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2012年8月20日放送

世界に羽ばたく!ニッポンの技術② 復活"日の丸"ジェット!

沸騰現場の経済学

常に変化・進化を続ける世界経済。「未来世紀ジパング」取材団は、変化の起きている“沸騰する現場”に直撃取材!日本ビジネスマンが見たことのない世界の今をレポートする。
そして、スタジオでは遠くに思える世界の現場と日本の繋がり、さらには日本の未来にどう影響があるのかを分かりやすく、かつ専門的に解説。

世界に羽ばたく!ニッポンの技術② 復活

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 まだまだ強みを持ち、世界に挑む日本の技術を特集するシリーズの第2弾。今回は、50年ぶりの悲願となる国産ジェット旅客機の復活を取り上げる。
 YS-11以来の国産ジェットとなるのが、「MRJ(=三菱リージョナルジェット)」。三菱重工グループが総力を上げて開発するジェット旅客機だ。2015年の就航を目指している。機体は、座席数70~90席と小柄だが、これは、航空産業の成長市場とされる「リージョナルジェット機市場」をターゲットとしている。取材班は、名古屋のかつて"ゼロ戦"が製造された建物の中で極秘に進む、MRJ開発の現場に入り、100分の1ミリにこだわり「燃費の良い」ジェット機づくりに情熱を傾ける技術者たちを取材した。
 そして、いかにしてこの国産ジェットを売っていくのか。その最前線、受注合戦の沸騰現場が、ロンドン郊外で開催された「ファンボロー航空ショー」だ。ボーイングやエアバスといった巨大メーカーに混じって、売込みを図るMRJ勢。これまで受注では苦戦を続けてきたが、ビッグニュースが舞い込んだ!

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放送内容詳細

ゼロ戦、YS-11の伝統息づく 悲願の“日の丸ジェット・MRJ”

 三菱航空機は、2013年にテスト飛行、2015年の量産初号機納入を目指す。MRJの機体は、第二次大戦の緒戦で活躍した「ゼロ戦」を設計していた建物で、いま設計されている。最新の設計技術で主翼を薄くして軽量化を図り、空気抵抗を減らした。また、主翼の先端は空気抵抗を少なくするため、「ウィングレット」と呼ばれる独特の“反り”のある形状になっている。こうして、従来の同型ジェット機より20%以上の燃費性能を目指している。製造現場では、ビス一本の打ち方にも100分の1ミリの精度が求められる。日本のモノづくりの真骨頂だ。

飛行機の祭典、その裏で沸騰する航空機ビジネス

 開発費が莫大にかかる航空機製造、MRJは1機34億円で、採算ラインは300~400機と見られている。これから有望なリージョナルジェット機市場だが、取材時は、MRJはまだ130機の受注しか獲得していなかった。ライバルは、すでにこの市場を独占する2強。カナダのボンバルディアと、ブラジルのエンブラエル。リージョナル機の50%が飛ぶ大市場で売り込みをはかる。そのアメリカで、いち早く100機を購入した航空会社があった。「トランス・ステイツ・ホールディングズ(TSH)」。社長のリチャード・リーチ氏は、「燃費効率と快適性が抜群に優れたMRJを導入することで、他社との厳しい競争に勝ち抜ける」と語る。しかし、まだ実績のない新型機を100機も購入するリスクも高い。リーチ氏を決断させたのは、米国MRJの営業マンたちが地道に積み上げてきた信頼関係だった。
 そして7月、航空機ビジネスの最大の機会がやってきた。ロンドン郊外で開かれるファンボロー国際航空ショー。その舞台裏で、ボーイング、エアバスをはじめとした世界の名立たる航空機メーカーが、最新鋭機の受注合戦を繰り広げる。まだ実機を持たないMRJも、実物大の座席模型を持ち込んで、世界の航空会社にアピールした。各社の大々的な受注発表が繰り広げられるなか、苦戦していたMRJも、緊急会見を開いた。そこで、江川社長の口から飛び出したのは、100機の大型受注を果たしたという知らせだった。

NAVIGATOR

前間孝則(ノンフィクション作家・元航空エンジニア)

石川島播磨重工業の航空宇宙事業本部でジェットエンジンの設計に20年間従事。退社後はジャーナリストとしてYS-11やMRJなど航空分野をはじめ戦後日本の技術史・技術者のノンフィクションを多数発表。主な著書に『なぜ、日本は50年間も旅客機をつくれなかったのか』(大和書房)『飛翔への挑戦 国産航空機開発に賭ける技術者たち』(新潮社)。

【WEB限定】未来世紀ジパング 特別編

未来予測

名古屋は世界3大航空拠点に!

 世界の2大航空拠点といえば、ボーイングのシアトル(米)、エアバスのトゥールーズ(仏)。シアトルには、“世界最大の建築物”(容積)とギネスブックに認定された航空機組み立て工場があり、トゥールーズでは世界最大の旅客機A380などが組み立てられている。その周囲には、部品メーカーや素材メーカーなどが集まり、一大航空集積地を形成しているのが特徴。トゥールーズでは、市民の4人に1人が航空宇宙産業に従事し、莫大な雇用を生み出している。
 一方、名古屋を中心とした地域には、MRJを開発する三菱重工グループのほか、川崎重工、富士重工があり、日本の航空機産業の主要生産工場や関連下請けメーカーの多くが集まっている。現状、このエリアでボーイング787の製造の35%担っているが、さらに、MRJの生産が開始されると、開発に関わる比率は増加し、メーカーも力を入れていく。MRJの構成部品数は、自動車の3万点よりもはるかに多く、95万点に及ぶ。MRJを頂点とした関連産業のすそ野は航空機部品に留まらず、さまざまな分野に広がる可能性を秘めている。また名古屋はトヨタ自動車の城下町であり、安価で大量生産をする自動車の技術は航空機技術よりも進んでいる。その自動車産業と航空機産業に融合または相乗効果を及ぼせば、名古屋の条件は、少なくともブラジルや、カナダなどを上回っている。

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