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BSジャパン

2018.5.13

「生きてさえいればなんとかなる!」チェコからやって来た赤ひげ先生:ワタシが日本に住む理由

「日本に住む」ことを選んだ外国人にスポットをあてる「ワタシが日本に住む理由」(毎週月曜夜9:00~)。伝統文化や伝統工芸、四季折々の光景、和食の味、日本人の性格など、日本人が気づかないニッポンの魅力を、彼らの生活ぶりとあわせて紹介します。


5月7日(月)の放送に登場したのは、日本在住39年というチェコ出身の中島恵利華さん(66歳)。1992年に日本に帰化した中島先生は、夫の故郷・新潟で皮膚科の医師として働いています。


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黒澤明監督の「赤ひげ」に感銘を受けて医学の道へ


1951年、チェコの首都プラハで生まれた中島先生。当時はまだチェコとスロバキアは分離しておらず、チェコスロバキアは社会主義の国でした。国家体制が似ている当時の中国からチェコスロバキアにやってくる留学生も多く、中島先生は中国語を学び始めたものの、1966年に中国で起きた文化大革命のあおりを受けて、チェコスロバキアでは中国語が禁止されることに。そこで中島先生は日本語の勉強を始めますが、今度は1968年の「プラハの春」をきっかけに、当時のソ連がチェコスロバキアを制圧。日本語の勉強もままならない情勢に陥ってしまいます。その頃は17歳だった中島先生は当時の様子を「武器を持たない普通の人々も殺されていた」と悲痛な面持ちで振り返ります。


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そんな中、彼女は黒澤明監督の映画「赤ひげ」と出会います。貧しい人たちの診療に情熱を燃やす医師の姿を描いた名作ですが、この作品に感銘を受け、医学の道を志してプラハ・カレル大学医学部に進学。また、プラハにはクラシック音楽を学びに来る日本人の女子学生も多く「彼女たちの面倒を見てあげながら、日本語の会話を練習できた」と語ります。


1975年に医学部を卒業し、大学病院の勤務医として働きながら、日本人との文通をスタート。現在の夫・秀治さんも文通相手の1人で、チェコにやって来た夫との初対面について「(2人とも若くはなかったので)"売れ残り"と"出遅れ"の出会い(笑)」と笑う中島先生。1年後にチェコで結婚式を挙げ、1979年には初来日を果たしました。


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来日した当初は「外国人はみんなアメリカ人だと思われていた」「石ころを投げつけられたこともあった」と、日本での生活に苦労した部分も。それでもめげることなく、筑波大学医学部で研究生として勉強を続けて、1986年に日本の医師免許を手に入れました。
母国が社会主義の頃にもらった日本行きの許可証は1年ほどで期限切れになってしまいましたが、「(日本で帰化したとしても当時の母国では)亡命と同様の扱い」と告白。彼女は一度も帰国しないまま日本での生活を続けています。


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雪国のお年寄りのために診療所を開設


夫の転勤もあって新潟県上越市へやって来た中島先生は、1993年に「めぐみ皮膚科」を開業。今では「親しみやすい」「親身になってくれる」と、街の人々の評判も上々です。
現在は上越市で皮膚科を続けながら、妙高市では夫婦で「おやど山恵」という宿泊施設も営んでいます。宿の半纏を羽織った夫を「オヤジ!」と乱暴に呼びながらも、互いにねぎらい合うおしどり夫婦。宿には一室を改造した小さな診療所も併設。雪深い土地で除雪作業もかなりの苦労を伴いますが、中島先生は「周囲に住むお年寄りのために...」と、この診療所の目的を話してくれました。通院しているお年寄りたちも「中島先生は最高だなぁ」「こういう先生は大事にしなきゃ」と、外国からやって来た"赤ひげ"先生を慕っています。


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番組の終盤で中島先生が「好きな漢字」として挙げたのは「生」という一文字。「頑張っていれば、生きてさえいればなんとかなる」という彼女の言葉には、医師としての情熱はもちろん、激動の歴史を経てきた母国への感慨も込められているようでした。


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ワタシが日本に住む理由

ワタシが日本に住む理由
放送日時:BSジャパン 毎週月曜 夜9時放送 

はるばる海外から日本にやってきて、日本で職を持ち、生活をしている外国人たちの「日本に住むと決めた理由」とは?毎回、一人の外国人が登場。外国人から見た日本の良さ、そして、私たちの知らなかった日本を再発見する番組です。

出演者

高橋克典、繁田美貴アナウンサー

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