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テレ東プラス

2018.9.3

日本を知る地域を考える@神奈川県茅ヶ崎市:濃い野菜!獲れたての魚をその日のうちに!デパートで話題のアイスクリーム...魅力あふれる”茅ヶ崎”の町を散策~後編

日本を知る、地域を考える@茅ヶ崎

日本を知る地域を考える@神奈川県茅ヶ崎市:濃い野菜!獲れたての魚をその日のうちに!デパートで話題のアイスクリーム...魅力あふれる"茅ヶ崎"の町を散策

(前編はこちら)


2018年8月現在242,003人が暮らし、施行時特例市の一つである茅ヶ崎市。都内には電車一本で、市内には国道1号線、国道134号と太いパイプもありアクセス良好。鎌倉、江ノ島らと形成する相模湾沿岸湘南地区を形成する有名なスポットのひとつである。それもあり海のイメージが非常に強いのではないだろうか。しかし、海もあれば里山には緑豊富で畑や田んぼなども数多く存在する。都会でも田舎でもないバランスのいい街、それが茅ヶ崎だ。


地方創生と聞くと地域の何かしらの改革、つまり変化や進化もイメージする。しかし、茅ヶ崎は今をいい意味で楽しむ。変化をそれほど望まない。茅ヶ崎の進化は自分たちで作る。それがローカルファーストの原点である。


みなさんは「ローカルファースト」という言葉をご存知だろうか。


それは生産者、事業者、消費者が一体となって、地域に根差した新しいライフスタイルを生み出す"魔法の言葉"。「テレ東プラス」編集部では、神奈川県・茅ヶ崎市で「ローカルファースト」に取り組んでいる、活気あふれる皆さんにお話を伺った。



農業生産法人 株式会社「大竹農園」


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減農薬栽培にこだわる、 湘南・茅ヶ崎の菜っ葉専門農家「湘南キッズファーマー」。育成プロジェクトに力を入れ、食育・地域活性化にも貢献している。


茅ヶ崎の自然をどうやって保持していくかが、課題です


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大竹孝一さん 農業生産法人 株式会社「大竹農園」


「里山の再生・保全・承継」を提唱している大竹農園さんは、地元の熊澤酒造の酒米も作っている。その代表である大竹さんは、茅ヶ崎の魅力をどこに感じているのだろうか。


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「茅ヶ崎は海のある南の方がクローズアップされがちですが、いろんな要素がギュッと凝縮された町だと感じています。僕が住んでいる北は自然が豊かで、今でもカブトムシがいたり自然や緑が多いです。北と南で生活環境が全く違うのも魅力だと思います」


あえて"里山の再生"に力を入れる理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。


「このままだと農業が廃れていく、隣の畑が荒れていく...。風景が維持できないので、そういうものを地権者と話し合って維持できるようにしています。これ以上荒らすと元に戻すのが大変になってしまいます。今、僕はこの自然をどうやって保全してくのかを考えているところです。市民の皆さんの意識も向けてもらえるように、様々な機会を作っているところなんです」


酒米を作りはどのようなきっかけで始まったのだろう。


「今、酒米を作り始めて4期目です。青年会議所の例会で熊澤(茂吉)さんと隣り合わせた時『酒米を作ってよ!』と言われまして。親父がずっと田んぼをやっていたのですが、年齢のこともあり辞めてしまい "この田んぼをどうにかできないか"と思っていましたので良いタイミングでしたね。とは言え、田んぼが荒れてしまっていたので、初年度の酒米作りは大変でした。今は、知り合いから『お酒飲んだよ』とか『今年はいつできるの?』と聞かれたりするので、嬉しいですね」


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お父様から譲り受けた田んぼを、新たな改革で生まれ変わらせることに成功した大竹さん。今後の展望はあるのだろうか。


「もっと田んぼの面積を増やすことですね。生産者の私たちも手をかけたり、もっと意識を持っていかないと、こういう風景がなくなってしまうと思うので...」



雄三通りスマイルプロジェクト


「雄三通りスマイルプロジェクト」とは、茅ヶ崎駅南口のメイン通りである「雄三通り」が、茅ヶ崎の町全体を盛り上げる取り組みのこと。【交通安全ウォールアート】では、茅ヶ崎で活躍しているキャラクターデザイナー・RYU AMBEが描いたウォールアートが町を彩っている。


漁師さんのためにも、魚はその日のウチに完売させます


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浅見卓也さん 「雄三通りスマイルプロジェクト」代表/「魚卓」代表取締役


茅ヶ崎駅から雄三通りに一歩入ると、鉢植えやスーパーの壁に可愛いイラストが。商店街で鮮魚・青果専門店「魚卓」を営み、雄三通りスマイルプロジェクト(YSP)代表を務める浅見さんに、その趣旨を伺った。


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「この商店街は、茅ヶ崎の中では駅から海まで一直線の道です。訪れた方には、通りにあるアートスポットでインスタ用に写真撮ってもらい、ホッとしていただきたいと思っています。この通りは、普段から交通が激しく、信号も少ない。でもその一方で、通学路にもなっているんですよ。これから人を集めることになると、より安全・安心が重要になってきますよね。ですからこのウォールアートには"交通安全祈願"の意味も込められています」


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稲村ケ崎のタコ、地引網で取れたアジ、獲れたての生シラスなど、地元の魚がいっぱい並ぶそのたたずまいは、思わず顔がほころんでしまうほど。


「今は茅ヶ崎の魚も漁師さんも少なくなってきています。だから魚の値段も崩したくないんですよね。ですから、地元に根付いた僕らが、ある程度の金額で買うようにしています。何よりも小売りが頑張る! スーパーだと、鮮度がいいから"明日売ればいいや!"になってしまいがちですが、うちの店は、毎日売り切るスタイル。夕方は釣り船の魚が並びます。それを夕食用にアジのたたきにしたり、お寿司にしたりするとほぼ完売。余ってしまうと、次の日、漁師さんから魚を買ってあげられなくなってしまうので、売る努力をしています」


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昔ながらのイキな心意気を持つ浅見さん。そんな浅見さんが感じる、茅ヶ崎の魅力はどこにあるのだろう。


浅見さん「茅ヶ崎って人だと思う。商売をやっていても"自分のところだけうまくいけばいいや"と思う人たちじゃないんですよ。他の店の宣伝してくれたり、歩いていると"おはようございます!"ってみんなで声を掛け合ったりするんです。そういうのって、最高じゃないですか?(笑)」


長谷川裕さん 株式会社「プレンティーズ」


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2005年に創業。本店の茅ヶ崎店、辻堂店、新宿小田急百貨店など、3店舗を構えている地元に根差したアイスクリームショップ。オーナーの長谷川さんは、浅見さんらと共にYSPに取り組んでいる。


店内で販売しているアイスクリームは、もちろんすべて手作り。地元のショコラティエ「ル・ショコラBunzoo」とコラボした生チョコレートや、湘南産の摘みたてブルベリーなども販売している。平塚出身の長谷川さんから見た茅ヶ崎の魅力はどこにあるのだろうか。

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「お店を開く時『茅ヶ崎は外の人に対して保守的だよ』と聞きましたが、そんなこと全然なかったです(笑)。オープン当時から、商店街の皆さんやいろんな方がサポートしてくださいました。そんな僕から見ると"茅ヶ崎に住んでいる方は自分の好きなことやっているな、伸び伸びしているな"と感じます。週末も地元で過ごして、消費している感じがしますね」


茅ヶ崎の人々と、積極的にコラボしている長谷川さん。


「アイスなのでコラボしやすいのかなと思っています。地元の人間ではないのでいろんな方と知り合うチャンスがあれば積極的に参加しています。そうした中で農家やお店の方と知り合って、お互いにいい商品を作って、お互いがより広めていく感じです」
そもそも長谷川さんは、「ローカルファースト」という言葉を知っていたのだろうか。


「この言葉を知ったのは、本(ローカルファーストジャーナル/ローカルファースト研究会発行)に紹介していただいた時です。言葉として意識が芽生えました。地元に根付きたいという気持ちが強いので、割とスッと入ってきましたね」


意外なところで、お店が地元に根付いた瞬間を感じているそう。


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「まず、アルバイトの求人を出さなくていいんですよ(笑)。お店を初めて3年目ぐらいから、中学生の職場体験を受け入れるようにしたら、その子たちが高校生になった時『アルバイトさせてください』と言ってきてくれるようになって...。それ以降は、後輩たちへと受け継がれていってますね。僕はアルバイトの子たちのご両親の顔も全員知っています。みんな幼稚園からお店に通ってくれて、子どもたちはあっという間にどんどん大きくなっていく。"うちの店も、子どもたちと一緒に育っているんだな、地域に育てられているだな"と感じます。バイトの子たちには『みんなが君たちの背中を見ているんだからな~』と言っています(笑)。働いている人たちの雰囲気を見て、また入ってきてくれるのは嬉しいですからね。
そんなところが、店にとっても一番大事な部分かなと思っています」


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温かいムードにあふれたアイスクリームショップは、まさに長谷川さんの人柄を象徴しているよう。そんな長谷川さんが、茅ヶ崎で今後チャレンジしたいことは?


「その人の人生に使われるようなお店、世代が変わっても行きたいなと思ってもらうお店になりたいですね。だから1日でも長く続けていきたいです。オープンと同じ誕生日の子がいて、その子とは毎年誕生日会をしていますが、今年13歳になったんですよ。この子と同じくらいウチの店は成長しているのかな...といういいバロメーターになっています」


茅ヶ崎に生きる人たちの絆、熱いメッセージを感じ取ることができた今回の取材。新しい茅ヶ崎、そして茅ヶ崎の新しいライフスタイルは、昔ながらの良さを残しつつも、人々の大きな働きかけによって、日々進化を遂げている。今年の夏は、穏やかで温かい茅ヶ崎の町をぶらり旅してみてはどうだろうか?


「テレ東プラス」編集部では、今後も知られざる日本、また、日本全国で"地方創生"に果敢に取り組んでいる地域や人々を紹介していく予定だ。

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