言動があまりに弱々しくて情けない、ヘタレ男子、稔を演じるのは、07年、『バッテリー』の主演で鮮烈の映画デビューを飾り、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、第81回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞、08年の主演作『ダイブ!!』の好演も記憶に新しい林遣都。優等生で美少女のほまれ高いが、実はケンカが特技。たとえ大男が相手でもひるむことなく、正面からケンカを挑む“闘うヒロイン”亜紀を演じるのは、映画初主演作『幸福な食卓』で第31回日本アカデミー賞と第29回ヨコハマ映画祭の新人賞を獲得し、ドラマ『ライフ』(CX)でも注目を集めた北乃きい。映画界が期待する若き実力派の2人が、W主演を飾り、才能の火花を散らし合う。そして、稔と亜紀たちを見守り、ボクシングを教える元日本チャンピオンの大木を演じるのは、映画『解夏』、『Life 天国で君に逢えたら』、『築地魚河岸三代目』など、話題作で主演を務め、日本映画界になくてはならない存在である大沢たかお。今回、大沢は、脚本に惚れ込み、「この作品を世に出したい。若い世代を育てたい」という熱い思いから、プロデュースも兼任した。これは、彼にとって初の試みとなる。ほか、大木と再会する元恋人で売れない女優をしっとりと演じる桜井幸子を筆頭に、波岡一喜(『パッチギ!』)、藤村聖子(『天然コケッコー』)、鳥羽潤(『死に花』)ら注目のキャストが出演している。
成島監督が今回こだわったのは、リアルで説得力のあるボクシングシーン。それに応えるため、林、北乃、大沢の3人は、撮影前から撮影中に至るまで元日本チャンピオン、田端信之の指導を受けて練習を積み、スパーリングのシーンからガチンコのファイトシーンまで、すべて吹き替えは一切なしで挑んだ。また波岡や鳥羽といったボクシング経験のあるキャストに加え、08年5月18日にIFBA世界バンダム級王者となった女子プロボクサー、ツナミも出演。結果、生身の迫力と熱気あふれるボクシングシーンが完成し、本格派のボクシング映画としても見応えがある作品となった。