「この世界の片隅に」、お蔵入りしていたかも...監督が語る大ヒットアニメ映画誕生秘話

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 戦時中の広島を舞台に、1人の女性の姿を通じて庶民の生活と戦争を描いたアニメ映画「この世界の片隅に」。2016年11月に小規模で公開されてから口コミで話題が広がり大ヒット、日本アカデミー賞アニメーション優秀作品賞など数多くの賞を次々と受賞している。しかし実は、作品自体が成立せずお蔵入りの可能性もあったという。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト(WBS)」のインタビューで片渕須直監督が、映画の制作から大ヒットに至る舞台裏を語った。聞き手はWBSの大江麻理子キャスター。

■「クラウドファンディングがなければ終わっていた」

「この世界の片隅に」は、インターネットを通じて少額の資金を募るクラウドファンディングで制作費の一部をまかなったことでも話題になった。「もしクラウドファンディングがなかったら」という大江キャスターの問いに、片渕氏は「この映画に関してはたぶん作り始められず、そこで終わっていたんじゃないかと思う」と答えた。

 実際、制作費集めは楽ではなかったようだ。脚本や絵コンテを見せて企業に出資を打診したところ「映画としては面白く良いものができるのだろうが、客が来るかどうかは未知数だ」と言われたという。そこで片渕氏は「それなら客自身に問うてみればいい。クラウドファンディングという形でそれができれば」と考えた。「(クラウドファンディングで)出資してもらうことよりも、これだけ(多く)の方々が応援してくれていることが自分たちにとって手応えになった。確実に客になってくれる人があらかじめいることが分かって、企業出資者も動いて映画を作り始めることができるようになった」(片渕氏)。

 逆にいえば「そういう裏付けがないと、『映画が面白いだろう』というだけではおカネが動かないことも間違いなかった。客が来るかどうかと、映画が面白いかどうかがダイレクトに結びつかない関係になってしまっている」(片渕氏)のが映画市場の現状とも言える。

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■多くの観客を映画館に呼んだSNSの威力

 SNSの存在も、観客動員に大きく貢献したという。「映画を見て何かを感じた人が他の方々に発信してくれる」(片渕氏)ことが、SNSの魅力。「できるだけ多くの試写会をやることで、たくさんの人に『こういう映画が存在しているが、どういう風に見ていただけるか』ということを数多く試した」。試写会を見た観客がSNSで情報を拡散、さらに有識者もメディアを通じて情報を発信したことが「たくさんの客を映画館に招いた」(片渕氏)。こうして人気が加速度的に広がっていったのだ。

 SNSの力を「常に感じている」という片渕氏。「SNSだと、世間がすごく近くなる感じがする。世の中が自分の周りに集まってくるというか、こちらが何か言葉を投げかけるとたくさんの方々が一斉に受け取ってくれるのは非常にありがたい」。

 ネットを通じて多くの人々が結び付く、クラウドファンディングやSNS。それらがなければ「この世界の片隅に」は、ヒットどころか作品自体が存在すらしなかったのかもしれない。

※片渕須直監督の独占インタビューを「テレビ東京ビジネスオンデマンド」で配信中。放送で伝えきれなかった未公開部分を含むロングバージョンでお届けします。(視聴には有料会員登録が必要です)

http://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbssp/vod/post_125062/

テレビ東京ビジネスオンデマンド
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「ワールドビジネスサテライト」公式HP
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