますが、このすべてをまとめてご相談に乗るお仕事です。


家族が亡くなると、葬儀やお墓のことは思いつきますが、故人のお部屋や遺品整理など、遺された方はやらなくてはいけないことがたくさんあります。でもこうした事実を知らない方が多くいるのです。そこで、葬儀だけでなく、死を中心としてその前後についても、可能な限りご相談に乗って説明しています」(柴田氏さん、以下同)


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「エンディングデザインコンサルタント」の第一人者


専業主婦だった柴田さんが葬儀の世界に入ったのは43歳。そこから、いろんな「お別れ」を通して感じた疑問を解決するために起業を決意されたとか。


「そもそもは主婦でしたが、ご縁があって、葬儀社で働くようになりました。主婦目線で見ると、『葬儀社さんて、遺族の思っていることもわからないの?』とか、逆に、『一般の方って、葬儀について何も知らないんだな』と思うことがたくさんありました。一般の方には葬儀の知識を教えたい、葬儀社には『一般の人ってこういうことを知りたいのよ』ということを伝えたい思いが強くなり、独立を考えました」


2011年に、がん宣告を受けた父親の姿を娘である砂田麻美が監督・撮影したドキュメンタリー映画『エンディングノート』で、「終末について考える」という意識が認知されたように思いますが、柴田さんが独立して「エンディングデザインコンサルタント」を名乗るようになったのは、これより6年も前のこと。まさに第一人者的存在になります。


「独立する時に『肩書をどうしよう?』と悩んだ末に思いつきました。創立当初はあくまで葬儀社のコンサルタントとしてのお仕事だと思っていましたから、今にして思えば、名前が後についてきた感じです。当時は一般のご相談に来ることもほとんどなくて、葬儀社の社員研修などがメインでしたね。


あの映画をきっかけに、そこそこ『エンディングノート』の存在は認知されるようになったとは思いますが、一般の方というよりも業者が動いたというイメージのほうが強いですね(笑)。司法書士の先生が遺産について書き留めておくためのノートを配ったり、銀行が年金受給者を対象にセミナーを開いたり」


近年、これから死を迎える当事者が「自分の死後の後始末で迷惑かけないようにしよう」と考える風潮も出てきたことから、柴田さんのもとにも、一般の方のご相談が増えてきたのだとか。


香典の金額から延命についてなど、相談内容はさまざま


「人生のエンディング」に関するすべての相談事が柴田さんのもとに寄せられるそうですが、どんなことで悩んでいるのか、気になります。


「『法事の不祝儀袋の表書きはどうすればいい?』とか、葬儀後のお寺とのやりとり、『家族が亡くなりそうだけど、何から手をつけたらいいのかわからない......』など、あらゆるご相談を受けます。最近はお墓についてのトラブルも多いですね。


トラブルと言えば、兄弟間、親族間の仲裁に入ることもあるそうで、「喪主を誰にするか?」ということでもめるケースも。


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「ご両親が離婚して、お母さんと子ども2人で暮らしていたところ、お母さまが急逝。元夫がかけつけて、喪主をすると申し出たのですが、子どもたち2人が大反対。お話を伺うと、お父さんの気持ちも子どもたちの気持ちも理解できるんです。ですので、"3人喪主"を提案し、納得していただきました。


ほかにも、長男ではなく娘さん夫婦と同居されていた方の葬儀で、喪主は誰がするかでもめる例もあります。普通なら長男が喪主ですが、一緒に暮らして故人のことを一番よく知っているのは同居している娘さん。だから、娘さんの旦那さんが喪主をするのか?娘さんがするのか?これも正解がない難問です。


私は葬儀の形はひとつではないと思っています。それぞれの家族の状況に合わせて、提案さしあげたことで、『こんな考え方があったのね。よかった』と言っていただいた時はうれしいですね」


喪主を誰にするかという問題以外でも、「葬儀のやり方が気に入らない」などの理由から、殴り合いの兄弟喧嘩が勃発したことも。こうした問題をひとつひとつ聞き取って調整し、うまく送り出すのも柴田さんの腕の見せどころなのです。また、葬儀社との金銭面でのトラブルもよくあるといいます。


「最初に聞いていた金額より多くなったというのが、一番多いトラブルですが、弔問に予想を上回る方がお見えになれば、必然的に返礼品や用意するお料理も増えますよね。金額が増えていたら、見積書と請求書をきちんと見比べて、どの部分が増えたのか、確認してください。


とはいえ、見積書を出す葬儀社さんは全体の半分くらいなのが現状です。また、祭壇やお花などの一部しか見積もりを出さない業者もあるので、その場合はしっかり『総額の見積もりを出してください』とリクエストすれば、事前にトラブルを避けられるのではないでしょうか」


親族だけでコンパクトに済ませる「家族葬」が最近のトレンド


芸能人の訃報のニュースでも「葬儀は親族のみで行なう予定です」という言葉が聞かれるようになり、家族葬を済ませ、後日報告する形式が増えたように感じますが、一般の方はいかがでしょうか。


「最近は家族葬が増えていますね。『自分が死んだら何もしないで』と望む人が多いのですが、残された家族はその通りにしなくちゃいけないと思って、本当に何もしないで送り出すんですよ。でも後になって、『私たち、ちゃんと送り出してあげなかったんじゃないか』と思い始める。『お金ではなく、思いを届けたかった』と後悔する遺族が多くいらっしゃいます。私はご本人には『希望を残すのはいいけど、実際に実行するのは家族なので、ある程度任せたほうがいい』とアドバイスさせていただいています」


家族のためを思って「何もしなくていい」と言ったはずなのに、逆に家族の負担を増やしてしまう。柴田さんと話していると、当事者ではなかなか気がつかないことに気づかされるようです。また、柴田さんは、こうした最近の葬儀の傾向に疑問が残るといいます。


柴田さん:ある方は、家族葬が終わって、ご自宅に弔問にお見えになられた方から「いつもお孫さんの自慢をしていましたよ」「桜が好きでしたよね」など、故人との思い出話を聞かされて、泣いてしまったと......。故人の希望で家族葬にしたけど、こうした方たちにも来ていただきたかったと悔いるケースもあります。

簡潔に済ますことで「家族葬」を選んでいるならば、方法はそれだけではないと、柴田さんは提案します。


「多くの方は『祭壇を作らなくちゃいけない』と思っているけど、実際は葬儀社が祭壇をセットに組み込んでいるだけなのです(笑)。『祭壇はいらないから、その代わりお花をもっと入れたい』などのリクエストを言えば、葬儀社も受け入れてくれますよ。でも葬儀社の方からは、提案してこないことがほとんどです。私は、そういう部分も変えていきたいなと思っています。


『海の近くでご葬儀をしたい』というリクエストに応えるなど、個々の希望に沿った葬儀を提供する業者も増えてきました。故人が好きだったことを形にしてあげると、家族としても心に残るし、『お母さんこれ好きだったわよね』などと思い出話が出てきます。遺品ひとつ飾るだけでも、話がつきません。普段は付き合いのない方と情報交換ができるのも、葬儀のひとつの目的なのではないかと思っています。


ご葬儀は悲しいものだけれど、私はそこに愛を感じています。人から愛のある言葉をかけて頂くのがご葬儀。見送る側と見送られる側の思いをうまくマッチングさることが私たちの仕事なのかもしません。


柴田さんがおっしゃる「人から愛の言葉をかけていただくのがご葬儀」という言葉は、悲しい気持ちの中にも一筋の明かりを灯してくれるようです。人の死と向き合う大変なお仕事ですが、超高齢化社会の日本ではますます必要とされそうです。


今後の番組でも、柴田さんから「人生のエンディング」に関する注目すべき情報をお届けしていきます。後編の記事では、「終活」についてお話を伺います。こちらもお楽しみに!


取材協力:エンディングデザインコンサルタント柴田典子さん

http://officeshibata.jp/profile.html

ブログ「柴田典子の葬儀の話でごめんなさい

おもな著書『3冊でできているエンディングノート「アクティブノート」』(シバタ・オフィス出版)、『喪主ハンドブック―90分でわかる!』(主婦の友社)、『家族・親族のお葬式前後にやることがわかる本』(PHP研究所)。3/5に『人生の最期に迷惑をかける人 かけない人』(PHP研究所)がリリース。

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薬丸裕英と香坂みゆきのMCでお送りする生活情報番組!ともにアイドル、そして今は良き父親、母親になっている両氏ならではのトークをリラックスしてお楽しみください!

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