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2017.12.27

驚異のスピードで進化する張本智和 久々に飛び出した"ハリバウアー"の理由

張本智和 Photo:Itaru Chiba

 生まれ故郷の仙台で見事、「世界卓球2018スウェーデン(団体)」日本代表入りを果たした張本智和(JOCエリートアカデミー)は、今年の締めくくりに大きな勝利を手にして、「有終の美を飾ることができて良かった」と自身を評した。

 決勝では大島祐哉(木下グループ)との対決を制し、張本の代名詞にもなっている「ハリバウアー」が久々に飛び出した。ビッグポイントを決めた時、上半身をのけぞらせ喜びをあらわにする独特のポーズだ。とりわけマッチポイントで得意のチキータレシーブを放ち、大島からノータッチエースを奪った勝利の瞬間、膝が床につくほど、ど派手なハリバウアーを披露したのが印象的だった。

卓球・男子 最新世界ランク

 本人の記憶によれば、前回ハリバウアーをしたのは「去年のジャパンオープン(2016年6月)以来」とのことだが、実はその後、男子シングルスで史上最年少優勝した12月の世界ジュニア選手権ケープタウン大会でも見せている。驚異的なスピードで成長を遂げる張本にとって、1年前の出来事も記憶が霞んでしまうほど昔のことなのかもしれない。

握手を交わしお互いの健闘を讃える張本と大島 Photo:Itaru Chiba


フォアハンドの強化が自信と余裕に

 技術面では、フォアハンドでもどんどん攻めていけるようになったことで攻撃力が上がったという。これに関して男子日本代表の倉嶋洋介監督は、「バックハンドはもともと天才的だが、フォアハンドはフィジカルを鍛えて足が動くようになったことで、フォアに振られても体勢を崩さず力強いボールを打てるようになった」と説明。張本も「以前はブロックで返していたボールをカウンターやドライブで返せるようになり、余裕が出てきたのが一番大きい」と話している。

 しかし、まだ決定力不足は否めず、「フォアハンドの強化は長期的な課題」と倉嶋監督。確かに今回の最終選考会でも、決勝で大島に取られた第2ゲームにフォア側を狙われポイントされるシーンが何度かあった。張本は「大島さんは、ぼくのプレーをわかっているので、2ゲーム目を取られた時は『ヤバイな』と思った」と胸中を明かしており、「2ゲーム目を取られて心が折れそうになった」という張本の追い詰められた心境は、ここに原因があったことがわかる。

【動画】日本代表最終選考会 男子決勝 大島祐哉vs張本智和

 これほどまでに感情を爆発させた背景には、世界卓球の代表の座を自力で掴み取った喜びがあったようだ。思えば昨年の世界卓球2017ドイツ(個人)の選考会に敗れた張本は、日本卓球協会本部推薦によって世界卓球に出場した経緯がある。

 これは2020年東京五輪を含む日本卓球界の将来を見据えたの判断だった。そのことが本人には引っかかっていたようで、「(成績からいって)『何で張本なんだ?』と思われた方もいたと思うんですけど、これで本当に自分の力で代表枠が取れて最高です」と本音を吐露。そんな大きなプレッシャーを抱えながら世界卓球の本番に臨み、シングルス2 回戦で、日本のエースでリオ五輪男子シングルス銅メダリストの水谷隼(木下グループ)を破った当時13歳の張本に改めてメンタルの強さを見る思いがした。

 世界卓球2018スウェーデンの男子代表は、日本卓球協会が定める選考基準によって現在、世界ランク日本人1位の水谷、2017年シーズンの主要国際大会で世界ランク3位以内の中国人選手に1回以上勝った丹羽孝希(スヴェンソン)、そして今回の代表最終選考回で優勝した張本が内定している。残りはあと2枠。1人は年明けに控えた全日本選手権(2018年1月15~21日)の優勝者、もう1人は2017年の主要国際大会で世界ランク30位以内の日本人に6回以上勝った選手の中から選ばれる。なお該当選手がいない場合には日本卓球協会本部推薦となる。引き続き熾烈な代表争いから目が離せない。

(文=高樹ミナ)

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