金髪の草原
 
「 僕の夢ではこういうよい気分の時窓辺で念じると、
黄金色の光を受けた金髪の草原に汽船が到着するんです」

 
日暮里 歩という80歳の老人がいる。
彼の人生の大半は心臓病という不幸の中にあった。


 ある朝彼は、その不幸を自分の記憶から消し去り、病気に冒される前の20歳の元気な青年として目を覚ます。しかし当然彼の体は思うように動かない。周りの風景も随分と見慣れないものに変わってしまっていた。そこで彼はこの現実を、20歳の自分が見ている夢だと思い込んでしまう。
 そんな日暮里のもとに、まだ18歳の新任のホーム・ヘルパー、古代なりすがやってくる。彼女の姿は日暮里が学生の頃、密かに想いを抱いてたマドンナにそっくりだった。彼は、なりすをマドンナ本人だと思い込んでしまう。「マドンナが毎日僕の家に来てくれる。何てすばらしい夢なんだろう」
 一方なりすは今、うまくいかない片想いの恋の中にあった。痛みを抱えた現実の中で生きているのだ。一軒の古い屋敷の中で、現実を夢だと思い込む老人と、恋という現実に悩む少女の奇妙な生活が始まった。しかし、日暮里は徐々に現実とのずれに気付いていく・・・。

 
  少女マンガ界の巨匠、大島弓子原作

老人と少女のシュールでイノセントな
恋物語年齢差60の2人の恋の行方は?

原作は、「綿の国星」など数多くの作品で多方面のクリエイターに支持されている少女マンガ界の巨匠、大島弓子。大島ワールドの1ファンである、監督犬童一心が、映画化を切望し実現させた作品、それが『金髪の草原』である。心臓病を患う80歳の日暮里は、ある朝20歳の青年として目を覚ました。目の前にある現実を夢だと信じ、新任ヘルパーとして現れた18歳の少女なりすを青春時代のマドンナだと思い込み、恋に落ちる。幸福な青春という夢、痛みを抱えた青春という現実。2人の恋は、相反する夢と現実のせめぎ合いの中でどんな結末をむかえるのか。
       
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