みなさん、さようなら
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みなさん、さようなら

4月 シネスイッチ銀座他にてロードショー

2003年カンヌ国際映画祭 
最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞 受賞

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偏屈パパの素晴らしき人生


 あなたはどんな最期のひと時を過ごしたいですか。周りに悪態をついてでも、最期まで自分の人生を謳歌したいと思いますか。
女と書物とワインを愛した偏屈パパ、レミの人生の終幕をみつめた『みなさん、さようなら』は、2003年のカンヌ映画祭を涙と笑いに包み、いちばん長く熱狂的な拍手で迎えられた話題作。そして、同映画祭の脚本賞と主演女優賞に輝いたのちも、世界各国で数々の賞を受賞し続けている期待の作品だ。

「贅沢な病院は主義に反する」と、廊下にまでベッドがひしめく公立病院に入院した主人公のレミ。大学で歴史学を教えていた彼は、証券ディーラーの息子、セバスチャンを「1冊の本さえ読まない最低の人間」とののしる破天荒な享楽的社会主義者だ。息子の思いがけない愛情と、それにもまして温かい友情という精神的なモルヒネを受けたレミは、相変わらずの毒舌を吐きながらも、自分に残された最期の日々を楽しもうとする。病室で開かれる大宴会で、あるいは星空の下で焚き火を囲みながら、互いにたいしたことのないバカな人生だった笑いあうレミと友人たち。そこに、太平洋を航海中のレミの娘からビデオ・メールが送られてくる……。

主人公のレミには、ドゥニ・アルカン監督作品の常連で、『モンオリオールのジーザス』(‘89)でジェニー賞の助演男優賞を受賞したレミ・ジラール。死を宣告されながらも、なお人生を謳歌する素晴らしいレミ役を演じた。その息子セバスチャンには、コメディアンとしてフェリックス賞などの栄誉ある賞を受賞、カナダ国内で「お笑い界のブラッド・ピット」と呼ばれる人気を誇るステファン・ルソー。また、レミとの触れ合いを通じて人生の価値にめざめていくヤク中娘のナタリーには、『渦』(’00)のヒロインとして脚光を浴びたマリー=ジョゼ・クローズが扮し、本作で見事にカンヌ映画祭の主演女優賞に輝いた。

監督・脚本は、『アメリカ帝国の滅亡』でカンヌ映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞し、『モントリオールのジーザス』でも同映画祭の審査員賞を受賞、アカデミー賞外国語映画賞にも二度ノミネートされているドゥニ・アルカン。登場人物に温かなまなざしを注ぎながら、辛口のユーモアで20世紀の歴史を総括していくドラマの語り口に、カナダを代表する巨匠の腕前を存分に発揮している。

「私は生まれたときから情けない男だった」と語るレミと正反対の人生を選んだセバスチャンはどのように本当の彼を知っていくのか。父と息子、娘、友人たち。20世紀後半に青春を過ごし、21世紀を迎えた今、“9.11”を記憶して逝くレミのパワフルで愛しい人生に、私たちは希望と涙と優しさを覚えずにはいられない。それはまるで私たちの父への想いと重なり、その素晴らしき人生に拍手を送りたくなるだろう。


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