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BSジャパン

2018.5.10

村上春樹「羊をめぐる冒険」に登場する名所と風景を訪ねる:旅、貸し出します

「NIKKEI The STYLE 旅、貸し出します」は、一冊の本の中に描かれている風景を訪ねる"本×旅"の紀行番組。一冊の本をとりあげてそこに描かれている風景を訪ね、本をよく知るだけでなく、作者やその土地に思いを馳せ、自分自身を見つめ直すことを提案。日本経済新聞日曜版の紙面「NIKKEI The STYLE」と同じ世界観で、日々仕事などで忙しくしている人々に"新しいオフの過ごし方"を紹介する。


5月12日(土)午後4時(BSジャパン)からは、好評を得た、村上春樹「羊をめぐる冒険」の放送回をお届け。星の印が背中にある羊を探し、何と出会い、何を知るのか...紅葉が美しい北海道の旅。作品のストーリーを追いかけながら北海道の知られざる名所を案内する。


1982年に出版された「羊をめぐる冒険」は、村上春樹が30代前半に書いた長編小説。"鼠三部作""青春三部作"とも呼ばれ、世界各国で人気を得ている。


物語は、主人公"僕"とガール・フレンドによる北海道への旅を中心に展開。その"冒険"のカギを握るのは、主人公の親友・鼠から送られてきた1枚の写真だ。山々を背景に羊たちの群れを写したその写真には、背中に星の印のある羊が紛れ込んでいた。ある人物の依頼を受けた主人公は、ガール・フレンドとともに羊を見つけ出す不可思議な旅へと出発する。



ベンチに座ってトウモロコシにかじりつく


番組が最初にオススメする旅のスポットは、札幌市の倉庫街にあるコーヒーストア「D×M」。作中では、北海道に到着した主人公とガール・フレンドが喫茶店で作戦会議を開くが、その場面の雰囲気を感じながら美味しいコーヒーを楽しめる。この店の売りは無添加にこだわったドーナツで、小麦はもちろん北海道産を使用している。


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続いて紹介するのは、札幌大通り近くにある「ビストロ&バールes」。フランス料理店で修業したシェフの肉料理で評判の店だ。


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物語の中には、羊の手がかりを追いかける主人公が公園のベンチに座ってトウモロコシにかじりつく場面も。これは札幌大通公園の名物で「とうきびワゴン」とも呼ばれている。

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その札幌大通公園の近辺では、書店と見間違えそうな書棚のある喫茶店「ワールドブックカフェ」も人気。旅や世界をテーマにした800冊を超える蔵書を誇っている。


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オシャレなカフェが数多くある札幌で、北海道を代表する名店として知られているのが「森彦」。円山公園近くの閑静な住宅街の中にあり、小さな古民家の外観や店内のアンティークな小物も人気の秘密だ。


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作中、札幌市内で羊について調べ回った主人公とガール・フレンドは、ある手がかりを手に入れる。それは、羊たちを写した写真の場所が「十二滝町」の山奥にある牧場ではないか、という情報。2人は「十二滝町」を目指して北海道の奥へと進んでいく。


「十二滝町」は架空の地名だが、小説の中に出てくる描写などから北海道美深町の仁宇布地区がモデルという説も。"僕"とガール・フレンドが乗っていた電車と思われる、旭川から塩狩峠を北上するルートと、その車窓から見える光景も番組内で紹介する。


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美深町は国内の最低気温マイナス41度を記録したこともある、日本屈指の極寒の町だ。美深駅の駅舎に2013年から設置された「村上春樹文庫」には70冊の著作が収められており、ハルキストの聖地として朗読会やコンサートなどで賑わっている。


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ノスタルジックなトロッコに乗り、手つかずの大自然を満喫


主人公とガール・フレンドは美深駅から東へ走るローカル線に乗り継ぐが、このローカル線のモデルといわれている旧国鉄の美幸線は出版から3年後に廃線となった。


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仁宇布地区は酪農と畑作の農村地帯。仁宇布とはアイヌ語で森林、もしくは木のある川という意味を持つ。山々の間を流れる水流は滝となり、名水百選にも選ばれている「仁宇布十六滝」として知られている。


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「トロッコ王国」
主人公たちが到着した仁宇布駅は、廃線となった現在は観光用のトロッコの駅に生まれ変わっている。往復10キロほどの距離を走るノスタルジックなトロッコに乗ると、手つかずの大自然を味わうことができる。


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美深町の旅で立ち寄りたいスポットの一つが「アートヴィレッジ恩根内」。廃校となった小学校を、地域のモノづくりの発信基地として活用。カフェやギャラリーも併設しており、温もりあふれる薪ストーブも魅力だ。


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もう一つのオススメは60ヘクタールの敷地で500頭の羊を放牧している「松山農場」。のどかな放牧の風景とともに、濃厚なミルクを使ったチーズやソフトクリームも楽しめる。

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小説の中で主人公とガール・フレンドは山の上にある牧場を目指すことになるが、そこで描かれた台地の光景によく似た場所が、仁宇布地区の松山湿原だ。標高およそ800メートルの場所にあり、湿原の下に貯えた豊富な水は「仁宇布十六滝」の水源にもなっている。

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仁宇布地区の唯一の宿「ファームイン・トント」では、建物の目の前にある牧草地で春から秋にかけて羊の放牧を行なっている。村上春樹作品の朗読会や音楽会などのイベントも開催されていて、多くのハルキストが集うことでも知られている。


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最後に紹介する旅のオススメは、馬小屋を再利用した羊毛工房「粗清草堂」。通常は捨てられてしまう余った羊毛を牧場などから譲り受けて、丁寧により合わせてフェルトや毛糸を紡ぎ、セーターや帽子などを作っている。


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ガイドブックではなく、本と共にめぐる北海道の旅。聖地を巡れば自ずと主人公の気分に浸れ、日常からかけ離れた時間を過ごせそう。5月12日(土)午後4時~の再放送を、この機会にお見逃しなく!

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番組で提案するのは「本×旅」。一冊の本をとりあげて、そこに絵がかれている風景を訪ねて、その本をよく知るだけでなく、作者やその土地に思いを馳せ、自分自身を見つめ直すことを提案する旅でもあります。旅を貸し出し、案内するのは俳優の鈴木浩介さん。

放送日時:BSジャパン 5月12日(土) 午後4時

出演者

鈴木浩介

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