12月11日(水)放送
童門冬二
作家

1927年東京生まれ。44年海軍土浦航空隊に入隊し特攻隊に志願するが翌年終戦。戦後、東京都庁に勤務。知事秘書、企画調整局長、政策室長などを歴任。60年「暗い川が手を叩く」で第43回芥川賞候補となる。79年美濃部亮吉都知事の引退とともに都庁を去り、50歳を過ぎて作家活動に専念。数々の歴史小説で知られる。主な著作に「小説 上杉鷹山」「小説 西郷隆盛」「二宮尊徳の経営学」「人生を励ます 太宰治の言葉」「戦国武将に学ぶ『危機対応学』」など。

津軽
津軽
太宰治 著
(新潮文庫など)

詳しくはこちら 詳しくはこちら

太平洋戦争のときに特攻隊に志願したという童門さん。終戦後、生きて戻ると世間は打って変わって冷ややかでした。「まだ17歳ですから、心に響いて...ちょっとぐれました」

そんな童門さんの心を捉えたのが太宰治の小説。「本を開くと活字が飛びかかってくるように感じた」「フレッシュで魂に響いた」といいます。

数ある太宰の小説の中でも一番お薦めなのが「津軽」。暗い小説が多い太宰ですが、「津軽」には太宰の明るく優しい側面が表れているとか。中でも童門さんが好きなのは、太宰が乳母のタケに久々に会うシーンです。

「はじめに会ったときは冷たくあしらわれたが、それは上っ面で、深層はタケも太宰のことを考えている。再会できたことで、太宰が今まで経てきた嵐のような経験が、やっと安住できて、落ち着きを得ることができる。すべてが救われる。そこが好き」

母代りだったタケとの静かで劇的な再会を経て、「津軽」の最後の有名な太宰のセリフ。 『元気で行こう。絶望するな。では、失敬。』

「太宰が言いたかったのはこの言葉でしょう」「ただ、これを理解するには始めから読まないと」

小説「津軽」はどういう人に薦めたいですか。

「世間のものさしの価値観に圧倒され悩んでいる人、誠実がゆえに苦しんで悩んでいる人に読んでほしい」

童門さんの都内の仕事部屋にてロングインタビュー(ウェブ限定)

関連書籍

50歳からの勉強法


50歳からの勉強法
童門 冬二 著
(サンマーク出版)

詳しくはこちら 詳しくはこちら


現在86歳の童門さんが本格的な作家活動を始めたのは、都庁をやめた51歳から。ベストセラー「小説 上杉鷹山」を書いたのは56歳のとき。そんな経験から書いた最新刊が「50歳からの勉強法」です。なぜ「50歳から」なのでしょうか。

「50歳から別の分野でチャレンジして新しく勉強しなさいと言っているのではありません。一人一人が人生前半の49年を振り返りなさい、仕事の忙しさで通り過ぎたことがたくさんあるでしょ、と」

「もう一度振り返ってみれば、自分の経験の中にテキストがあるはず。自分に学びなさい、と言いたいのです」


日銀総裁会見

PICK UP NEWS