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テレ東

2018.5.9

「知っていますか?頭痛の正しい知識」脳神経外科・上山博康先生〜「主治医が見つかる診療所」~

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「主治医が見つかる診療所」は2006年にレギュラー放送開始以来、毎回テーマに沿った健康情報をお届けする知的エンターテイメントバラエティ。今話題の健康法から、いざというときの医師・病院選びのコツまで、医療に関するさまざまな疑問に第一線で活躍中の医師たちがわかりやすく答えます。


さて、今回の「テレ東プラス」では、レギュラー医師として出演中の上山博康先生に、慢性頭痛に関する疑問を相談。その原因や対処法について教えていただきました!


Q1:梅雨の時期になると、片頭痛が起こる方が増えるようです。ただ、痛みの程度は本人にしかわからず、友人は仕事の評価への影響を気にして我慢しているといいます。そもそも片頭痛はなぜ起きるのでしょうか? 予防策や対処法があれば教えてください。


「日本では3人に1人が頭痛持ちともいわれています。ただ、それらの慢性的な頭痛がすべて片頭痛かといえば、実はそうではないんですね。例えば、めまいの訴えがあると短絡的にメニエール病が疑われがちですが、メニエール病は突発性難聴の一つであって、激しい回転性のめまいとともに難聴が現れます。しかも、雑音が多い場所では聞こえて、静かな環境では聞こえにくいという特徴的な難聴なんですね。片頭痛も同様で、狭義の病態とは違った用いられ方をしていることも多いようです」(上山先生、以下同)


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「一般的に頭痛には大きく分けて、①症候性頭痛――脳腫瘍やクモ膜下出血などの頭蓋内に病変を有するものと、②慢性頭痛――片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など、の2つがあります。片頭痛は慢性頭痛の一つということですね。


最近は、繰り返し頭痛発作が起こると何でも片頭痛と診断される傾向がありますが、典型的な片頭痛は、発作前に眼に光るものを感じるなど、個人差はあるものの何がしかの前兆がある場合が多いのが特徴です。圧倒的に女性に多く、生理前や飲酒後(赤ワインなど)に発作が起きやすく、中には天候の変化や温度差で誘発される人もいます。日常生活に支障をきたすくらいの痛みで、嘔気や嘔吐などを伴うことも珍しくありません。


片頭痛は血管拡張性の頭痛といわれており、それには自律神経系が関与しています。自律神経系の不調が血管のけいれんや拡張をもたらすんですね。現在では、血管が拡張することで血管周囲の三叉神経が圧迫されて痛みが出ると推測されています。


慢性頭痛で今、多くなっているのは緊張性頭痛でしょう。パソコンやスマホなどを多用することで生じる眼性疲労や、ストレート・ネックなどが原因で起こります。首や頭の周りの筋肉の緊張が関係していて、午後から夕方に頭痛が起こることが多いようです。
最後の群発頭痛はいまだ病態については明らかになっていませんが、男性に多く、毎日決まった時刻に眼の周りから側頭部にかけて短時間の激しい痛みが現れるという特徴があります。


これらの慢性頭痛の病態には重なる部分も多く、境界線を引くのは難しいのですが、多くは自律神経系のアンバランスが要因の一つであることは確かなようです。もし慢性頭痛に悩んでいるようであれば、素人判断せずに専門外来を受診して、自分の頭痛がどれに相当するのかを知ることも大切です」


――日常生活でできる改善策などはありますか?


「日常生活上の対策としては、規則正しい生活、適度な有酸素運動、リラックスできる環境づくりなど、ごくありきたりなものしかありません。現代社会は交感神経が優位になりがちなので、リラックスして副交感神経を優位にする時間をなるべく増やすように努めましょう。


緊張性頭痛なら、ストレッチで筋肉を緩める、ゆっくりと入浴するなどが有効です。姿勢を正すことでも改善がみられますよ。また、パソコンやスマホを操作する時間を減らすのも効果的です。フリッカー(画面上の光のちらつき現象)やブルーライトは眼にダメージを与えるからです。


一方で、片頭痛では入浴は厳禁。血管の拡張が促され、頭痛が増悪してしまいます。赤ワインも同様の理由でよくありません。逆に、血管を収縮させる作用のあるカフェインも、反動で血管を拡張するので、片頭痛を誘発しやすくなります。


現代は、過剰な情報社会です。それに伴うさまざまなストレスをいかに軽減するかを考えたほうがいいですね。私たちが安らぎを覚えるのは本来、人とのふれあいだったりします。でも、今は人と人との間が開きすぎた状態。せめてオフタイムにスマホの電源を切って、のんびりと過ごすことも大切なのではないでしょうか」


Q2:薬が手放せないほどの頭痛は放置すると危険でしょうか? 危険な頭痛の見分け方や薬の飲みすぎによる副作用など、頭痛との上手な付き合い方を教えてください。


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「危険な頭痛とは、前述した頭蓋内に病変があるもので、脳腫瘍やクモ膜下出血、脳炎、髄膜炎など、見逃すと生命に関わるものです。今まで経験したことがない突然の強い頭痛、いつもと様子が異なる頭痛、後頭部から首にかけての強い痛みが起こった場合や、頭痛とともに麻痺、言語障害、ものが見えにくいなどの症状が現れた場合は注意が必要です。


また、脳圧が上がって起きる頭痛の多くは、嘔気・嘔吐を伴い、睡眠後に悪化する傾向があります。脳腫瘍では、寝ることでさらに脳圧が上がり、朝起きたときに頭痛が起こりやすいといわれています。こうした頭痛が起こった場合には、CTによる検査をおすすめします。


痛み止めについては、危険な頭痛には効かないことがほとんどです。質問にある薬が手放せない頭痛の多くは、頭痛薬の使いすぎで起きていることが考えられます。多用することで逆に頭痛が誘発されてしまうんですね。頭痛薬の副作用は頭痛ということです。市販薬も片頭痛の初期や軽い痛みには有効ですが、月に10回以上服用するのは控えましょう。
最悪の場合には、うつ病に発展しかねない病態がありますので、専門医とよく相談することが大切です。


基本的に痛み止めや睡眠薬は神経に作用する薬です。常用すれば体には有害な薬といっていいでしょう。いろいろな頭痛の分類がありますが、慢性頭痛は精神的要因(過度な緊張や精神的な過労!?)も少なくなく、勝手な薬の乱用なども絡み合って、診断や治療に難渋することも多いのが現状です」


――上山先生、ありがとうございました!


今回お話を伺った上山先生も出演する「主治医が見つかる診療所」は、毎週木曜夜7時58分から放送中。
テレ東プラス編集部が発信する、番組レギュラー医師への健康相談コーナー「主治医の小部屋」にも乞うご期待!

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医者や病院の選び方、病気に応じた治療方法…医療に関する様々な疑問に、スタジオに集結した現役医師たちが一挙お答えします。新しいスタイルの“医者を選べる”知的エンターテイメントバラエティ番組です。

放送日時:テレビ東京系列 毎週木曜 夜7時58分

出演者

【司会】草野仁、東野幸治  【アシスタント】森本智子(テレビ東京アナウンサー) 【ゲスト】 上山博康(脳神経外科)

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