匠の肖像 匠の肖像

#72 文化財修理技術者 田畔徳一(たぐろ・とくいち)

#72 文化財修理技術者 田畔徳一

2007/8/17放送

田畔徳一プロフィール

1942年 東京生まれ
国宝修理装こう師連名副理事長・九州支部長
1962年より文化財修理にかかわる


「作品が修理者の先生」

福岡県の緑豊かな太宰府にある九州国立博物館。展示される歴史資料や美術品を修理しているのが今回の匠、文化財修理技術者の田畔徳一さんです。

紙や布を素材とする文化財の敵は、日本特有の気候。
「要するに、温度湿度の変化が激しいので、それは物をいためる一番の元凶ですよね。日本はかなり厳しい環境です。修理を繰り返して伝わってきた文化財、これからもそういう形で伝えていく、一番やらなきゃいけないのは、次の修理まで無事に伝えること、いためないことですね。粒子一つも動かしたらあかん、落としたらあかんっていう厳しい世界。」

繊細な作業に、最先端の技術は欠かせない。医療用の顕微鏡で傷み具合を調べます。その姿はまるで“文化財のお医者様”。古文書の穴を、欠けた部分だけ紙を漉いてパスルのようにはめて補修する、新たな修理法も考案しました。
「作品は、われわれ技術者の先生です。その作品が、痛いところかゆいところを教えてくれる、それにどう気づくか、それを後進に少しでも教えたい。」

バックナンバー一覧


up