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2014年4月21日放送 血液や血管の病気を徹底予防 コレステロールの新常識

動脈硬化を始め、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす要因といわれる「コレステロール」。
しかし近年、研究が盛んに行われ、これまでの常識をくつがえす新しい事実が次々と分かってきました。
実は…コレステロール値の高い人だけが血管の病気になる訳ではない?
コレステロールが多い食品を食べても、必ずしもコレステロール値は上がらない?
また、心筋梗塞や脳梗塞の予防に繋がる、食材や運動法もご紹介します!

コレステロール値が基準値内であったにも関わらず、心筋梗塞を起こしてしまった男性
担当医師
岡部医師

心筋梗塞を経験された男性を取材。
すると、コレステロール値と動脈硬化や心筋梗塞との意外な関係が明らかに。

「心筋梗塞」を2年前に発症した男性(55歳)。
2012年3月、仕事中に突然焼ける様な胸の痛みを感じた。
3本ある血管のうち1本は100%詰まっていて、1本が90%詰まっている状態だった。

心筋梗塞などの血液の病気はどの様にして起こるのか
一般的に、コレステロールを含む食品を摂ると、そのコレステロールは小腸から吸収されて、血管に入る。
血液中のコレステロールが多い状態が長く続くと、それらが血管の壁に入り込み、
やがて動脈硬化を起こす事もある。この動脈硬化が進行すると、
心筋梗塞や脳梗塞など、重大な病気を引き起こしてしまう事もある。

一般的な血液検査の項目には…
2つのコレステロールの値がある
善玉と言われる、HDLコレステロール・・・基準値40以上95未満(mg/dl)
悪玉と言われる、LDLコレステロール・・・基準値70以上140未満(mg/dl)
※日本動脈硬化学会による

<スタジオゲストのコレステロール値>
髙田延彦さん
両方とも基準値内
沢田亜矢子さん
両方とも基準値内
松崎しげるさん
LDL悪玉コレステロール値が基準値よりもわずかに高かった。
血液の専門家、岡部医師の解説
大前提として、コレステロールは細胞の膜の原料であったり、ホルモンの材料だったりと体にとって必要な物。
ところが、コレステロールが多過ぎると、動脈硬化の原因になる。
ただ、やや高めの方はたくさんおり、コレステロールの値が高いからといって、
必ずしも動脈硬化になるとは限らない。
あるいは、コレステロールが基準値内にあっても、動脈硬化になる人はいる。
LH比とは?
担当医師
岡部医師
コレステロール値が基準値内にも関わらず、心筋梗塞になってしまったのは何故か?
コレステロール値は異常ではなかったが、LDL悪玉コレステロールとHDL善玉コレステロールの比、
「LH比」に問題があった。
コレステロールの「LH比」とは?
LH比とは、LDL悪玉コレステロール値をHDL善玉コレステロール値で割った数字の事。
2・0以下が基準値で、それ以上は動脈硬化を起こしやすくなり、
2.5以上になると、心筋梗塞などのリスクが急増する。
本当にチェックしなくてはいけないのは、コレステロールそのものの高さではなく、
LDL悪玉コレステロールと、HDL善玉コレステロールの比率
コレステロールは1種類しかない
コレステロールそのものは、悪玉も善玉も同じで1種類しかない。
悪玉コレステロールというのは、主に肝臓で生成され、血管を通じて体全体に運ばれるコレステロールの事。
運ばれたコレステロールは、細胞やホルモンの材料となる重要な役割を持っている。
一方、善玉コレステロールは細胞やホルモンの材料に使われずに、肝臓に戻って行くコレステロールの事。
役割の違いによって、善玉、悪玉と呼ばれている。
LH比はLDL悪玉コレステロール値をHDLコレステロール値で割った数値。
2を超えてくると、動脈硬化のリスクが高くなる
LH比=LDL悪玉コレステロール
    HDL善玉コレステロール
2.0以下が基準値。2.0以上は動脈硬化のリスク増加。2.5以上は心筋梗塞などのリスク増加。
<岡部医師>
LH比は、最近注目されてきた値。LDL悪玉コレステロールが基準値範囲内でも、
心筋梗塞を起こす人がいるという事でこれが注目を浴びてきている。
血液検査表には、LH比が載っている所が多いが、
LH比が載っていない病院もある。
ゲストのLHを公開!
担当医師
岡部医師
ゲストのLH比を公開!
髙田延彦さん 1.9
沢田亜矢子さん 1.9
松崎しげるさん 3.2
<岡部医師>
松崎さんは、すでに動脈硬化が始まっている可能性がある。
動脈硬化の精密検査を受けると良い。
総コレステロール値
一般的な血液検査には、通常、総コレステロール値という項目がある。
総コレステロール値は、一般的にLDL悪玉コレステロール+HDL善玉コレステロール+(中性脂肪×0.2)
で計算される。これは、体全体の血中コレステロールのおよその量を表す数字。
一般的に、コレステロール値が高いという場合、この値を言う事が多い。
基準値は、140以上220未満(mg/dl)。※日本動脈硬化学会より
<上山医師>
コレステロールは、低いほど良いのではないかと思われている節があるが、低すぎてもいけない。
薬で数値だけ下げすぎてしまうと、脳出血の可能性が上がる。
<姫野医師>
低コレステロールは、骨粗しょう症になりやすいというデータもある。
コレステロール値だけで見ないで、LH比を見ていくのは大切。
<新見医師>
総コレステロールが220より上で、体に問題がない人もいる。
そういう方も、LH比は参考にすると良い。
●コレステロールの新常識(1)
LH比が高い人が心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい。
草野ポイント(1)
血管の病気を予防する上で、気を付けなくてはいけないのは、
コレステロール値の高さよりもLH比の高さ。
このLH比を2以下にする事で、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを下げる事ができる。
コレステロールを多く摂っても、悪玉コレステロール値は上がらない?
担当医師
岡部医師

LH比が基準値である2以下を超えている場合、2以下にするには…
(1) LDL悪玉コレステロールを減らす
(2) HDL善玉コレステロールを増やす

コレステロールを多く含む食品(一部)
卵黄 1400mg(食材100g中)
イクラ 480mg(食材100g中)
鶏のレバー(生)370mg(食材100g中)
スルメ 980mg(食材100g中)
※日本食品標準成分表2010より
<コレステロールを多く含む食品>※厚生労働省HPより抜粋
・マヨネーズ ・魚卵 ・卵(全卵)
・レバー ・イカ ・タコ

⇒こうしたコレステロールを多く含む食品をたくさん摂ると、
 必ずLDL悪玉コレステロール値が上がってしまうという一般常識は、実は間違いであった。

体の中にある悪玉コレステロールの内、およそ7~8割は肝臓で生成されるもの。
食事から吸収されるコレステロールは、残りの2~3割。
コレステロールの多い食品を摂取しても、悪玉コレステロール値に影響するのは、2~3割だけ。

また、日本人の半分以上が、
コレステロールを含む食品を摂ったとしても、悪玉コレステロール値は上がらないとの報告もある。

逆に気を付けるべきなのは、コレステロールを含んでいなくても、
肝臓で悪玉コレステロールを生成するのを促進してしまう食品。
それが、「飽和脂肪酸」。

飽和脂肪酸とは・・・
一般的に溶ける温度が高く、常温では固体の脂の事。
摂りすぎると、動脈硬化を起こしやすくなると言われており、
肝臓で作り出されるコレステロールの材料になっている。
<飽和脂肪酸を含み、コレステロール値を上げる食品>※厚生労働省HPより抜粋
・脂の多い肉 ・チョコレート ・卵黄 ・即席麺
・ポテトチップ ・バターやチーズなどの乳脂肪分 ・これらの加工品
⇒これらの食品を多く摂ると、コレステロールを含む食品を摂るよりも、
 LDL悪玉コレステロール値が上がりやすい。
<丁医師>
植物性の脂肪の中にも飽和脂肪酸はたくさんある。植物だから安心という事はない。
<南雲医師>
室温で固まるのが飽和脂肪酸。室温で固まりにくいのが不飽和脂肪酸。
魚のオイルであるEPAやDHAなどは不飽和脂肪酸で固まらないオイル。
植物のオイルも固まらない。
●コレステロールの新常識(2)
飽和脂肪酸を多く含む食品をたくさん摂ると、LDL悪玉コレステロール値が上がりやすい。
草野ポイント(2)
コレステロールを多く含む食品をたくさん食べたからと言って、
全ての人のコレステロール値が上がる訳ではない。
それよりも飽和脂肪酸を含む食品の摂取に気をつける事の方が大切である
LH比を改善!悪玉コレステロールを減らす食事
担当医師
岡部医師

悪玉コレステロールを簡単に効果的に減らす事ができる食事がある。

岡部医師が主催する食事会を取材
●メニューのポイント
モズク
モズクのヌルヌル成分はアルギン酸という食物繊維の一種。
アルギン酸は、腸の中でコレステロールが吸収されるのを抑える働きがある。
アルギン酸は海藻類に多く含まれ、昆布やヒジキ、ワカメなどでも同様の効果が期待できる。
ブロッコリー
ブロッコリーに含まれる天然アミノ酸、SMCSは悪玉コレステロールを分解して排出する、
酵素の働きを促すと言われている。
キャベツにもSMCSは多く含まれている。
悪玉コレステロールを減らす食品
●豆腐や納豆などの大豆製品
大豆に含まれるサポニンには、悪玉コレステロールを分解する働きがあると言われている。
●イワシやアジなどの青魚
青魚に含まれる不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らす働きがあると言われている。
<コレステロール値を下げる食品>※厚生労働省HPより抜粋
・大豆製品 ・野菜
・海藻類 ・青魚
LH比を改善!善玉コレステロールを増やす運動
担当医師
岡部医師

ある運動法を実践し、善玉コレステロールが増えたという方たちを取材。
※長野県・松本市

HDL善玉コレステロールが上がる運動とは?
インターバル速歩
インターバル速歩とは、ややきつい早歩きで3分間。
その後、ゆっくりで3分間歩き、疲労を回復。これで1セット。
これを1日に5セット、1週間に4日行えば効果があると言われている。
●どうして、インターバル速歩で善玉コレステロールが増えるのか?
考案者・能勢博(のせ ひろし)信州大学教授によると…
早歩きをすると、有酸素運動になり肝臓での脂肪の代謝が上がると共に、
善玉コレステロールの生成も活発になり、その量が増える。
インターバル速歩で大事なのは、早歩き
ずっと早歩きでも良いが、疲れてしまう為、ゆっくり歩きと交互に行っている。
能勢教授によれば・・
1週間当たりの速歩の時間が、60分以上になれば効果が表れてくる
速歩は分けて行っても良い。

例えば・・・
通勤時に3分間早歩き、帰り道に3分間早歩きという方法でも大丈夫。
1週間で早歩きの合計が60分になれば良い。
●インターバル速歩 早歩きの際のポイント
ポイント(1)
腕を強く振り、足を大きく踏み出す
ポイント(2)
かかとから地面に着ける
⇒かかとから地面に着けて早歩きをすると、ふくらはぎに刺激を与え、血行が良くなる
<岡部医師>
マラソン選手はHDL善玉コレステロール値が高い人が多い。
<姫野医師>
糖質を減らすと、ほとんどの人はHDL善玉コレステロールが上がってくる。
糖質を摂らないでいると、肝臓に負担がかからないので、HDLの合成が進んでいく。
さらにLDLも下がっていくので、LH比は改善していく。
<秋津医師>
少量のアルコールを摂る人と、一切お酒を摂らない人を比較すると、
少量のアルコールを摂った人の方が、善玉コレステロールが増えると言われている。
善玉コレステロールを増やすと言われる飲酒量(1日)は、
日本酒なら0.7合以下、ビールなら中ジョッキ1杯以下、ワインならグラス1杯以下。
草野ポイント(3)
LH比を下げて、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐ為には、モズクやブロッコリーなどを食事に取り入れて、
悪玉コレステロールを下げる方法と、
有酸素運動で善玉コレステロールを上げる方法の2つがある。
どちらも普段から少しずつ行う事がとても大切である。
<岡部医師>
LH比というのは、動脈硬化に対して大変重要な指標。
ただし、動脈硬化を進めるのは、他にもタバコや糖尿病、高血圧など色々ある。
LH比さえ下げれば健康になるという訳ではないので注意。

MC 草野仁、東野幸治
アシスタント 森本智子(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト 沢田亜矢子、髙田延彦、松崎しげる(五十音順)
医師 秋津壽男(あきつ としお)    秋津医院 院長/内科
上山博康(かみやま ひろやす)  禎心会病院 脳疾患研究所 所長/脳神経外科
丁宗鐵 (てい むねてつ)    日本薬科大学 学長・百済診療所 院長/漢方
南雲吉則(なぐも よしのり)   ナグモクリニック 総院長/乳腺外科・形成外科
新見正則(にいみ まさのり)   帝京大学医学部附属病院 准教授/外科・漢方
姫野友美(ひめの ともみ)    ひめのともみクリニック 院長/心療内科
岡部正(おかべ ただし)     岡部クリニック 院長/内分泌内科 
《VTR出演医師》
澤登雅一(さわのぼり まさかず) 三番町ごきげんクリニック 院長/内科
《VTR出演博士》
能勢博 (のせ ひろし)     信州大学大学院 教授/運動生理学
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