−−ヘルガと最初に出会った時の印象は?
「最初に出会ったのは、オーディションの時。絵と台詞だけで、ヘルガの境遇を何も知らずに“こうかな”という感じでやったんです。絵を見て“暗いのかなあ? なにか辛いことがあったのかな”とは思ったのですが…。ヘルガ役に決まってから、この作品についてよく知り“最初、思っていたのと違うなあ”と…。もっと軽い感じかと思ったら、すごく壮大なお話で。ヘルガ自身もいろんなものを背負っている子だったので、びっくりしました」
−−どんな子なのか、河原木さんのお言葉で紹介していただけますか?
「はい。ヘルガはほとんどしゃべらないんです。何を言われても反応しない。“引きこもりなのかな〜”と思ったくらい(笑)。でもヘルガには、なぜかいつも浮かんでくる風景のイメージがあって、それが気になって仕方ないんですね。その風景の場所に行けば、何かわかるかもしれないと思い込んでいる。迷いの中にいるけれど、目的がはっきりしていて、ある種、頑固な子です。はかなげに見えるけれど芯がしっかりしていて、強い子なんでしょうね」
−−無口だけれど、強い意志を感じさせる顔をしていますよね。演じる上で、何か工夫してらっしゃることはありますか?
「ヘルガは台詞もほとんどないし、表情もほとんどないんです。ト書きに“微笑んでいる”と書いてあっても、絵は無表情に近かったりして(笑)。そういうところをどう感情をつなげていくか、いつも考えています。あとトーマにだんだん心を開いていく過程の、そのサジ加減もむずかしくて…。いきなり明るくなるのもヘンなので。うまくヘルガの気持ちになれたらな〜と思っています」
−−トーマのような男の子はどう思いますか?
「ステキですね。トーマもチットも、ヘルガのために命をかけてがんばってくれて、すごくいいな〜と思います。うらやましいですよね。私もああいう男の子がそばにいてくれたらなあ。トーマはすごくいいやつ。田舎の子っていう感じで、強そうですね。チットは本当に健気で、ヘルガのために生きているという感じ。もう、可愛くてしかたがないです」
−−今までの中で特にお好きなシーンは?
「ベフォールの子供たちのひとり・ソレトが、前の家庭にいた時のお父さんを見つけて苦しんで泣くところが、すごく感動的でした。隠れ
て泣いていて、お父さんが傍を通過した時に、足を一回グッと小さくして泣き続ける…“ああ、ソレト!”と思いました。切なかったですね。
ヘルガの出ているシーンだと、印象的なのはヘルガがボートを漕ぐシーン。それまでヘルガは全部チットにやってきてもらっているんですよ。料理作りも、水汲みも。それが一生懸命、ボートを漕いでいて。“本当はちゃんとできるんだ”と思えてよかったです(笑)」
−−あまりしゃべらない中でも、お好きな台詞ってありますか?
「『お願い、トーマ』。何度か言うんですけれど、そう言うとトーマが『う…』とか言いながらも力になってくれるんですよ(笑)」
−−トーマにとっては、呪縛のことばですね(笑)。では、アフレコでの裏話を聞かせてください。
「面白い人がいっぱいいます。スタジオはコの字型に椅子があるんですが、一方にベフォールの方々がまとまってキツキツですわっているんです。一方はガラガラなのに…。なんだか、おかしいですよね。私たちは彼らを“ベフォールズ”と呼んでいるんです。あと、テスト中など、意味もないのに意味ありげな顔をして“なあ!”ってニヤニヤしてみせる人がいるので、笑いをこらえるのに必死。笑わせようとする人が他にもいっぱいいて、それを乗り越えて仕事するのが大変です(笑)」
−−−−みんなヘルガを笑わせてみたいんですね。この作品全体では、どんなところに魅力を感じていらっしゃいますか?
「まず、風景がすごく美しい。ヨーロッパのほうは石畳や建物がすごく綺麗で、霧がたちこめたような暗い感じも素敵です。で、トーマの故郷のほうは、緑と海が突き抜けるように明るくて綺麗。その暗さと明るさが、対照的でいいですね。
あと物語の中で、クックス刑事とアリスがベフォールの子供たちを追っているんですよ。ベフォールの子供たちはティナの生まれ代わりのヘルガを追っていて、ヘルガは自分が描き続けている風景を探していて…。みんな繋がっているんだけれど、それぞれが別々の話みたいに進行している。それが謎が謎を呼びつつも、だんだん絡み合っていく…そういうところが、見ていて鳥肌の立つほど面白いです!」
−−−−最後に、これからの抱負と視聴者へのメッセージをお願いします。
「これから、ヘルガもいろんなことを知って成長していきます。だから、私も一緒に成長していけたらいいなあと思いますね。今はまだ引きこもりがちなんですけれど…。
見ている方もたぶん、最初の5話くらいまでは何が何だかわからないところがあったと思うんです。でもこれから謎がどんどん解き明かされて面白くなりますよ。本当に期待していただいて大丈夫。絶対に裏切らないと思います!」
−−トーマと最初に出会った時の印象をうかがえますか?
「第1話で初めて演じた時“本当に主人公らしい、明るくて真っすぐな、好奇心あふれる子供らしい子供だな”と思いました。冒険アニメの主人公として王道のタイプだなと…。ルックスでのチャームポイントは、ツリ目としばった髪です(笑)」
−−トーマの中で、皆川さんが特にお好きな部分は?
「喜怒哀楽の感情表現が、ものすごく豊かなところかな」
−−トーマと皆川さんとの共通点はありますか?
「直情的なところでしょうか。裏とか考えないで、見たままワァ〜ッと怒ってしまう(笑)。そういうところが似ていますね」
−−トーマはパパン拳法をやってますよね。
「ええ。パパン拳法のシーンはいっぱい動いているんですね。だから、画面の動きに合わせて“は、はっ!”とか言っていると、絵にあてきれなくてトチったりすることもあったんですが(笑)…。トーマ、めちゃめちゃ強いんですよ、蹴りで木とか削れちゃうくらい。ネーミングも可愛いですよね、パパン拳法って」
−−皆川さんは、拳法とかやってらしゃいますか?
「残念ながら・・・。少林寺拳法とか、やっておけばよかったかなと思うことはあります」
−−演じる上で工夫していることはありますか?
「この作品は、トーマのサイドとベフォールの子供たちサイドが、すごく対照的に描かれていると思うんですよ。ベフォールの子供たちは過去を背負っていて、重くて暗くて、涙を誘う集団なんです。それと対照的に、トーマは明るく楽しく、時にギャグっぽい存在。その明るさや爽快さを出せるよう、自分でも“ちょっとやり過ぎかな〜”と思うくらい、表現豊かに演じているつもりです」
−−そのためのテンションは、どうやって上げるんですか?
「『ファンタジックチルドレン』の現場にくると“よしトーマだ”って、自然にトーマのスイッチが入るんです。あとは絵にひっぱってもらう感じもありますね。トーマの顔って、ものすごく表情が豊かなので、自然にテンションもあがるんです」
−−ところで、ヘルガのような女の子はお好きですか?
「最初“あのヤロー”と思っていたんです(笑)。ヘルガとトーマは運命的な関係で、だからトーマはどうしようもなくヘルガに惹かれるわけなんだけれど。それがなかったら“トーマはなんでこの子が好きなの?”って思うくらい。ボーッとしている
し、人の話を聞いてないし、自分の世界に入りこんで何も手伝わないし…。トーマはけっこう温厚なヤツだと思うんですけれど、それでもブチ切れるシーンがあったでしょ。まあ、それはヘルガなりにしかたなかったんだな〜と、今になればわかるんですが。当時は“このお!”と思っていました。“話しかけてるんだから『うん』くらい言え”みたいな(笑) 」
−−返事くらいして欲しいですよね。では、ヘルガ役の河原木志穂さんとのコンビネーションは?
「はい、仲良くやっています! 最初、ヘルガが全然しゃべんなくてトーマがワ〜ッとしゃべっていたんですけれど。このあいだ、ギリシア惑星の話になったので、トーマは出番が無かったんです。でも別役で私はスタジオにいて、志穂ちゃんはお当番みたいな感じで、一人三役でたくさんしゃべって大変だったんですね。『大変だね』って言ったら、『皆川さん、最近楽してませんか?』『あなた…最初ねえ、そっちが楽してたでしょ』って(笑)」
−−大変さは、持ち回りですよねえ。今までの中で、特にお好きなシーンはありますか?
「アメディオが出てきたシーンです。『母をたずねて三千里』に出てきたあの白いサルのアメディオ。製作が日本アニメーションさんだから、出せるんですね〜(他にも、名作アニメのいろんなキャラクターやアイテムが、さり気なく登場しているらしい)。『アメディオっていうんだ!』ってセリフを言った時、ものすごくうれしかったですね。話の筋には何の関係もないんですけれど。
トーマとしては、お母さんとのやりとりが好きです。本当に普通の家庭の少年とお母さんていう感じで。日常っぽい感じがいい」
−−暖かくて健康的な雰囲気が漂っていますよね。では、お母さん役の甲斐田ゆきさんとのやりとりはいかがですか?
「仲良くやってます。ゆきちゃんは、お母ちゃん役をやりながらゲルタ博士役もやっているんだけれど、時々ふたり同時に出てきたりして、大変そうです。まったく違う役をやり分けるのならいいけれど、ああいう妙齢の女性二人をひとりでやり分けるのは、あっぱれです、ゆきちゃん」
−−トーマのセリフで特にお好きなセリフはありますか?
「トーマは全体的に口が悪くてやりやすいんです。私は自然に巻き舌になっちゃうんだけれど、巻き舌になっても注意されない役なのでうれしいです。トーマはやんちゃな感じなので巻き舌でもいいのみたいです(笑)
好きなセリフ…いつも明るくて元気なトーマが、キリッと『ヘルガを助けてやりたいんだ!』って言った時は、ちょっとカッコ良いなあと思いました」
−−河原木さんは『お願い、トーマ』というセリフがお好きだそうですが、言われた時はどんな気持ちに?
「志穂ちゃん…(笑)。その時、私はトーマになりきっているので『うん、わかった』って思います。あとから皆川純子に戻って考えると“お願いされたらトーマが断れないのを知っていて使ってるな”って(笑)。三蔵法師と悟空みたいなものですね。魔性のオンナです、ヘルガは(笑)」
−−この作品全体の魅力については、どう思いますか?
「私のつたない言葉じゃ伝えきれないんです。めちゃめちゃ面白いんですよ。原作がないから、私たちも先の展開が読めない。だから台本をもらったらすぐに読んで“どうなったんだ、あれどうなったんだ〜”って。すごく先の展開が楽しみです。
詰め込みすぎると飽和状態になっちゃう可能性も普通はあるのに、この作品はいろんな要素がつまっていても、見続けているとよくわかるんですよ。謎は常にありますが…。暖かい家庭の描写あり、ベフォールの子供たちの哀愁あり、さらにSF的な要素もあり。神秘的な転生もので、冒険もので、愛もある…いろいろ詰め込んであるのに、それがちゃんと一個一個きわだって“魅せる”作品に仕上がっていると思います」
−−最後に、これからの抱負とメッセージをお願いします。
「役者陣にとってもこれからの展開が楽しみ。ここまで“来週が待ち遠しい!”と思える作品も珍しいです。いろんな要素がつまったこの作品、どこかなつかしさを感じさせつつ新しさもあるので、おすすめです。ぜひ見てください!」
  © なかむらたかし/日本アニメーション・FC製作委員会 2004
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